『子どもの学力は12歳までの「母親の言葉」で決まる』から学ぶ家庭教育②~受験の目的を考える

『子どもの学力は12歳までの「母親の言葉」で決まる。』(河村京子 著/大和出版)をもとに,将来活躍できる子どもに育てるための効果的な声かけや接し方を学びます。

わが子が東大・京大に現役合格!  子どもの学力は12歳までの「母親の言葉」で決まる。

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受験の目的を明確にする

「何としても,子どもを~中学に合格させたいんです」「~高校に入れたいんです」と言う親は少なくありません。受験に合格させるために,塾の授業数を増やしたり,家庭教師を付けたりします。子どもが乗り気でなくても,校風やレベルが子どもに合っていなくても,「何とかして合格させたい!」と,親が必死になって子どもに勉強させます

受験合格は通過点にすぎない

受験合格はゴールではなく,通過点にすぎません。周りが必死になって子どもに勉強をさせ,仮に受験に合格したとしても,入学後が大変です。『子どもの学力は12歳までの「母親の言葉」で決まる。』著者の河村氏は,次のように述べています。

[……]合格の確率を少しでも高めるために「知識」をたくさん身につけさせようとする――。[……]

でも、私はそれ以上に、「考える力=本当の学力」を身につけさせる必要があると考えています。

その理由は、2つあります。

1つは、難関校になればなるほど、「知識」だけでは手に負えない問題、すなわち「考える力」を必要とする問題を出題する傾向があるからです。

もう1つは、仮に合格できたとしても、「考える力」がないと、入学した後で苦労する可能性が高いからです。

 私自身の中学・高校時代,これまで指導してきた生徒さんを振り返っても,「あの子は~中学の方が向いていたのに」「無理にこの高校に入ったために苦労しているなぁ」と感じることが多くありました。

子ども自身で目標を持ち,勉強することが大切

親が無理やり勉強させ,受験に合格したとしても,学校のレベルや校風が子どもに合っていなかった場合,個性や力が十分に伸ばせず,将来的に見て良い結果にはなりません

また,「この学校に入りたい!」と子ども自身で心底思うことができれば,自然と勉強するようになるはずです。そのためには,「こんな学校があるんだよ」「お母さん(お父さんは)ここが良いと思うんだけど,どうかな?」「こんな授業もあるんだって。将来の仕事にも繋がりそうだよね」など,進路について,日ごろから子どもと話し合うことが大切です。

子ども自身が「この学校に入りたい!」と目標を持ち,努力した上で,「勉強のやり方が分からない」「質問が多いからもっと教えてほしい」という場合は,塾の授業数を増やしたり,家庭教師を付けたりすることを検討するのもよいでしょう。

受験合格をゴールにするのではなく,子どもの将来を見据え,「自身で目標を持ち,達成に向け努力する」「考える力を高める」機会として,受験を捉えてほしいと思います。

 

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『子どもの学力は12歳までの「母親の言葉」で決まる』から学ぶ家庭教育①~「がんばれ!」ではなく「がんばり方」を伝える

『子どもの学力は12歳までの「母親の言葉」で決まる。』(河村京子 著/大和出版)をもとに,将来活躍できる子どもに育てるための効果的な声かけや接し方を学びます。

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 「がんばれ!」は子どもの自信を奪うことがある

子どもを励ますときに「がんばれ!」という声かけをする方も多いと思います。『子どもの学力は12歳までの「母親の言葉」で決まる。』著者の河村氏は,「がんばれ!」という言葉はときに子どもにプレッシャーを与えると述べています。

たとえば、子どもを応援するとき、励ますときには、

「がんばれ!」

と言いますね。

でもこの言葉、使い方によっては、子どもを追いつめることになります。

もし、あなたが精いっぱいがんばっていてもうまくいかなくて落ち込んでいるとき、

「もっとがんばれ!」

と言われたら、どんな気持ちになりますか?

私だったら、

「これ以上、どうがんばればいいの?」と泣いてしまいそうです。

 私自身,保護者の方より,次のような相談を受けたことがあります。

子どもが「パイロットになりたい」と言っていたので,実際に飛行場の見学に行って仕事の話を聞いたり,「英語もできないといけないね」など親が伝えたりしたりしたそうです。すると子どもが「やっぱりパイロットになるのやめる」「ぼくには無理だ」と言い出したのです。「親としては,応援するつもりで色々な取り組みをしたのに,子どもにとっては負担だったのだろうか」「期待をかけるのはよくないのだろうか」と悩んでしまったとのことでした。

子どもにプレッシャーを与えずに,応援するためにはどうすればいいのでしょうか。

「がんばれ!」ではなく,努力を認め,具体策を伝える

本来,周囲から期待をかけられるのは,嬉しいことのはずです。「ここまでで十分。よくがんばった」と言われるより,「あなたならできる」「もっと上を目指せる」と思われている方が,「信じてもらえているんだ!」「もっとがんばろう!」という気持ちがわいてくるでしょう。

しかし,漠然と「がんばれ!」と言われただけでは,どうがんばればいいのか分からず,本当にできるのか心配になってしまうこともあります。

プレッシャーをかけすぎずに子どもを応援するためには,次のようなポイントに気を付けてください。

  • 今,がんばっていることを認める

(例)「英会話もがんばって~年続けているもんね」

「学校のテストもよくなってきているね」

「勉強時間が増えてきているね。よくがんばっているね!」

  • 具体的に,どうがんばればいいかを伝える

(例)「このまま英会話の宿題をきちんとやれば大丈夫だよ」

「中学校に入ったら英語を習うから,そこから頑張れば十分間に合うよ」

「中学校のテストでは80点以上を目指そう。そのためには小学校のテストでも点数を取っておいた方がいいね」

 現時点での努力を評価し,「さらにこうすればいいんじゃない?」と具体的なアドバイスをすることで,子どもは難しい目標にも前向きに取り組んでいくことができるでしょう。

 

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「小・中学校の家庭学習アイデアブック」から学ぶ家庭教育④~友だち同士で意見交換する

変化が大きいこれからの社会では,単に与えられた課題がこなせたり,勉強ができたりするだけでは,食べていくことができません。したがって子供が多くの時間を過ごす家庭で,思考力や主体性を高める教育を実施していくことが大切です。効果的な家庭教育・学習について,『アクティブ・ラーニングが絶対成功する!小・中学校の家庭教育アイデアブック』をもとに考察を深めます。

アクティブ・ラーニングが絶対成功する! 小・中学校の家庭学習アイデアブック

アクティブ・ラーニングが絶対成功する! 小・中学校の家庭学習アイデアブック

  • 作者: 田中博之
  • 出版社/メーカー: 明治図書出版
  • 発売日: 2017/01/20

友人とアクティブに交流しながら学ぶ

愛知県尾張旭市立東中学校の彦田泰輔氏は,生徒同士でノートを交換し,お互いにコメントを書く学習方法を提唱しています。友人と交流しながら学ぶアクティブ・ラーニングでは,次のような効果が見られます。

  • 自分の取り組みを認めてもらえる。
  • 友だちの優れたノートのやり方に触れ,新しい家庭学習の型を手に入れることができる。
  • 友だちに見られるという相手意識をもつことで,内容が充実したり,「提出しなくては」という気持ちをもたせたりできる。

私の教室でも,生徒さん同士がアクティブに交流し学んでいます。例えば,自身がつくったロボットについて、「もっと良くしたいんだけどいいアイデアないかな?」とメモを残しておき,他の生徒さんに意見を求めます。

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するとその後,教室を訪れた生徒さんは皆,率先してアイデアを出してくれます。ロボットをつくっているお友だちに意見が伝わるよう,思い思いの方法や表現で,メモにまとめます。

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ロボット作成者である生徒さんは,皆の意見に目を通して,実際のロボットづくりに取り入れるものには✔を,今回取り入れないものには×を,自発的に付けました。双方向のコミュニケーションを意識できているなぁと,私自身とても感心しました。

ロボット作成者,アドバイスする側の生徒さんともに,大きな学びがありました。お互いに,ロボットづくりに対する新しい着想が得られ,自身のアイデアを言語化するよいトレーニングになったようです。

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普段は作文に対する苦手意識が強い生徒さんも,「何とかして思いを伝えたい!」と積極的に取り組みに参加してくださいました。「あのロボットどうなった?」「あの子なんて言ってた?」など,生徒さんご自身が興味を持って自発的に取り組むことで,苦手な読み書きの壁も乗り越えられたようです。

また「友だちが週末に来るから,この作品見せたい!」と言って,教室でつくった作品を持ち帰り,「友だちがもっとこうした方がいいんじゃないって言ってた」「もうちょっと改造してみようかな」と,次の授業で追加の取り組みを実施する生徒さんも少なくありません。

このように友だち同士の交流を通じて,能動的で大きな学びが期待できます。ぜひご家庭でも,子ども一人に学習させるだけでなく,友だち同士の交流も意識してみてください。

 

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子どもの「やり抜く力」を高める方法⑪~親が失敗を見守る強さを持つ

子どもに失敗を経験させることは,「どこが良くなかったかな?」「どうすれば上手くいくかな?」と考えるきっかけになるため,「やり抜く力」の向上に役立ちます。学習や練習方法を試行錯誤し,成果を出し続けることで,物事を「やり抜く」ことができるのです。

子どもに失敗を経験させるためには,親が失敗を見守る強さを持つことが重要です。失敗は成長の機会であるにも関わらず,子どもの失敗を防いでしまう親が少なくありません。なぜ親は子どもの失敗を防いでしまうのでしょうか。

(1)親が恥をかきたくないから,イライラするから

「子どもが失敗すると,親がきちんとしていないと思われる」「恥をかきたくない」「なかなかできない様子を見ているとイライラする」という理由から,子どもの失敗を防いでしまうケースがあります。子どもの忘れ物が多かったり,宿題が出来ていなかったりすると,親が罪悪感を覚え,イライラするかもしれません。

確かに「お母さんがチェックしてください」「ご家庭でやってください」と先生から指示されたものは,きちんとできているか,親が最終チェックをする必要があります。しかしその過程や,他のことはなるべく子どもに任せるようにしましょう。

練習や学習をする時間を決めておいて,約束通りにできるかどうか,一度子どもに任せてみてください。幼稚園や習い事の前に,親が最終チェックして,できていなければ、原因を分析して対策を立てます。このような形で取り組ませると,子どもに失敗するチャンスを与えることができます。

着替えや出かける準備なども,子どもに任せましょう。最初は上手くできず,時間がかかるかもしれませんが,失敗を繰り返すことで,「どうしたら上手くできるかな?」と子ども自身で学び,成長していきます。「子どもが失敗したら恥ずかしいから」「見ているとイライラするから」という理由で,子どもの失敗を防がないようにしましょう。

(2)うちの子にはできないと思っているから

「うちの子はできが悪いので親がやらないとダメだ」「まだ子どもだから親がやってあげないと」と考え,失敗を防いでしまう親がいます。しかし,このような考え方では,いつまでたっても子どもに物事を任せることができず,子どもは成長できないままになってしまいます。

自転車の練習を例に挙げて説明しましょう。「まだできないから」と言って,補助輪付き自転車にずっと乗っていては,なかなか補助輪なし自転車に乗れるようにはなりません。最初は上手く乗ることができなくても,補助輪なし自転車で何度も練習した方が,上達スピードは速いのです。時には転んで,けがをしながら,子どもは補助輪なし自転車の乗り方を体得していきます。

子どもは失敗を繰り返しながら学び成長します。子どもを信じて任せる,チャレンジさせることが大切です。

(3)失敗したら子どもがかわいそうだから

「失敗して落ち込んだらかわいそう」「先生に叱られるのがかわいそう」という理由で,失敗を防いでしまう親も少なくありません。

確かに,親が代わりに何でもやってあげて,失敗を防げば,子どもが落ち込んだり,先生に叱られたりせずに済みます。短期的には問題が発生せず,生活がスムーズにいくので,快適に感じるかもしれません。

しかし子どもに失敗を経験させないことは,長期的に見ると,大きな問題をはらんでいます。失敗させたくないあまり,親が何でもやってあげると,次第に子どもは自分で考えて行動することができなくなります。他人にやってもらうのが当たり前になり,「どこが上手くいっていないんだろう?」「次からどうすればいいんだろう?」と自分で考えられなくなるのです。

このような指示待ち人間は,物事をやり抜き,社会で活躍することが難しいでしょう。失敗を防ぎ,子どもの成長を妨げることの方が,長期的に見て「かわいそう」なのです。

失敗して落ち込んだり,先生に叱られたりするのも貴重な経験です。子どもの落ち込みが大きいようであれば,親がフォローしましょう。「なぜ今回は上手くいかなかったかな?」「次からはどうすればいいかな?」「対策を試してみたら次は上手くいくよ!」など,失敗から学び,次に生かせるような声掛けを実施してください。

 

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『究極の育て方』から学ぶ家庭教育③~成功体験をさせる

『イェール+東大、国立医学部に2人息子を合格させた母が考える 究極の育て方』(小成富貴子 著/KKベストセラーズ)をもとに,国際社会で活躍できる,どこに出しても恥ずかしくない子どもの育て方を学びます。

イェール+東大、国立医学部に2人息子を合格させた母が考える 究極の育て方

イェール+東大、国立医学部に2人息子を合格させた母が考える 究極の育て方

 

子どもに成功体験をさせることが大切

子どもが勉強をしないからと言って,無理やり取り組ませていないでしょうか。親がやってほしい習い事を押し付けてはいないでしょうか。勉強や苦手なことにも,子どもが自発的に取り組めるようになるためには,成功体験をさせることが大切です。

『イェール+東大、国立医学部に2人息子を合格させた母が考える 究極の育て方』にて,小成氏は次のようなエピソードを紹介しています。

長男が勉強に目覚めたのも、小さな成功体験がきっかけでした。[……]

小学校で来賓の方の前で合唱を披露する機会があり、2年生の担任の先生が「(長男は)歌が上手だよね」と独唱のパートを任せてくれたのです。[……]

初めて先生に「選ばれる」という体験をし、学校の代表として歌ったことで、先生やお客さまのみならず周りの友人たちにも「小成、歌うまいよ」と褒められました。それがとてもうれしかったようで、長男の中で「また褒められたい」という気持ちがどんどん育っていきました。そして「褒められるにはどうしたらいいだろう?」と考えるようになったのです。

子どもの好きなこと,得意なことを通じて,成功体験をさせましょう。音楽や運動など,勉強以外の取り組みであっても、「認められる」「褒められる」経験をすること自体が大切です。

勉強に取り組ませる場合も,いきなり難しい問題にチャレンジするのではなく,最初は実力の範囲内の問題を学習させるようにしましょう。(目安としては,正答率が8割以上となるようなレベルの問題がおすすめです。)特に勉強嫌いの子どもの場合,まずは「できる!」という感覚を持ってもらうことが重要です。

「できたね!」「がんばったね!」「じゃあもう少し難しい問題にも挑戦してみようか」という声掛けが,自然と子どもをより高い目標に向かわせるでしょう。

 

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「小・中学校の家庭学習アイデアブック」から学ぶ家庭教育③~テスト勉強より「振り返り」が大切

変化が大きいこれからの社会では,単に与えられた課題がこなせたり,勉強ができたりするだけでは,食べていくことができません。したがって子供が多くの時間を過ごす家庭で,思考力や主体性を高める教育を実施していくことが大切です。効果的な家庭教育・学習について,『アクティブ・ラーニングが絶対成功する!小・中学校の家庭教育アイデアブック』をもとに考察を深めます。

アクティブ・ラーニングが絶対成功する! 小・中学校の家庭学習アイデアブック

アクティブ・ラーニングが絶対成功する! 小・中学校の家庭学習アイデアブック

  • 作者: 田中博之
  • 出版社/メーカー: 明治図書出版
  • 発売日: 2017/01/20

テスト結果よりも大切なこと

子どもに良い成績を取らせようと必死になったり,テスト結果に一喜一憂する親が多いと感じます。子どもに付きっきりで勉強を教えたり,山を張ったりする親もいますが,テストで良い点数を取ることにどれだけ意味があるのでしょうか。

なぜテスト勉強をするのか

テスト勉強をしたり,テストを受けたりすることの目的について考えてみましょう。

なぜテスト勉強をしたり,テストを受けたりするのかというと,自分が努力してきたことに対して,どれくらい成果が出るか確認するため,目標に対して,現在の自分がどれくらいの位置にいるか把握するためだと私は考えます。

自身で目標を決め,その達成に向けて取り組み,実現する力は,社会に出てから特に求められます。したがって,通過点である小学生や中学生の間は,ぜひテストを目標達成力を測ったり,高めたりするために活用してほしいと思います。親が過剰にサポートして,テストで良い点数を取れたとしても,将来の子どものためにはなりません。

テストの振り返りを実施しよう

テスト結果に一喜一憂するだけで,振り返りをきちんと実施できていないご家庭をよく目にします。『アクティブ・ラーニングが絶対成功する!小・中学校の家庭教育アイデアブック』にて,神奈川県横須賀市立北下浦中学校の吉岡達郎氏は,次のように述べています。

[……]私が強く感じたことは,これだけ事前学習は頑張るのに,テスト後の事後学習にはあまり目が向けられていない現状である。返却された答案用紙の点数のみにこだわるのではなく,答案用紙そのものの中にこそ,目的意識を持って勉強してきた振り返りができる材料があるのではないか。

具体的な振り返り方法については,本書で詳しく紹介されていますが,一番大切なことは,「間違えていた原因を分析する」ということです。

なぜ間違えたのか?

[例①]ケアレスミス→見直しは実施していたか?方法は適切か?

[例②]時間不足→時間がかかりすぎた箇所はどこか?理解は十分だったか?

[例③]分からなかった→類似問題は学習していたか?基本問題か応用問題か?

なぜ間違えていたかを考え,次に生かすことが,目標達成力の向上に繋がります。ぜひご家庭で「ここはなぜ間違えたの?」「次からどうすればいいと思う?」など,子どもに考えさせる声掛けを実施しましょう。

 

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『究極の育て方』から学ぶ家庭教育②~親子の会話を通じて勉強に興味を持たせる

『イェール+東大、国立医学部に2人息子を合格させた母が考える 究極の育て方』(小成富貴子 著/KKベストセラーズ)をもとに,国際社会で活躍できる,どこに出しても恥ずかしくない子どもの育て方を学びます。

イェール+東大、国立医学部に2人息子を合格させた母が考える 究極の育て方

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勉強に興味を持たせる方法

「子どもが自分で勉強をしない」とお悩みのお母さん、お父さんは多いことでしょう。今回は、親がガミガミ言わなくても、子どもが勉強に興味を持つようになる方法についてご紹介します。

1.「今日どんなことを勉強した?」と質問してみる

『イェール+東大、国立医学部に2人息子を合格させた母が考える 究極の育て方』著者は,勉強の話で一家団欒していたといいます。

わが家では夕食のときに、その日にあったことや学校で習ったことを話すという習慣がありました。今でも家族で食事をするときには定番の会話です。

「今日何があった?」

から一歩踏み込んで小学生であれば、

「算数は何を勉強したの?」

のように具体的に聞いてみます。

習ったことを他人に分かりやすく説明するのは案外難しいものです。このような取り組みは,自身の経験や頭の中の考えを言葉にするトレーニングになります。学習内容のよい復習になり,勉強に興味が出てきて,授業も集中して聞くようになるかもしれません。

2.「分からないから教えて」と聞いてみる

子どもに質問されたとき,分からなければ「分からない」と正直に答えましょう。「子どもにバカにされる」「できないところを見せると親の威厳を損ねる」など気負わなくて大丈夫です。親が「分からない」と言うと,子どもは何とかして教えよう,伝えようと努力します。このような姿勢は,子どもを成長させます。

子どもに「~って知ってる?」と聞かれたとき、知らない場合は「あら、わからないわ。教えて」と答えます。そうすると、「仕方ないなぁ」などと言いながら、一生懸命授業の内容を説明してくれます。

私も,生徒さんがゲームや海外の新しいロボットなどの話をしてきてくれたとき,分からなければ正直に「知らないなぁ」「どんなの?教えて」と伝えるようにしています。すると,目を輝かせながら,ご自身の知っていることを教えてきてくれます。上手く説明できないときは,一緒にインターネットを検索しながら話します。

皆さん,「先生,~って知ってる!?」「知らないんだったら教えてあげるね」と毎回新しい話題を持ち込み,一生懸命説明してくれます。

ご家庭でも「子どもに教えてもらう」という取り組みを実施いただければ,子どもは勉強や習い事にさらに興味を持つようになるでしょう。

3.クイズを出してみる

子どもの理解度をチェックしたり,興味を持たせたりするためには,クイズを出すことも効果的です。本書では,教科書や入試問題に関するクイズ例が紹介されていますが,より身近で気軽なテーマについて出題するのもよいでしょう。たとえば,読み聞かせしている本,ニュースやTV番組の内容について質問するのもおすすめです。

・主人公は誰に会いに行ったかな?

・このあと主人公はどうなったと思う?

・なぜこの登場人物はこんな行動を取ったと思う?

・「全治」ってどういう意味か知ってる?

・台風の進路ってどうなるんだったっけ?台風が通過するのはいつ?

 

家庭教育に取り入れられそうなものがあれば,ぜひ試してみてください。

 

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『究極の育て方』から学ぶ家庭教育①~親も一緒に勉強をする

『イェール+東大、国立医学部に2人息子を合格させた母が考える 究極の育て方』(小成富貴子 著/KKベストセラーズ)をもとに,国際社会で活躍できる,どこに出しても恥ずかしくない子どもの育て方を学びます。

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「勉強しなさい」と言わない

子どもが勉強しないとき,どのように対処するのがよいのでしょうか。つい「勉強しなさい」と言ってしまう親も多いと思いますが,本書では次のように書かれています。

私は子どもが生まれる前から、将来子どもを持ったら「『勉強しなさい』と言わないようにしよう」と心に決めていました。実際、この言葉ほど子どものやる気を削ぐものはないと思います。

 私は母から一度も「勉強しなさい」と言われたことがなく、むしろそのおかげで自分から気持ちよく勉強に向かえたと感謝しています。ですから、自分の子どもにも同じように自発的に勉強に向かうようにしてあげたかったのです。

著者は,子どもの勉強がはかどっていなくても,決して「勉強しなさい」とは言わなかったそうです。代わりに子どもが進んで勉強する方法を考えていたといいます。

親も「一緒に」勉強する

子どものやる気が低いときや勉強をしないときに,一番効果的なのは,親も一緒に勉強することであると著者は述べています。

 「子どもが勉強しない」という相談は,私のもとによく持ち込まれますが,話を聞いてみると,親が子どものとなりでゲームをしたり,テレビを見たりしているケースが少なくありません。「なんで,ぼく/私だけ勉強しないといけないの?」「お母さん/お父さんは遊んでいるのに......するい!」と子どもに言われたことがあるという親もいました。

子どものとなりで,ぜひ親も読書や資格試験の勉強など,自分の勉強」をする姿勢を見せましょう。著者は次のように述べています。

「大人になっても勉強する」姿勢を見せることは「勉強しなさい」と言うよりも、はるかに説得力があったと思います。

また,宿題を親子で一緒に解いてみるのも,子どもにとってよい刺激となるでしょう。著者は,高校受験・大学受験の過去問を親子三人で解いていたといいます。

私の教室でも,生徒さん同士で同じ問題を解いてもらうことがありますが,「負けたくない!」「タイムアタック!」と言うなど,やる気を引き出すことができるようです。「勉強やりたくない」と言っていた生徒さんも,「もう一回バトルしたい!」「次こそは勝つ!」と競争心が刺激され,自然と勉強に取り組めるようになることが多いです。

「勉強しなさい」と言うだけでなく,ぜひ「子どもが自ら勉強する方法」を考え,実践するようにしましょう。

 

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