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『Learn Better――頭の使い方が変わり、学びが深まる6つのステップ』(アーリック・ボーザー著/英治出版)をもとに,効果的な学習法について探ります。
Learn Better――頭の使い方が変わり、学びが深まる6つのステップ
「暗記するときは紙に書いて覚えなさい」「見ているだけじゃ頭の中に入らないわよ」と子どもに声かけする保護者様がいらっしゃいます。しかし,実は書かなければ覚えられないということはありません。「『Learn Better――頭の使い方が変わり、学びが深まる6つのステップ』では,次のように書かれています。
検索練習(自分自身に質問して情報を思い出す練習のこと)は紙に書く必要もない。私は大学時代、あるクラスでティーチングアシスタントをしていたが、このクラスでは一種の検索練習を実施していた。[……]自由再生〔条件をつけず自由に思い出させる〕による練習には目に見えて効果があった。学生たちは知識を思い出す経験をするほど習得度が上がった。
以下の記事でご紹介した通り,暗記を効率的に行うためには,自分自身に質問をして,情報を思い出せるか確認をすることが大切です。
この学習法を行うにあたり,紙に書く必要性はありません。答えを再生できるかどうか,繰り返し自問することが重要なのです。空き時間などを活用して,自分で答えられるようになるまで,繰り返し自分にクイズを出し続けましょう。
紙に書いて暗記しなくても,小テスト等で得点が取れていれば問題ありません。逆に紙に答えを何度も書いて学習しても,後日,自分で答えを言うことができなければ,あまり意味がないと言えます。繰り返し自分にクイズを出し,「どこまで覚えられているかな?」「今の学習法は上手くいっているかな?」とチェックして,ぜひ子ども自身に合った学習法を見つけましょう。
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Learn Better――頭の使い方が変わり、学びが深まる6つのステップ
「暗記をすることが苦手で,学習内容を覚えることができません」「何度も同じ間違いを繰り返してしまうんです」「そのとき覚えたと思ってもすぐに忘れてしまいます……」という相談をよく受けます。暗記する力や勉強ができるかどうかは,生まれつき決まっていて,どうすることもできないのでしょうか。それとも,何かよい対策はあるのでしょうか。
暗記が苦手であったり,スキルの習得が上手くいかなかったりすることは,取り組み次第で克服することができます。「『Learn Better――頭の使い方が変わり、学びが深まる6つのステップ』では,次のように書かれています。
シュウォーツ(アメリカ随一の記憶の専門家)は自己テストを使っている。知識に磨きをかけるために、彼はたえず自分に質問を出して、さまざまな単語を思い出せるかどうかを確認する。信号待ちしているときや自分の研究室で人を待っているとき、彼は自分がすでに学んだこと、これから学びたいことについて自分に質問している。
自分が苦手な問題をまとめたノートや単語帳などを,空き時間に何度も見直したり,クイズ形式で答えを紙に書き出したりする学習法は,とても有効です。「この知識はまだ覚えられていないな」「この部分は理解できてきたな」と自分自身でチェックでき,「ここはまだ繰り返しやった方がいいな」と,まだ不完全なスキルの習得に集中することができます。私自身,学生時代はこのような方法で学習に取り組んでいましたが,非常に効果的だと感じていました。
「自分が知っていることを思い出す」「自分の知識について質問して,それが再生できるかを確認する」学習法が効果的であることは,実験でも証明されています。
ある有名な実験では、被験者グループが文章を四回読む。別のグループは一回しか読まないが、思い出す練習を三回行う。研究者が数日後に二つのグループを追跡調査したところ、思い出す練習をしたグループのほうがはるかによく文章を覚えていた。つまり情報を繰り返し読んだ被験者より思い出す試みをした被験者のほうが、はるかに習得度が高かったのだ。
教科書を何度も読んでも頭に入ってくる感覚がなかったり,小テストで得点を取れなかったりする場合は,学習方法を見直してみましょう。常に「知識が頭の中に入ってきているかな?」と自分自身に問いかけ,「学習方法を変えてみようかな」「このやり方のほうが知識が身に付いてきている感じがするな」と問題意識を持ち,試行錯誤することが大切です。今回ご紹介した「自分自身にクイズを出す」学習法も,ぜひ試してみてください。
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Learn Better――頭の使い方が変わり、学びが深まる6つのステップ
「どうやったら英語ができるようになりますか?」「もっと早く数学の得点を上げる方法はないんですか?」といった,成果をすぐに求める質問を受けることがあります。しかし,楽して成果を上げる方法はありません。地道な努力を積み重ねるしかないのです。『Learn Better――頭の使い方が変わり、学びが深まる6つのステップ』では,次のように書かれています。
身もふたもない言い方をすれば、努力せずにできる学習などというものはない。スキルを伸ばすためには、大変な思いをし、気を張りつめ、多少なりとも自分を追い込むこともある。学習分野の重鎮の意見はこの点でほぼ一致している。
心理学者や認知が心理学者は,学習や練習のことを「苦労して当たり前」「望んでする苦労」「苦行(ハードワーク)」などと表現しているそうです。
とはいえ,むやみやたらに学習するのが良いわけではありません。過去記事で述べた通り,自身の行き詰まっている点を知り,その克服に向けて重点的な学習を行うことが大切です。
例えば次のような点で行き詰まっていないでしょうか?
- 立てた計画が予定通りに実行できているか
- 実行できていない場合は,計画そのものに無理がないか
- 日々の時間の過ごし方に問題がないか
- 実力や目標に合った教材を選んでいるか
- 難しすぎないか
- 一気に全ての教科や範囲に取り組み,消化不良になっていないか
- 自力で解けるようになるまで,何度も反復演習しているか
勉強に限らず,どのような分野のスキルを身につける場合も,弱点を把握して改善しようとする姿勢は必要です。特に反復演習はとても重要です。
[……]専門分野を身につけるには反復演習が必要だということだ。専門分野の力を伸ばすためには、その専門分野に何度も、できれば何通りもの方法で取り組む必要がある。これはスポーツの世界を見ればある程度わかる。テニスのサーブを一回でマスターする人はいない。半日で棒高跳びの技術を習得する人はいない。
同じことはどんな知識についても言える。心理学者のグレアム・ナットホールが数年前にこの考え方を独自に開拓し、ある概念が本当に身につくまでには、少なくとも三回は取り組む必要があることを研究で証明した。
すぐに成果が出る,魔法のような学習法はありません。自身の弱点を把握し,取り組むべき課題や方向性が明確なのであれば,成果が出るまで腰を落ち着けて努力し続けることが大切です。学習を通じて培った,このような姿勢や粘り強さは,将来社会に出たときにきっと役立つでしょう。
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2019年4月に著書『お母さんの「怒りの言葉」は子どもの「やる気を引き出す言葉」に変えられる!』(多田淑恵 著/PHP研究所 1,296円)が発売されました。
www.php.co.jp
これを記念して,東大卒業生・本書の著者が,保護者様向け教育セミナーを開催します。ご自宅ですぐに実践できる声掛け,勉強方法のコツなどについてお伝えします。
お子様の進路や教育についてお悩みの方,成績が伸び悩んで困っている方,お子様の個性や才能を伸ばす家庭教育について知りたいという方はもちろん,どなたでもぜひお気軽にご参加ください。
①ガミガミはもう卒業!「怒りの言葉」を「やる気を引き出す言葉」に変えるコツ
②自宅でできる!勉強を通して「考える力」「社会で役立つ力」を身に付ける方法
・『お母さんの「怒りの言葉」は子どもの「やる気を引き出す言葉」に変えられる!』をご購入・ご持参くださった方は、セミナー料金を500円引きとさせていただきます。当日、セミナー会場でもご購入いただけます。
・各回限定5名様の少人数制セミナーとなりますので、お早目のお申し込みをおすすめします。
【お問い合わせ】合同会社テラック
Blog:http://blog.terak.jp/
Facebook: https://www.facebook.com/terakinc/
E-mail: contact@terak.co.jp
Tel: 050-3562-3149
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2019年4月21日(日)に生徒さんの作品発表会を行いました。
皆様,発表会を心待ちにしてくださり,今回もたくさんの生徒さんがご参加くださいました。
レゴブロックで作った作品や,マインドストームで作ったロボット,PCプログラミングで作ったゲームやアニメなど,この日のために作った作品について,生徒さんが一人一人プレゼンテーションを行いました。
平成を振り返ったプログラミング作品「31年ひと昔」。平成に流行ったテトリスが画面に映っています。
キットカット自販機。コインを入れるとキットカットが出てきます。
上から順に「逃走中」のスマホ アームポーチ,「2年2組」のボード。スマホ アームポーチは実際に腕に付けることができます。またレゴで作ったスマホを収納したり,取り出したりすることもできます。「2年2組」のボードは,転校する友人との記念撮影のために作成したそうです。
プレゼンテーションの仕方もどんどん上手になり,「次はこんな作品を作って発表したい!」と次の目標も決まったようです。
次回の発表会を私も今から楽しみにしています。
2019年4月29・30日に浜松こども館さんで,プログラミングイベントを開催しました。
2日間で50名のお子様がご参加くださいました。いつもたくさんのご応募をいただき,ありがとうございます。
未就学のお子様,プログラミングが初めてというお子様にも楽しんでいただけたようで何よりです。今回も皆様の発想力や創造力,集中力に感服しました。
ご参加くださった皆様,本当にどうもありがとうございました。満席のためご参加いただけなかった方々,誠に申し訳ございません。今後も皆様に楽しんでいただけるようなプログラミングイベントを開催したいと考えておりますので,どうぞよろしくお願いいたします。
いつもご覧いただき,ありがとうございます。本日5月2日(木)はブログをお休みさせていただきます。来週より再開しますので,よろしくお願いいたします。素敵なGWをお過ごしください。
『Learn Better――頭の使い方が変わり、学びが深まる6つのステップ』(アーリック・ボーザー著/英治出版)をもとに,効果的な学習法について探ります。
Learn Better――頭の使い方が変わり、学びが深まる6つのステップ
学習の成果を高めるためには,ミスを記録することが効果的です。本書では,ミスを書きだすことによりミスが大幅に減ったという事例が紹介されています。
[……](トロント在住の脳外科医)バーンスタインは一〇年間にわたって手術中に起きたミスをすべて書き出していた。チューブ一本落ちても、縫合部がうまく接着しなくても、いちいち記録した。[……]
後にバーンスタインと同僚がデータを検証したところ、ミスを記録するという行為には大きな効果があるとわかった。ミスを書きだす、つまり、フィードバック・システムを作ることによって、チームのミスは大幅に減った。
学習効果を上げるために,ぜひ日ごろからミスを記録するようにしましょう。ミスを記録してパターンに気づき,今後に生かせるよう,私は生徒さんに次のようなノートを作ることをおすすめしています。
①ノートの見開きを使います。
②左側に間違えた問題を書き出します。
③右側に間違えた原因や,正しい考え方を記述します。なぜ間違えたのか,どの部分が違ったのか,なるべく具体的に分析して,後から見て分かるようにしておきます。
私はこのノートのことを「ポイントノート」と呼んでいますが,ポイントノートを作ることによって,自分の弱点や間違いのパターンが掴めるようになってきます。
誰でも同じ間違いを繰り返しやすいものです。時には「また同じような問題を間違えた!」「こんな簡単な問題もできないなんて……」と辛い思いもするかもしれません。著者は次のように言います。
もちろん、このような綿密なモニタリングにはマイナス面もある。成果を追跡していくとばつの悪い思いもする。少なくとも私は、文章のプロなのにいまだに「which」と「that」を取り違えるのを認めるのはやはり恥ずかしい。[……]それでも、このように意識の焦点を絞ると成果は向上する。パフォーマンスの観察をまめに行うとほぼ何でも上達する。
間違いやできないことに向き合うのは辛いかもしれませんが,学習の効果を出すためにぜひ壁を乗り越えましょう。
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「長時間勉強しているのに成績が伸びない」「問題もたくさん解いているのに,なかなかできるようにならない」というお悩みをよく耳にします。
長時間子どもが勉強していると,最初は「よく頑張っているなぁ」と安心するかもしれません。しかし,成績が伴わないと「なぜだろう?」「このままではいけない……」と焦りが出てくるでしょう。
また,そもそも長時間勉強することが良いとは限りません。短時間の学習で成果を上げることができれば,子どもの好きなことに取り組んだり,リラックスしたりする時間を確保できます。勉強時間が短くて済めば,それほど理想的なことはありません。
短時間の学習で,成果を出すにはどうすればよいのでしょうか?成果を上げるためには,時間をかけてやみくもに学習するのではなく,「的を絞った学習」を行うことが大切です。
[……]多くの人が練習と呼ぶものは実は練習ではない。学習メソッドを何も使わず、能力向上に特化した取り組みをしていないのだ。これについては多数の研究がされているが、練習に費やされた時間の長さは実際の学習量とはあまり関係がないことが多い。
「的を絞った学習」を行うためには,フィードバックが重要です。
スキルを伸ばすためには評価も重要だ。目標を絞り込んだフィードバックが必要となる。[……]スキルを試したり伸ばしたりする際、「何を向上させるべきか明確にわかっていないために、時間を無駄にしているだけ」の人がほとんどである[……]
学習効果を高めるために,私も生徒さんや保護者の方にフィードバックを行うようにしています。例えば次のような声かけを行っています。
このようにフィードバックでは,「良くなった点」と「さらにできるようになってほしいこと」「次回の目標」をセットで伝えましょう。ご自宅でも「的を絞った学習」ができるように,ぜひこのようなお声かけを心がけてみてください。
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