『実践版GRIT(グリット)やり抜く力を手に入れる』から学ぶ家庭教育③~子どもに夢を持たせる

 これからの社会を生き抜くうえで,長期的な目標を掲げ,情熱を持って物事を「やり抜く」ことはとても大切です。『実践版GRIT(グリット)やり抜く力を手に入れる』(キャロライン・アダムス・ミラー著/すばる舎)をもとに,子どもの「やり抜く力」を高める家庭教育について考察を深めます。

実践版GRIT(グリット) やり抜く力を手に入れる

実践版GRIT(グリット) やり抜く力を手に入れる

  • 作者: キャロライン・アダムス・ミラー,宇野カオリ,藤原弘美
  • 出版社/メーカー: すばる舎
  • 発売日: 2018/02/21
  • メディア: 単行本
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 子どもに将来の夢を持たせる

「将来,こんな仕事をやってみたい」「こんな職業に就きたい」と子ども自身で夢を思い描くことは,「やり抜く力(グリット)」を高める上で,とても大切です。

本物のグリットは、すべて「夢」からスタートする。

「やりたいこと」から逆算した結果,歩むべき進路や「やるべきこと」が明らかになります。「だからこの課題に取り組んだ方がいいんだ」「将来こうなるために,今がんばっているんだ」と子ども自身で納得して,日々の生活や学習に取り組めるようになります。このような中で自然と「やり抜く力(グリット)」が高まります。

 しかし,「子ども自身で夢は持っているけれども,努力する姿勢が見られない」「口だけで行動が伴っていない」とお悩みのお母さん,お父さんもいることでしょう。以下の点を確認してみてください。

本当に子ども自身の夢かどうか

夢や目標に向かって物事をやり抜くには,子ども自身で心の底から「こうなりたい!」と思えていることが大切です。

あなたにとって重要で、苦しい状況になってもあなたをマウンドに立たせ続けるような目標は、他の誰でもなくあなた自身のものでなくてはならない。もしあなたの夢が、あなた自身でなく別の誰か、例えば家族や監督などを喜ばせるためのものであったとしたら、それは途中で行き詰まる可能性が高くなるだろう。

「将来こうなることをお母さん、お父さんが望んでいるから」という理由で,将来の夢を決めている場合,子どもはその夢に向かって努力することが難しいでしょう。

親の要望を押し付けることなく,子どもが本当にやりたいことを見つけられるような声かけや接し方をすることが大切です。

夢の実現方法を考えられているかどうか

「こうなりたい!」と夢を思い描くだけでなく,「ではどうやったらその夢を実現できるの?」というところまで,なるべく具体的に考えることも重要です。

「アナウンサーになりたい!」という生徒さんに,「どうやったらアナウンサーになれるのかな?何か努力していることはある?」と質問してみたところ,「頑張って本を音読してるよ!」というお返事が返ってきました。「上手に音読できたらアナウンサーになれるのかな?」「勉強は必要ないかな?」「大学には行った方がいいのかな?」と声掛けすると,そこから具体的に考え始めたようです。

 子ども一人では,夢の実現方法を考えるのが難しいこともあります。「どうやったら将来そうなれるかな」「どんな進路を歩めばいいかな」と,子どもが現実的に考えられるような声掛けをぜひ親が実施してください。夢や目標と,目の前の課題が結び付けば,納得感が高まり,子どものやり抜く力を引き出すことができるでしょう。

 

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『実践版GRIT(グリット)やり抜く力を手に入れる』から学ぶ家庭教育②~子どもに競争を経験させる

 これからの社会を生き抜くうえで,長期的な目標を掲げ,情熱を持って物事を「やり抜く」ことはとても大切です。『実践版GRIT(グリット)やり抜く力を手に入れる』(キャロライン・アダムス・ミラー著/すばる舎)をもとに,子どもの「やり抜く力」を高める家庭教育について考察を深めます。

実践版GRIT(グリット) やり抜く力を手に入れる

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  • 作者: キャロライン・アダムス・ミラー,宇野カオリ,藤原弘美
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 「やり抜く力」を伸ばせない教育とは

子どもの「やり抜く力」を高める叱り方やほめ方については,以前ご紹介した通りです。

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 子どもの「やり抜く力」を高める上で,他に気を付けるべきことはあるのでしょうか。

過度に競争を避けるのはNG

本書では「やり抜く力」が育ちにくくなった社会的背景について,いくつか紹介されていますが,その一つとして「競争を避けること」が挙げられています。

  • 子どもに競争させるのはかわいそうだ
  • 子どもが自信をなくすので,他の子のよい記録は見せない
  • できる子を見ると,打ちのめされてやる気をなくしてしまうから,競争は経験させない

アメリカの保護者の間で,上記のような考え方が広まったことが,「グリット(やり抜く力)」が低い世界が作られた一因であると本書では述べられています。結果が出ていないのに良しとしてしまうと,モチベーションだけでなく,脳にまで影響があるという実験結果も紹介されています。

競争を避けていては,子どもの「やり抜く力」は高まりません。確かに最初は,競争したり,負けたりすることが怖いかもしれません。しかし競争は,「どうやったらよりよくなるかな?」「次はどうしたらよいかな?」と考える良いきっかけとなります。子ども自身で目標を持って,粘り強く試行錯誤することは,物事を「やり抜く力」に繋がります。

弊社の教室でも,競争を怖がっていた生徒さんがいましたが,今では「今回のテストもバトルしよう!」と楽しみながら取り組むことができています。最初は「負けてしまった……」と落ち込むこともありましたが,「次はもっとちゃんと見直ししよう」「勉強時間が足りなかったかな」と冷静に振り返り,次に生かすことができるようになりました。

「目標を設定し努力する→結果を振り返る→次に生かす」というサイクルを自身で回す習慣が付き,物事を「やり抜く」ことができるようになった今,競争に勝てることも増えてきて,自信も付いてきたようです。

競争を一生避けて通ることはできません。ぜひ子どもが幼いうちから競争を経験させ,物事を「やり抜く力」を高めましょう。競争を怖がったときのフォローや,学びを次に生かすための声掛けを保護者様より実施いただければと思います。

 

 

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『実践版GRIT(グリット)やり抜く力を手に入れる』から学ぶ家庭教育①~子どもの「やり抜く力」を育てるほめ方

 これからの社会を生き抜くうえで,長期的な目標を掲げ,情熱を持って物事を「やり抜く」ことはとても大切です。『実践版GRIT(グリット)やり抜く力を手に入れる』(キャロライン・アダムス・ミラー著/すばる舎)をもとに,子どもの「やり抜く力」を高める家庭教育について考察を深めます。

実践版GRIT(グリット) やり抜く力を手に入れる

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  • 作者: キャロライン・アダムス・ミラー,宇野カオリ,藤原弘美
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 「やり抜く力(グリット)」は幸せな人生を歩むために必要なもの

満足感のある質の高い人生を送るには,困難なことは避けて通れないため,「やり抜く力(グリット)」は幸せな人生を送る上で重要であると著者は述べています。

[……]私たちは、簡単で無理なくできる活動や行動からは、心の底から湧き上がるような自尊心を抱くことは決してない。難しく、やりがいがあり、ときには苦痛を伴うような何かを成し遂げたときに初めて、私たちは誇らしい気持ちで気分が昂揚するのを感じ、自分の能力や将来に対する自信と希望を高めることができるのだ。

子どもの「やり抜く力(グリット)」を高める声かけ方法

では子どもの「やり抜く力(グリット)」を高めるためには,どのような声かけや接し方をすればいいのでしょうか。本ブログでこれまで紹介してきた内容と重複する部分もありますが,もう一度まとめてみたいと思います。

1.何でもほめるのはNG

何でもほめて育てると頑張れない大人になる」ということは,過去の記事でも述べた通りですが,本書でもアメリカの事例をもとに同内容について説明されています。

(できる限り子どもに優しく褒め育ててきた場合、)評価や批判に打ちのめされやすく、別段自尊心や責任感が大きいわけでもなく、むしろひどく脆弱で、自己陶酔的である場合が多いという。[……]難しい課題や仕事を苦労せずにこなすための近道を見つけようとし、挫折に弱くすぐにへこたれてしまう。

2.能力をほめない

「賢いわね!」「才能があるわね!」と能力をほめられた子どもは,うまくできそうにないことを避けるため,物事をやり抜くことが難しくなります。

能力をほめられて育って子どもは,才能は先天的なものであって伸ばすことはできないと考えるようになります。上手くいかないことに直面して,自分が「特別」「価値のある人間」でなくなることを恐れるため,難しい課題やもう一段高い目標に挑戦できなくなります。

3.努力をほめる

結果に関係なく努力そのものをほめられて育った子どもは,物事を「やり抜く力」が身に付きます

努力そのものを褒められることで、たとえ何かできないことがあっても、たくさんの努力をして粘り強く頑張ることができれば、最初はうまくできなかったことでも時間をかけて習得することができるということを学ぶのだ。

[……]落胆や失敗が見え隠れしてもへこたれることなく、どんな結果になるかはほとんど自分の努力と粘り強さにかかっていると考えているのだ。

子どもの「やり抜く力」を引き出すために,「よくがんばったね!」と努力をほめるようにしましょう。

 

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「最高の子育てベスト55」より学ぶ家庭教育⑥~親のしつけが子どもの一生を左右する

『いまの科学で「絶対にいい!」と断言できる 最高の子育てベスト55――IQが上がり、心と体が強くなるすごい方法』(トレーシー・カチロ―著/ダイヤモンド社)をもとに,効果的な家庭教育について考えます。

いまの科学で「絶対にいい! 」と断言できる 最高の子育てベスト55―――IQが上がり、心と体が強くなるすごい方法

いまの科学で「絶対にいい! 」と断言できる 最高の子育てベスト55―――IQが上がり、心と体が強くなるすごい方法

 

「うちの子には,どのような声かけや接し方が合っているのだろう?」「うちの家庭教育は客観的に見てどうなのだろう?」とお悩みの方は多いかもしれません。

本書では,子育ての4つのスタイルについて紹介されています。

  • 独裁・支配型の親

厳しくて、温かみがない。

厳格なルールを持ち、説明なしに命令に従うことを子どもに期待する。

  • 民主型の親

厳しくて温かい。関わりを持ち、反応が良く、高い期待をする。[……]罰するのではなく教えることでしつけをする

  • 消極・受け身型の親

温かいが厳しくない。子煩悩で親子の会話が多いが、甘やかす。[……]親のルールを施行しない。

  • 無関心な親

子どもに最低限のものは与えるが、それ以外は関わらない。

親が子どもに与える影響は20~50パーセントと言われており,民主型の子育てスタイルでは,次のような子どもに育ちやすくなるそうです。

  • 自立心が強い
  • 自信がある
  • 社会的能力が高い
  • 不安が少ない
  • 落ち込みにくい

その他の子育てスタイルでは,次のような子どもに育ちやすくなります。

  • 独裁・支配型の親

[……]概して行儀がよいが、「自制心」という極めて重要なスキルの発達が遅れる

  • 消極・受け身型の親

[……]自己評価が高いが衝動的で、ドラッグやアルコール依存症になりやすく、学校でトラブルに巻き込まれやすい

  • 無関心な親

[……]非行に走りやすい

自身の子育てスタイルを決め,微調整することが大切

民主型は確かに理想的な子育てスタイルですが,時間がかかり,労力も忍耐力も必要であると述べられています。また,子どもの気質に応じて子育てスタイルを微調整することも重要です。

衝動的または反抗的な子どもには、暴力や攻撃的な人間関係を防ぐために、制限を設けて厳しく(独裁・支配型寄りで)しつけます。

同じことを話す場合でも,口調や声のトーンを少し変化させるだけで,子どもの受け取り方も変わってきます。子どもの性格や反応を見て,あえて厳しめに伝えたり,ときには優しく諭したりしながら,臨機応変に対応していきましょう。

 

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タミヤロボットスクール高井戸教室を開講します

2018年4月よりタミヤロボットスクール高井戸教室を開講いたします。

tamiya-robotschool.com

高井戸教室では,第2・4日曜日 ①メカニックコース 9:10~10:40,②プログラミングコース 11:00~12:30に授業を実施予定です。

tamiya-robotschool.com

開講に先立ち、2018年3月11日(日)に体験会を実施いたします。詳細・お申し込みにつきましては,下記リンクをご覧ください。

goo.gl

一人でも多くの方のご参加をお待ちしております!

子どもが自ら学習できるようになるために大切なこと

親に言われないと勉強しない子どももいれば,自分から進んで勉強できる子どももいます。なぜこのような違いが生まれるのでしょうか。家庭教育で解決できるとすれば,どのような声かけや接し方を行えばいいのでしょうか。

指示するのではなく,姿勢で示すことが大切

自ら進んで学習できる生徒さんのご家庭にお話をお伺いすると,保護者様ご自身が夢や目標を持ち,子どもと熱く語り合う時間を意識的に持たれているケースが非常に多いです。仕事や趣味について,あるいはその他の話題についても,「子どもにはわからないだろう」「こんなこと言っても無意味だろう」と思わず,何でも話し,親子間で積極的な意見交換を行うそうです。

このような家庭教育を行うと,子どもは自分の意見を持つことが当たり前になります。将来の夢や進路に対しても,「自分はどうなりたいんだろう?」「どうやったら夢を実現できるんだろう?」「これをもっとがんばったほうがいいな!」と大きな目標を思い描き,そこから逆算して具体的な行動を起こすことができるようになるのです。

年齢が小さいと,どうやったら夢や目標が達成できるか,子ども自身で考えるのが難しいかもしれません。その場合は,「こうなりたいんだったら,これをやった方がいんじゃない?」と,子どもが思い描いた夢や目標に対して,周囲の大人が具体的なアドバイスすることも大切です。

一方,ガミガミ言われないと勉強しない生徒さんは,ご家庭で「勉強しなさい」「宿題をやってから遊びなさい」「中学生なんだから塾のコマ数を増やさないとね」など,目先の行動についての指示は受けているものの,大きな目標を思い描けていないことが多いです。

親自身が夢や目標を持っていなかったり,「こんなこと話しても無駄だろう」と子どもに伝えなかったり,テレビやゲームなどの娯楽を優先させていたりすると,子ども自身で夢や目標を持ち,その実現に向かって努力することが難しくなります。

「~しなさい!」と指示するのではなく,親自身の背中でお手本を示すことが大切です。「お父さん,お母さんは,こうなりたいと思っているから,今こんなことをがんばってるんだ!」とぜひ子どもに話してみてください。そうすることで,子どもも「自分はどうなりたいかな?」「何をすればそうなれるかな?」と考え始め,次第に自ら行動・学習できるようになるでしょう。

 

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「最高の子育てベスト55」より学ぶ家庭教育⑤~読み聞かせで子どもの言語力を高める方法

『いまの科学で「絶対にいい!」と断言できる 最高の子育てベスト55――IQが上がり、心と体が強くなるすごい方法』(トレーシー・カチロ―著/ダイヤモンド社)をもとに,効果的な家庭教育について考えます。

いまの科学で「絶対にいい! 」と断言できる 最高の子育てベスト55―――IQが上がり、心と体が強くなるすごい方法

いまの科学で「絶対にいい! 」と断言できる 最高の子育てベスト55―――IQが上がり、心と体が強くなるすごい方法

 

「読み聞かせの時間を毎日取っているのに,あまり効果がない気がします」「幼いころから読み聞かせをしてきたのに,子どもの語彙力や読解力が低く困っています」――このような相談が私のもとに多く寄せられます。読み聞かせで子どもの言語力を高めるには,どうすればいいのでしょうか。

読むことより「会話」が重要

『いまの科学で「絶対にいい!」と断言できる 最高の子育てベスト55――IQが上がり、心と体が強くなるすごい方法』によると,本を読むこと自体よりも,読んでいる間の親子の会話の方が重要であることを示唆するデータがあるそうです。

確かに,親に本を読んでもらうだけでは,受動的に話を聞くだけで終わってしまうこともあるでしょう。親子間の会話がなければ,たとえ内容が理解できていなくても,読み聞かせはどんどん進んでいってしまいます。「読み聞かせの効果が見えない」とお悩みの保護者様の話を聞いてみると,子どもの反応や理解度を確認せずに,読み聞かせをしていたようです。

子どもに能動的に読み聞かせに参加してもらうために,本書では以下のような方法が紹介されています。

子どもに朗読させる 

間違えたらきちんと正してやり、率直な評価を与えるようにすると、「単語の認識力」「言葉の流暢さ」「理解力」が格段にアップします。

物語の出来事を現実と結びつける

「昨日、こんなお船を見たよね。覚えてるかな?」「○○ちゃんも、こんなふうにイライラしたことがあったよね?」

読み聞かせながら、物語について質問する

子どもがあまり理解しなかった箇所は、もう一度読み直して。再読する前後に、話の流れについて質問します。「フランクリンは、犬を飼いたかったのかな?そのときお父さんとお母さんは、どうしたかな?」

読み聞かせにもう一工夫加えて,ぜひ効果の最大化を図りましょう。

 

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「最高の子育てベスト55」より学ぶ家庭教育④~子どもの自制心や独立心を伸ばす方法

『いまの科学で「絶対にいい!」と断言できる 最高の子育てベスト55――IQが上がり、心と体が強くなるすごい方法』(トレーシー・カチロ―著/ダイヤモンド社)をもとに,効果的な家庭教育について考えます。

いまの科学で「絶対にいい! 」と断言できる 最高の子育てベスト55―――IQが上がり、心と体が強くなるすごい方法

いまの科学で「絶対にいい! 」と断言できる 最高の子育てベスト55―――IQが上がり、心と体が強くなるすごい方法

 

親が「もう寝る時間よ!」「早くしないと遅刻するよ!」と急かしてばかりで,子どもが自ら行動しないという場合,どうすればよいのでしょうか。

チェックリストをつくる

「やることリスト」をつくり,それに沿って子どもに行動してもらうことを,本書は推奨しています。毎日のルーティーンは,子どもの自制心や独立心を育てるという研究結果があります。

研究データからも、このやり方が正しいことがわかります。ルーティーンは子どもを助けるのです。

  • 未来の計画をし、予測を立てることが、「実行機能」の発育をうながす。
  • 繰り返し練習した後にタスクができることで、「独立心」が芽生える。
  • 「自制心」を鍛える練習になる。

著書『子どものちゃんと「やり抜く力」は6歳までに決まる!』(多田淑恵著/PHP研究所)でも,計画を立てることやToDoを見える化することの重要性について述べました。

www.php.co.jp

「歯磨き」「朝食」「着替え」「トイレ」など,やるべきことを子どもと一緒に話し合いながら,チェックリストをつくりましょう。そうすれば,「早くしなさい!」「歯磨きをしなさい!」とガミガミ言わなくても,「今は何をする時間かな?」「次は何をするんだっけ?リストを見てみよう」と声かけするだけでよくなります。お母さん,お父さんもラクになりますので,ぜひ一度試してみてください。

 

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「最高の子育てベスト55」より学ぶ家庭教育③~悪いことを子どもがしてしまったときの対処法

『いまの科学で「絶対にいい!」と断言できる 最高の子育てベスト55――IQが上がり、心と体が強くなるすごい方法』(トレーシー・カチロ―著/ダイヤモンド社)をもとに,効果的な家庭教育について考えます。

いまの科学で「絶対にいい! 」と断言できる 最高の子育てベスト55―――IQが上がり、心と体が強くなるすごい方法

いまの科学で「絶対にいい! 」と断言できる 最高の子育てベスト55―――IQが上がり、心と体が強くなるすごい方法

 

子どもが悪いことをしたとき,罰を与えるという親は少なくありません。親が大声を出したり,説教したり,叩いたり,命令したり,脅したりしていないでしょうか。このような「罰を与える」教育法は効果が薄いと本書では述べられています。

子どもが悪いことをしたとき,どのように対処するのがよいのでしょうか。本書では以下のような対処法が紹介されています。

1.「論理的なしつけ」をする

悪い行動に直接関連したしつけをすることが大切です。

【悪い行動】子どもがおもちゃを投げた

→×遊びの約束をキャンセルさせる(非論理的なしつけ,罰)

→○15分間おもちゃを取り上げる(論理的なしつけ)

悪い行動と直接関係していない「罰」を与えるではなく,因果関係のある「しつけ」を行うのが有効です。

2.「自然の成り行き」に学ばせる

親が関与せず,子ども自身で行動の結果を受け取ってもらいましょう

【悪い行動】お友だちを叩いた

→×親が謝罪してお友だちに遊んでくれるよう頼む

→○お友だちが遊んでくれなくても親は関与しない

 

【悪い行動】お弁当箱を忘れた

→×親が持って行ってあげる

→○あえて親が届けず,先生に怒られたり恥ずかしい思いをさせたりする

子どもは「痛い目」に遭うことで,罰せられなくても自ら学んでいきます。

3.「罰する」のではなく「教える」

正しい行動,やってよいことが分からず,問題行動を繰り返してしまう子どももいるので,良い行動について話し合うことも大切です。

「叩かれたお友だちはいま、どんな気持ちかな?」

「[……]他の方法を使って怒っている気持ちを伝えるのは、どうすればいいかな?一緒に考えようね」

「次からこうすればいいんだ!」と分かると,子どもの問題行動も収まってくるかもしれません。

罰を与えたり,説教したりするのではなく,次から子ども自身で悪い行動を止められるように,効果的なしつけを行うよう心がけましょう。

 

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あなたは大丈夫!?子どもにご褒美をあげるとき注意してほしいこと

目標に向かって頑張らせたい気持ちから,「~ができたらゲームをやっていいよ」「~を買ってあげるよ」と子どもにご褒美をあげるお母さん,お父さんは多いでしょう。

そもそも,ご褒美作戦自体は良い教育法なのかという議論については,以下の記事をご覧ください。

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今回は,子どもにご褒美をあげるときに注意した方がよい点についてご紹介します。

ご褒美を先に与えてしまう

ご褒美がほしい一心で,「次は絶対がんばるから!」「早くしないとこのゲーム機売り切れちゃうよ……」と子どもが感情的に訴えかけてくる場合があるかもしれません

「先に買ってあげるから,その代わり必ず頑張るんだよ」とご褒美を先に与えると,そこで子どもは満足してしまい,目標に向かって努力することが難しくなります。

子どもがお願いしてきても,「目標をきちんと達成したらね」とご褒美を先に与えないようにしましょう。

基準が明確でない

ご褒美をあげる基準が明確でないと,効果は期待できないでしょう。例えば,「テストに向けて頑張る」という目標を立てた場合,親から見て遊んでばかりだったとしても,子どもが「頑張ったよ!」と言い張れば,ご褒美をもらえることになります。

ご褒美作戦をおこなう際は,「定期テストで~点取ったら」「次の小テストが満点だったら」「ドリルを1か月でここまで進めたら」など,○×で判別できる明確な基準を設けましょう。

何のために頑張るのかを思い出させる

ご褒美がなければ頑張れなかったり,「~を頑張るから代わりに~ちょうだい!」と駆け引きがエスカレートしてきたら要注意です。そもそも誰のために,何のために努力しているのかを子どもに考えてもらうことが大切です。「お母さんのために習い事をやってるの?」「勉強は将来の自分のためにやってるんだよ」「将来どうなりたいの?そのためにはこの目標に向かって努力した方がいいね」など,大きな目的を子どもに思い描かせるような声掛けをぜひ行いましょう。

 

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