『Learn Better』から学ぶ効果的な学習法㉔~「もうできる」「そんなこと知ってる」という過信は禁物

『Learn Better――頭の使い方が変わり、学びが深まる6つのステップ』(アーリック・ボーザー著/英治出版)をもとに,効果的な学習法について探ります。

Learn Better――頭の使い方が変わり、学びが深まる6つのステップ

Learn Better――頭の使い方が変わり、学びが深まる6つのステップ

 

過信は効果的な学習を阻害する

教科書を読んだだけ,問題を一回解いただけで「もう分かった!」と言ったり,動画を見ただけで「もう覚えられた!勉強しなくて大丈夫」と思い込んだりする子どもが少なくありません。このような過信は,効果的な学習をおおいに阻害すると本書では書かれています。

自分を過信していると、人は勉強しない。練習しない。自分に問いかけを行わない。過信はとりわけ、知力を鍛えるタイプの学習に取り組む邪魔をする。知っていると思ってしまうと、概念同士を関連づける、今ある知識を発展させるといった、難しい手順を踏もうとしなくなる。

そのときは「分かった!」と思っても,深い部分が理解できていないために,知識が定着せずにすぐ忘れてしまったり,いざ知識を問われると「何だったっけ?」と答えられなかったりします。

 「子どもが『もう分かったから勉強しなくていい』とすぐに言います」「でもテスト結果はいつも悪いんです。どうすればいいんでしょうか?」というお悩みを実際によく耳にします。

小まめに理解度確認を行う

子どもが自分の実力を過信してしまっている場合,小まめに理解度確認を行い,「ここまでは分かっているね」「ここはもう少し勉強が必要かな?」と気づいてもらうことが大切です。

  • 「今日勉強したことを教えてくれるかな?」「ここはどういうことかな?もっと詳しく教えてほしいな」と子どもに質問して答えてもらう
  • 問題集からランダムに数問ピックアップして解いてもらう
  • 問題集の「まとめのテスト」等を活用して定期的にチェックテストを行う

 このような取り組みを行うと,「あれ?分かったと思っていたけど,意外とできていないな」「もっと勉強が必要だな」と子ども自身で少しずつ気づき始めます。「『分かった!』って言ってどうせできないんでしょ!」と後ろ向きの声かけをするのではなく,子どもに自ら気づいてもらうきっかけを与えることが大切です。子どもの過信が気になったら,ぜひ上記のような取り組みを試してみてください。

 

☆著書で子どもへの効果的な声かけや接し方について詳しくご紹介しています

blog.terak.jp

 

☆保護者様向け教育セミナーを開催します

reserva.be

reserva.be

 

☆保護者様向けオンラインサロンはこちら

reserva.be

 

【関連記事】

blog.terak.jp

blog.terak.jp

『Learn Better』から学ぶ効果的な学習法㉓~学習を通して問題解決を高める方法

『Learn Better――頭の使い方が変わり、学びが深まる6つのステップ』(アーリック・ボーザー著/英治出版)をもとに,効果的な学習法について探ります。

Learn Better――頭の使い方が変わり、学びが深まる6つのステップ

Learn Better――頭の使い方が変わり、学びが深まる6つのステップ

 

問題解決力の重要性

これまで効果的な学習法についてご紹介してきましたが,そもそも何のためにスキルを身に付けるのでしょうか。本書では「問題解決力を高めるため」だと書かれています。

問題解決力のスキルが重要な理由は二つある。第一は問題解決そのものの重要性で、私たちは課題を解決するために学習してスキルを身につけることが多い。第二に、関連づけのできた専門知識があれば、問題解決力は上がる。体系を理解していれば、さまざまな文脈で知識を活用できる。

将来社会に出たとき,問題解決力があることはとても大切です。「より良い仕事をするためにはどうすればいいかな」「周りの人により貢献するためにはどうすればいいかな」と自ら問題を発見し,解決することができれば,きっと社会で活躍することができるでしょう。問題解決力を高めるために,私たちは日々学習し,スキルを身に付けているのです。

 

問題解決のアプローチとは

問題解決とは具体的にどのようなものなのでしょうか。ハンガリー出身の数学者であるポリアは,次のような体系的な問題解決のアプローチを提案しました。

第一段階:「問題を理解すること」。問題の核心や本質の発見に努める段階。

第二段階:「計画を立てること」。問題に対する取り組み方を計画する段階。

第三段階:「計画を実行すること」。行動し検討する段階。

第四段階:「振り返ること」。結果を見直し今後に生かす段階。

 

このようなアプローチは日々の学習にも生かすことができます。

第一段階:将来の夢や希望の進路を考慮して,次の目標を決めたり,現時点での自分の位置を把握したりする。「1年後にはこれができるようになっていたい」「今は60点だけれども次のテストでは80点取りたい」など。

第二段階:どうやったら目標を達成できるかを考え,実際の計画に落とし込む

第三段階:立てた計画を実行する

第四段階:計画がきちんと実行できているか,成果が伴っているかを振り返る。上手くいかなかった場合は,日々の過ごし方だけでなく,計画そのものに問題がなかったのか(量が多すぎた・少なすぎた)等についても振り返る。

このような取り組み方で学習を行うと,問題解決力を高めることができるでしょう。受験テクニックを身に付けるだけでなく,問題解決力を高められる学習への取り組み方をぜひ心がけてみてください。

 

☆著書で子どもへの効果的な声かけや接し方について詳しくご紹介しています

blog.terak.jp

 

☆保護者様向け教育セミナーを開催します

reserva.be

reserva.be

 

☆保護者様向けオンラインサロンはこちら

reserva.be

 

【関連記事】

blog.terak.jp

blog.terak.jp

『Learn Better』から学ぶ効果的な学習法㉒~知識をより深める方法

『Learn Better――頭の使い方が変わり、学びが深まる6つのステップ』(アーリック・ボーザー著/英治出版)をもとに,効果的な学習法について探ります。

Learn Better――頭の使い方が変わり、学びが深まる6つのステップ

Learn Better――頭の使い方が変わり、学びが深まる6つのステップ

 

本書では,知識を習得し発展させるためには,具体的な学習を行うことが大事であると書かれています。

人間の脳は抽象が苦手だ。私たちは実体のあるものを好む。じかに触れられ、感覚に訴えるものほど理解しやすい。[……]学習においてこれは重要なポイントで、対象を具体的にするのは効果的だ。においをかいだり、触ったり、目で見ることができるものにすれば理解しやすくなる。

では,具体的な学習とはどのようなものでしょうか?

  • 図に描いて学習する
  • そろばんを使って計算する(串と珠を見たほうが理解しやすい)
  • 頭の中でシュミレーションする
  • 何かのエピソードを思い出す
  • 美術館や博物館,歴史建造物に足を運ぶ

 テレビで見たことのある内容や,実際に行ったことのある場所だと,関連分野について学ぶときに,「見たことある!」「知ってる!」と知識が頭の中に入ってきやすいものです。自分で手を動かして図を描いたり,イメージしたり,誰かと話しながら取り組んだりするのも,記憶に残りやすく,知識を深めるのに効果的です。

また知識を深めるためには,人に教えることも効果的だそうです。

あるテーマについて深い洞察を得るには他人に教えるとよい[……]教える人数の規模には関係なく、教えることによってその専門知識の理解は深まる

  • 兄弟に教えてあげる
  • 親が質問して子どもが答える

このような学習法も知識を深めるために効果的でしょう。いずれも少し時間がかかる学習法なので,要所要所に取り入るのがおすすめです。夏休みなど時間が取れるときに,ぜひ試してみてください。

 

☆著書で子どもへの効果的な声かけや接し方についても詳しくご紹介しています

blog.terak.jp

 

☆保護者様向け教育セミナーを開催します

reserva.be

reserva.be

 

☆保護者様向けオンラインサロンはこちら

reserva.be

 

【関連記事】

 

blog.terak.jp

blog.terak.jp

<未就学児・小学生におすすめ>無料で楽しく学べる!プログラミングサイトのご紹介

2020年からプログラミング学習が小学校で必修となり,ご興味を持たれている親御さんや,教育関係者の方も多いと思います。今回は,無料でプログラミングを学べるCode.orgというサイトをご紹介します。

code.org

Code.orgとは

一人でも多くの生徒がコンピュータサイエンスを学ぶことを目的として,アメリカの非営利団体によって運営されているサイトです。Code.orgでは,誰でも無料でプログラミングを学ぶことができます

パソコンやタブレット,スマートフォンのWebサイトで「Code.org」と検索すると,サイトにアクセスすることができます。

f:id:terakinc:20190627155501p:plain

 

 Code.orgでは,様々なプロジェクト,キャラクターが準備されています。スター・ウォーズ ,アナと雪の女王,Minecraft(マインクラフト)等の人気のキャラクターを使って,楽しくプログラミングを学ぶことができます。

f:id:terakinc:20190627155657p:plain

f:id:terakinc:20190627155806p:plain

 

アナと雪の女王を使ったプログラミングについては,次のような書籍が出ています(こちらの書籍では,実際にCode.orgのサイトを使ってプログラミングを行います)。

アナと雪の女王 ディズニーはじめてのプログラミング

アナと雪の女王 ディズニーはじめてのプログラミング

 

 

Minecraft Aquaticの画面を見てみよう

今回は,試しにMinecraft Aquaticの画面を見てみましょう。

f:id:terakinc:20190627160241p:plain

左から順に,プログラム実行画面(動作確認をする場所)→プログラムの置き場所→プログラムの作成場所という画面構成になっています。

 

例えば次のようにプログラミングすると,どうなるでしょうか?

f:id:terakinc:20190627161303p:plain

 

実行してみると,右を向いて,前に5回進みます

f:id:terakinc:20190627161555p:plain

繰り返しの回数を変えたり,向きを「左を向く」に変えたりすると,違う動きをします。「~を産む」「~を置く」など,他にも面白そうなプログラミングブロックがありますね!

Code.orgはプログラミングブロックの数が少ないので,初心者の方も混乱することなく取り組めると思います。プログラミングをやってみたいけど何から始めていいか分からないという方,親子で一緒に楽しくプログラミングを学びたいという方,ぜひ一度Code.orgにアクセスしてみてください。

 

【関連記事】

blog.terak.jp

blog.terak.jp

blog.terak.jp

 

『Learn Better』から学ぶ効果的な学習法㉑~視覚的アプローチを行う

『Learn Better――頭の使い方が変わり、学びが深まる6つのステップ』(アーリック・ボーザー著/英治出版)をもとに,効果的な学習法について探ります。

Learn Better――頭の使い方が変わり、学びが深まる6つのステップ

Learn Better――頭の使い方が変わり、学びが深まる6つのステップ

 

 「教科書を読んでも,なかなか内容が頭に入ってこない」「教科書を使って勉強しているのに,テストで得点が取れない」というお悩みがよく寄せられます。どうやったら,より効果的に学習を進めることができるのでしょうか。

 

視覚的なアプローチを行う

『Learn Better――頭の使い方が変わり、学びが深まる6つのステップ』では,知識を習得するためには,視覚を利用することが有効だと書かれています。知識を身に付ける上で,根底にある関係性を理解することが重要ですが,図などで視覚的に分かりやすくすることによって,それぞれの関係性が掴みやすくなります。一方,文章は一方向に進むため,互いに絡み合った関係が見えにくいと言えます。

 教科書を読むだけではなく,内容のつながりや関係性が分かりやすいように,自分なりに図でまとめてみると効果的です。年表や図式が多く掲載された,視覚的に分かりやすい参考書・問題集もあるので,それらを活用するのもよいでしょう。「教科書を読むだけでは暗記できない」とお悩みの方は,ぜひ一度試してみてください。

 

☆著書で子どもへの効果的な声かけや接し方についても詳しくご紹介しています

blog.terak.jp

 

☆保護者様向け教育セミナーを開催します

reserva.be

reserva.be

 

☆保護者様向けオンラインサロンはこちら

reserva.be

 

【関連記事】

blog.terak.jp

blog.terak.jp

『Learn Better』から学ぶ効果的な学習法⑳~本当にスキルが身に付く学習の仕方

『Learn Better――頭の使い方が変わり、学びが深まる6つのステップ』(アーリック・ボーザー著/英治出版)をもとに,効果的な学習法について探ります。

Learn Better――頭の使い方が変わり、学びが深まる6つのステップ

Learn Better――頭の使い方が変わり、学びが深まる6つのステップ

 

 

定期テストが近づいてきて,「たくさん勉強しているのに内容が身に付いている感じがしない」「勉強してはいるけれど,どれくらい理解できているか不安だ」というお悩みが多く聞かれます。どうすればより一層,学習の効果を高められるのでしょうか? 

『Learn Better――頭の使い方が変わり、学びが深まる6つのステップ』をもとに,効果的な学習法について,これまでの記事でいろいろとご紹介してきましたが,ここで今一度内容をまとめてみたいと思います。

知識や考え方を定着させることが大切

学習の効果を出すためには,教科書を読んだり,問題を解いたりすれば十分というわけではなく,知識や考え方そのものを理解して,定着させることが重要です。しっかりと知識や考え方を身に付け,いつでも引き出せるようにするためには,どうすればいいのでしょうか?

 

【知識・考え方を定着させるための学習法】

  • 教科書を読むだけでなく,内容をノートにまとめる
  • 学習内容を要約する。親や友人に説明する
  • 自分自身でクイズを出す― 単語帳を作って暗記する。 赤シートや一問一答集を活用する。空き時間を利用して完全に覚えられるまで取り組む。
  • 間違えた問題を繰り返し解く―何も見ずに答えられるようになるまで取り組む

もし教科書を読んだり,問題を解いたりする学習法だけで成果が出ない場合は,このような取り組みをぜひ試してみてください。

 

☆著書で子どもへの効果的な声かけや接し方を詳しくご紹介しています

blog.terak.jp

 

☆保護者様向け教育セミナーを開催します

reserva.be

reserva.be

 

☆保護者様向けオンラインサロンはこちら

reserva.be

 

【関連記事】

blog.terak.jp

blog.terak.jp

『Learn Better』から学ぶ効果的な学習法⑲~「挫折が役立つ」と信じることが大切

『Learn Better――頭の使い方が変わり、学びが深まる6つのステップ』(アーリック・ボーザー著/英治出版)をもとに,効果的な学習法について探ります。

Learn Better――頭の使い方が変わり、学びが深まる6つのステップ

Learn Better――頭の使い方が変わり、学びが深まる6つのステップ

 

以前ご紹介した通り,学習で成果を出すためには,挫折を乗り越えることが鍵となります。

blog.terak.jp

blog.terak.jp

そのためには,「挫折が本当に役に立つ」と心の底から信じ,「ミスをしてしまった」「同じところで間違えてしまった」と湧き起こるマイナスの感情をもコントロールすることが大切です。

成功要因は「生まれ」ではなく「育ち」にある

 挫折を経験したとき,「自分はやっぱりだめなんだ……」と打ちのめされるのではなく,「挫折が本当に役に立つ」と信じ,「どうすればこれから良くできるだろう?」と考えられるようになるためには,どうすればいいでしょうか。

「挫折は役立つ」と信じ,自身の感情をコントロールするためには,どんなスキルでも後天的に伸ばしていくことができるという考えを持つことが重要です。

本書では,遺伝子などの生まれが成功の決定要因だと考える「生まれ派」と,人は成長して変われるという「育ち派」の人々の考え方が紹介されていますが,「挫折が本当に役に立つ」と信じるためには,後者の考え方を身に付ける必要があります。

親の考え方に子どもは影響を受ける

「生まれ派」「育ち派」という考え方について,子どもは親や周りの大人から大きな影響を受けることが分かっています。親や周りの大人が「生まれ派」の考え方であれば,子どもも「生まれ派」になることが多く,「育ち派」についても同様だということです。

では子どもを「育ち派」の考え方,すなわち「努力すればスキルは伸びる」「挫折は後々役に立つ」という考え方にするためには,具体的にどうすればいいのでしょうか。本書では次のような行動や声かけが紹介されています。

  • 子どもが失敗したときに「学ぶチャンスだね」と伝える→反対に「能力が足りない」と伝えるのは良くありません
  • 子どもがミスや苦労をしたとき「これがふつうだ」「スキルの獲得には困難を伴うものだ」と伝える
  • もっと自分を追い込むような,ミスをするかもしれない状況に身を置かせる→人前で話すのが怖ければ,もっと人前で話させたり,数字が苦手ならもっと数字に関わらせたりする
  • 「練習が報われたね」「よくがんばったね,すごく進歩したよ」と努力をほめる

「人は成長して変われる」と信じ,努力する姿勢は,学習面だけでなく,社会に出てからもきっと役立つはずです。ぜひご家庭でこのような接し方・声かけを心がけてみましょう。

 

☆著書で子どもへの効果的な声かけを詳しくご紹介しています

blog.terak.jp

 

☆保護者様向け教育セミナーを開催します

reserva.be

reserva.be

 

☆保護者様向けオンラインサロンはこちら

reserva.be

『Learn Better』から学ぶ効果的な学習法⑱~情動をコントロールすることが大切

『Learn Better――頭の使い方が変わり、学びが深まる6つのステップ』(アーリック・ボーザー著/英治出版)をもとに,効果的な学習法について探ります。

Learn Better――頭の使い方が変わり、学びが深まる6つのステップ

Learn Better――頭の使い方が変わり、学びが深まる6つのステップ

 

学習面でも「精神的な強さ」が大切

以前ご紹介した通り,効果的な学習を行う上で,自分の間違いや失敗と向き合うことがとても重要です。

blog.terak.jp

blog.terak.jp

間違いや失敗と向き合うとき,「どうしてこんなミスをしてしまったんだろう」「また間違えてしまった……」と,精神的な苦痛を伴うこともあります。学習においても心のレジリエンス〔困難に耐える心の弾力性〕が必要なのです。

間違い――そして苦労――が学習の避けられない一部であるなら、それに対する備えが必要だ。これは学習の世界では新しい考え方だが、スポーツの世界では何百年も前から常識である。子どものクラブチームからプロチームまで、監督なら誰でも声をからして忍耐の価値やメンタル・タフネスの必要性を解くだろう。

自制心が成績に影響する

 メンタル・タフネスの重要性を示す根拠として,本書では1968年にウォルター・ミシェルが行ったマシュマロ・テストが紹介されています。

子どもはマシュマロなどの小さなごほうびを今すぐ一つ食べてもいいが、しばらく待てば二つ食べられると教えられた。[……]欲求と感情に対処する四歳児の能力がさまざまな形で実を結ぶことをミシェルは発見した。マシュマロに手を伸ばすのを先延ばしにできた子どものほうが、その後学校で優秀な成績を上げ、自信を持ち、ストレスにさらされたときも楽に対処した

情動をコントロールする方法

では,学習における失敗や挫折と向き合うために,どのように情動をコントロールすればよいのでしょうか。本書では次のような方法が紹介されています。

  • 情動を自覚してラベル付けをする

「自分はあのマシュマロがおいしそうだと思っている」「自分は今,友達に腹が立っている」など,感情を自覚してラベル付けをしましょう。子どもが自分の情動を自覚できるように,「この動画を見たいんだよね」「もっと遊びたいんだよね」「宿題をやりたくないんだよね」など,親が声かけして気づかせることも効果的でしょう。

  • 発想の転換を行う

「マシュマロを食べると太ってしまう」「今勉強したら後で出かけられる」など,別の視点から物事を捉え直しましょう。「今,間違い直しをしたら,テスト本番で間違えないね」「また間違えたことで,暗記しきれていないことが分かって良かったね」など,親が子どもに声をかけて,発想の転換を促しましょう

これらが習慣化してくると,エネルギーを使わずに,楽に情動をコントロールできるようになるそうです。このようにして培ったメンタル・タフネスはきっと社会に出てからも役立つでしょう。

 

☆保護者様向け教育セミナーを開催します

reserva.be

reserva.be

 

☆保護者様向けオンラインサロンはこちら

reserva.be

 

 

【関連記事】
blog.terak.jp

blog.terak.jp

『Learn Better』から学ぶ効果的な学習法⑰~暗記をするとき紙に書く必要はない

『Learn Better――頭の使い方が変わり、学びが深まる6つのステップ』(アーリック・ボーザー著/英治出版)をもとに,効果的な学習法について探ります。

Learn Better――頭の使い方が変わり、学びが深まる6つのステップ

Learn Better――頭の使い方が変わり、学びが深まる6つのステップ

 

「紙に書いて覚えなさい!」はNG

「暗記するときは紙に書いて覚えなさい」「見ているだけじゃ頭の中に入らないわよ」と子どもに声かけする保護者様がいらっしゃいます。しかし,実は書かなければ覚えられないということはありません。「『Learn Better――頭の使い方が変わり、学びが深まる6つのステップ』では,次のように書かれています。

検索練習(自分自身に質問して情報を思い出す練習のこと)は紙に書く必要もない。私は大学時代、あるクラスでティーチングアシスタントをしていたが、このクラスでは一種の検索練習を実施していた。[……]自由再生〔条件をつけず自由に思い出させる〕による練習には目に見えて効果があった。学生たちは知識を思い出す経験をするほど習得度が上がった

以下の記事でご紹介した通り,暗記を効率的に行うためには,自分自身に質問をして,情報を思い出せるか確認をすることが大切です。

blog.terak.jp

この学習法を行うにあたり,紙に書く必要性はありません。答えを再生できるかどうか,繰り返し自問することが重要なのです。空き時間などを活用して,自分で答えられるようになるまで,繰り返し自分にクイズを出し続けましょう

子どもに合った学習法を探すことが大切

 紙に書いて暗記しなくても,小テスト等で得点が取れていれば問題ありません。逆に紙に答えを何度も書いて学習しても,後日,自分で答えを言うことができなければ,あまり意味がないと言えます。繰り返し自分にクイズを出し,「どこまで覚えられているかな?」「今の学習法は上手くいっているかな?」とチェックして,ぜひ子ども自身に合った学習法を見つけましょう

 

☆保護者様向け教育セミナーを開催します

reserva.be

reserva.be

 

☆保護者様向けオンラインサロンはこちら

reserva.be

 

 

【関連記事】

blog.terak.jp

blog.terak.jp