「最高の子育てベスト55」より学ぶ家庭教育①~子どもを叱る前に親が頭を冷やす

『いまの科学で「絶対にいい!」と断言できる 最高の子育てベスト55――IQが上がり、心と体が強くなるすごい方法』(トレーシー・カチロ―著/ダイヤモンド社)をもとに,効果的な家庭教育について考えます。

いまの科学で「絶対にいい! 」と断言できる 最高の子育てベスト55―――IQが上がり、心と体が強くなるすごい方法

いまの科学で「絶対にいい! 」と断言できる 最高の子育てベスト55―――IQが上がり、心と体が強くなるすごい方法

 

親が頭にきている状態では教育効果はゼロ 

子どもを叱るとき,以下の記事で紹介している通り,確かにタイミングや声掛け方法も大切です。

blog.terak.jp

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 しかし子どもを叱る前に、まずは親が冷静になることが最も重要です。親がカッカした状態では、どうしても頭ごなしに子どもを叱りつけてしまうからです。

『いまの科学で「絶対にいい!」と断言できる 最高の子育てベスト55――IQが上がり、心と体が強くなるすごい方法』でも,ームダウン(頭を冷やすこと)は,勢いにまかせた破壊的な行動を止めるポジティブな方法であるとして,その重要性が述べられています。

どうすれば「カームダウン」することができるのでしょうか。本書では様々な方法が紹介されていますが,最も取り組みやすく,私が保護者様にもおすすめしているのは以下の2つです。

1.無言になる

感情的に子どもを脅したりけなしたりせず,無言になりましょう。

子どもに「グズグズ言ったら無視するよ」と伝えてあるなら、グズグズを一切無視する。「後部座席でケンカを始めたら車を止める」と伝えてあるなら、無言で車を止める。

悪い行動がおさまったらすぐに(30秒待って本当におさまったのを確認してから)、コミュニケーションを再開しましょう。

2.場所を移動する

親が子どもを頭ごなしに叱りたくなってしまうのは,大量に「目をかけている」からであり,子どもの悪い行動に対して一時的に「注目するのをやめる」ことが効果的であると本書では述べられています。

親のほうからこう切り出しましょう。

「ママは、ちょっと頭を冷やしたいの。部屋に行って本を読んでくるわ」

「ちょっと頭を冷やそうか。ママは深呼吸するね」

「この話は、2人とも頭を冷やして落ち着いてからにしましょう」

子どもに対して腹が立ってしまったとき,ぜひ一度試してみてください。

【キッズプログラミング体験】イベントを開催します

2018年1月6日(土),7日(日)浜松こども館にて「キッズプログラミング体験 パソコンでゲームを作ってみよう!!」イベントを開催します。

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www.hcf.or.jp

大きな反響をいただき,予約開始日に満席となり,キャンセル待ちの状態となっています。たくさんのお申し込みをどうもありがとうございます。当日,皆様にお会いできますことを楽しみにしております。

『子どもの学力は12歳までの「母親の言葉」で決まる』から学ぶ家庭教育⑤~子どもと対等に付き合う

『子どもの学力は12歳までの「母親の言葉」で決まる。』(河村京子 著/大和出版)をもとに,将来活躍できる子どもに育てるための効果的な声かけや接し方を学びます。

わが子が東大・京大に現役合格!  子どもの学力は12歳までの「母親の言葉」で決まる。

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 「上から目線」で命令するのを止める

私の教室には様々な生徒さんが通ってくれていますが,ありがたいことに,どの生徒さんも授業を楽しみにしていて,本音で話してくれたり,ありのままの姿を見せてくれます。

「うちの子は家では何も話さないのに,先生の教室では色々話しているようで,子どもの本音を引き出してくださり,とてもありがたいです」

「どうしてどの生徒さんとも信頼関係を築けるのですか?」

「何か気を付けていることはありますか」

保護者の方より,このようなお声をいいただくことが多いです。

私が生徒さんと接する際に気を付けていることは,「対等に付き合う」という1点のみです。どんなときも,「早くしなさい」「こうじゃないの!?」など,上から目線の声かけはしないよう心がけています。

親子関係のお悩みについてお伺いしていると,上から目線の声かけが日常茶飯事になっていて,子どもが心を閉ざしていたり,親子喧嘩に発展したりというケースが多いものです。

「宿題を早くやりなさい!」

「夕食の前には手を洗うんじゃなかったの!?」

子どもをコントロールしたい一心で,このような声かけをしてしまっていないでしょうか。

大人として扱うことが,子どもの「考える力」を高める

子どもと対等に付き合うことで,信頼関係を築けるだけでなく,子どもの「考える力」も高めることができます。『子どもの学力は12歳までの「母親の言葉」で決まる』では,次のように述べられています。

たとえば、子どもが夕ご飯を残したとします。

「好き嫌いをしないで全部食べなさい!」

と言ってしまうのは簡単です。

でも、それでは子どもは反抗するか、萎縮するかしかありません。

もし、子どもに「考える力」をつけてほしいなら、大人として扱ってあげることが大切です。

[……]

「どうして今日は残したのかな?」

「何か嫌いなものが入っていた?」

「どうやったら全部食べられるかな?」

このように穏やかに質問をしてあげたら、子どもは今日のご飯について考えるでしょう。

[……]子どもに「考える力」をつけてほしいなら、「大人としてつき合う」ことが何よりも大切なのです。

日常生活の中で,すべての声かけをこのように丁寧に行うのは難しいかもしれません。しかし,「子どもと対等につき合う」「大人として扱う」ということを,少しでも心に留めていただければ,子どもへの接し方が変わってくるはずです。ぜひ意識してみてください。

『子どもの学力は12歳までの「母親の言葉」で決まる』から学ぶ家庭教育④~感情的な叱り方をやめる

『子どもの学力は12歳までの「母親の言葉」で決まる。』(河村京子 著/大和出版)をもとに,将来活躍できる子どもに育てるための効果的な声かけや接し方を学びます。

わが子が東大・京大に現役合格!  子どもの学力は12歳までの「母親の言葉」で決まる。

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子どもが自分で考え行動できるような叱り方をしよう

子どもが何かできないとき,「ダメ!」「どうしてできないの!?」など,つい感情的に怒ってしまう親が多いのではないでしょうか。

好きで失敗したり,親に怒られようとしたりする子どもはいません。それなのに,感情的な言葉をかけられると,問題が解決しないばかりか,子どもは次第に心を閉ざしてしまうでしょう。

親が次から叱らなくてもいいように,子どもが自分で考え行動できるような叱り方を心がけましょう。『子どもの学力は12歳までの「母親の言葉」で決まる』では,「感情の言葉」を「理性の言葉」へと言い換える方法が紹介されています。

「感情の言葉」→「理性の言葉」へ言い換えよう

  • 「早くしなさい!」→「いつするの?」

「いつするの?」

そうすると、子どもは段取りを考え始めます。

そして、いつするかを自分で決めるようになるでしょう。

親子で話し合って,一日の流れを予め決めておくのも効果的です。

  • 「どうしてできないの!」→「この問題が難しかったね。次は、きっとできるよ」

「どこがよくなかったかな?」「次はこうすればいいね!」と具体的な原因と対策を子どもに話しましょう。そうすれば「自分はできない子だ」と落ち込むことなく,「次からこうしよう!」と勉強にも前向きに取り組むことができるでしょう。

  • 「ダメ!」→「壁に落書きをしてはダメよ」

何がダメかを具体的に子どもに伝えましょう。「壁ではなく画用紙に絵を描こうか!」など,やってよいことをセットで話すのも効果的です。

  • 「ちゃんとしなさい!」→「お人形は棚の上に座らせてあげて、積木は積木の箱に入れて、クレヨンは2番目の引き出しの手前の箱に入れてね」

「ちゃんと」という言葉では,子どもが何をすればいいか伝わりません。「どうすればいいか」を具体的に話すようにしましょう。メモに書いて分かるようにしておけば,毎回親が声かけする必要がなく,子どもが自分で気づいて行動するようになるので,おすすめです。

日々の声かけを変えることで,子どもが自分で考え行動できるように導きましょう。

『子どもの学力は12歳までの「母親の言葉」で決まる』から学ぶ家庭教育③~ご褒美作戦を見直そう

『子どもの学力は12歳までの「母親の言葉」で決まる。』(河村京子 著/大和出版)をもとに,将来活躍できる子どもに育てるための効果的な声かけや接し方を学びます。

わが子が東大・京大に現役合格!  子どもの学力は12歳までの「母親の言葉」で決まる。

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子どもをご褒美で釣るには限度がある

子どもに勉強や習い事をしてほしい一心で,「これをしてくれたらゲームを買ってあげるよ」「おやつをあげるよ」とご褒美で釣る親は少なくありません。

しかし,次第に子どもから,「勉強頑張ったでしょ!だからテレビ見させてよ!」「もっと頑張ったから,今日はゲームをたくさんやってもいいでしょ!」「塾の回数を増やしてもいいから,ゲーム機買ってよ!」と要求してきたり,駆け引きのようになってしまう...…といった相談が私のもとによく持ち込まれます。

『子どもの学力は12歳までの「母親の言葉」で決まる』では,「ニンジンをぶらさげる方法」の効果について,次のように述べられています。

「テストで100点とったら、お小遣いアップ」などと約束すると、そのときはがんばりますが、次にはさらなるご褒美アップを要求されるでしょう。

または、子どもがムリだと思ったら、振り向きもしなくなるでしょう。

以上からわかるように、「ご褒美=モノを与える」で結果を求めることは、そのときには効果があっても、長い目で見るとマイナスになります。

[……]目先の効果だけで「ご褒美と罰」を親が使い続けると、子どもは反発するかやる気をなくすかのどちらかになってしまうことでしょう。

「モノ」ではなく「心のご褒美」を与える

子どもをモノで釣る方法には限界がありますが,「お母さんの笑顔」というご褒美はいくら使っても効果が薄れることはないと本書では述べられています。

直接的なニンジンをぶらさげなくても、お母さんが、

「がんばったね、お母さん嬉しいよ」

と笑顔で言ってあげるだけで、

「次もがんばろう!」

と子どもはやる気がわいてくるのです。

[……]もし、あなたがすでに子どもをご褒美でがんばらせる習慣をつけてしまっていたとしたら、今日からご褒美を変えましょう。

あなたの笑顔と言葉をご褒美にするのです。

最初は、子どもも「モノ」のご褒美を要求するかもしれません。

でも、すぐにお母さんの笑顔が最高のご褒美だということに気づくでしょう。

「将来のためになること=ご褒美」だと理解してもらう

子どもが何かを嫌がる場合,その目的が分かっていなかったり,納得していなかったりすることが多いです。なぜ勉強が大切なのか,どのような目的でその習い事に取り組んでいるのか,お母さんのためではなく子ども自身のための取り組みであることを理解してもらいましょう。親が子どもの将来のために投資して,幸せな人生を歩めることこそが,子どもにとって最大のご褒美ではないでしょうか。何かで子どもを釣るのではなく,その取り組みの意味や目的そのものについて,ぜひ伝えるようにしましょう。

 

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子どもに目的意識を持たせる方法

生活面や学習面で,子どもに目的意識を持たせることは,とても大切です。どうなりたいからその作業や課題に取り組んでいるのか,いつまでにどうなっているのが理想なのか,子どもに理解してもらいましょう。目的意識があるかどうかで,取り組み方や吸収率が大きく変わってくるためです。

子どもに目的意識を持ってもらうために,私の教室では,次のようなメモを用いて,授業計画や目標を共有しています。

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このような形で長期・中期計画を見える化すると,子どもは「半年後にはこうなれるんだ!」「だから今回も頑張ろう!」と自ら目的意識を持ち,一回一回の授業を集中して受講するようになります。

毎回先生から「今日はこれをやるよ」と課題を与えられる形式では,長期的な目標から逆算し,子ども自身で目的意識を持って授業を受けることは難しいかもしれません。

また,なぜその課題に取り組むのか,子ども自身に納得してもらうことも肝要です。特に子どもが嫌いなことや苦手なことについては,その取り組みの目的や必要性を理解してもらえるかどうかが,重要なポイントになります。

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まずは理由を説明して取り組んでもらう→「できる」「分かる」「楽しい」という経験を積み重ねを通じて,少しずつ苦手を克服してもらいましょう。

 日々の学習について,親が「1日2ページやりなさい」「今日はこれをやりなさい」と指示していないでしょうか。「なぜこの勉強をやらないといけないのかな?」「このドリルはいつまでに終わらせるのがいいかな?」「じゃあ1日何ページ進めるといいかな?」と子どもに目的意識を持たせる声かけを,ぜひ心がけてみてください。