『勉強法以前の「勉強体質」のつくりかた』から学ぶ効果的な家庭教育⑫~正解をすぐに教えない

『勉強法以前の「勉強体質」のつくりかた』(伊藤敏雄著/主婦の友社)をもとに,効果的な家庭教育について学びます。

勉強法以前の「勉強体質」のつくりかた

勉強法以前の「勉強体質」のつくりかた

  • 作者:伊藤 敏雄
  • 発売日: 2018/02/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 正解をすぐに聞いてくる子は伸びない

成績が上がらない子の特徴の一つとして,「正解をすぐ聞いてくる」ことが挙げられます。「先生,早く答えを教えて!」「正解は何なんですか?」とすぐに聞いてくる子は,自分で考えることをしないため,学習内容が身に付かないのです。

勉強ができるようになるために大切なこと

「できない」を「できる」にするのが勉強であり,そのためには「何をどうまちがえたのか?」「次どうすればまちがえないのか?」を考えることが大切だと『勉強法以前の「勉強体質」のつくりかた』では書かれています。

すぐに正解を聞いて,赤で答えを書き込むだけでは,「分かったつもり」になっていることがほとんどです。実際,すぐに答えを聞いてくる生徒さんに,授業中に間違えた問題を30分後に解き直してもらったところ,正答率は30%ほどでした。1時間後,数日後,もっと先のテストになると,正答率はさらに落ちるでしょう。

「なぜその答えになるのか」を考えることが大切

 
 すぐに答えを聞いてくる生徒さんには,「自分で考えてみよう」「正しい答えは何だと思う?」「なぜその答えになると思う?」と質問して,考えてもらうようにしています。そのような声かけをして一緒に考えた後,30分後に解き直してもらうと,正答率は80~90%にまで上がりました。

子どもが自分で考えなくなる原因

子どもが答えをすぐに知りたがる,答えを写して終わりにしてしまうのには,次のような原因があるかもしれません。

  • 子どもにとって学習量が多すぎる
  • 子どもにとって内容が難しすぎて考えるのが億劫
  • 親が「早く学習を終わらせなさい!」「勉強のスピードが遅い!」と日常的に急かしている

学習量やスピードよりも,「できない問題をできるようにする」「なぜ間違えたか考え次に生かす」という学習の質が重要です。ぜひご家庭でも心がけてみてください。

 

 

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『勉強法以前の「勉強体質」のつくりかた』から学ぶ効果的な家庭教育⑪~続けることで「やり抜く力」が身に付く

『勉強法以前の「勉強体質」のつくりかた』(伊藤敏雄著/主婦の友社)をもとに,効果的な家庭教育について学びます。

勉強法以前の「勉強体質」のつくりかた

勉強法以前の「勉強体質」のつくりかた

  • 作者:伊藤 敏雄
  • 発売日: 2018/02/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 物事が続かないのは,性格が「飽きっぽい」から?

「子どもが毎日コツコツ勉強に取り組めません」「すぐに嫌になって投げ出してしまいます」という相談をよく受けます。その子の性格が飽きっぽいから,物事が続かないのでしょうか。

『勉強法以前の「勉強体質」のつくりかた』では,次のように書かれています。

「つづける」ことでいろいろな力が子どもにつきます。まずは、やり抜く力です。飽きっぽい子は、性格が「飽きっぽい」からと思われていますが、とことんやり抜くという経験が少ないだけかもしれません。

一つの物事を続けることが大事

一つの物事を続ける中で「できる」「わかる」が増え,そのような成功体験の積み重ねが,その後のやり抜く力の原動力となります

もし勉強が続かないようであれば,スポーツでも,ゲームでも子どもの好きなことで構いません。何でも良いので,一つのことを続ける,やり抜く経験をすることが大切です。

ゲームでも勉強でも、とことんやり抜くという経験が大切です。最近は,勉強ができる子はゲームもよくやると言われています。共通していることは、やり抜く力です。

がんばってできた経験が,自信や自己肯定感に繋がる

 一つの物事に継続的に取り組み,「がんばったらできた!」という成功体験を積み重ねることで,自信や自己肯定感が育まれます
「子どもに自信を付けさせたい」「どうやったら自己肯定感を高められますか」という相談もよく受けますが,親が褒めたり,何かしてあげたりすることで身に付くものではありません。自信や自己肯定感は,子ども自身が壁を乗り越え,達成感を味わうことで初めて身に付くものなのです。
何か一つの物事をやり遂げる経験を子どもにさせましょう。子どもが途中で投げ出しそうなときは,ぜひ励ましてください。そうすれば,やり抜く力,自信,自己肯定感がきっと身に付くはずです。
 
 

『勉強法以前の「勉強体質」のつくりかた』から学ぶ効果的な家庭教育⑩~教科書や問題集より「クイズ」で覚えよう

『勉強法以前の「勉強体質」のつくりかた』(伊藤敏雄著/主婦の友社)をもとに,効果的な家庭教育について学びます。

勉強法以前の「勉強体質」のつくりかた

勉強法以前の「勉強体質」のつくりかた

  • 作者:伊藤 敏雄
  • 発売日: 2018/02/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 教科書や問題集より「クイズ」が効果的

『勉強法以前の「勉強体質」のつくりかた』では,教科書を読んだり問題集を解いたりするより,クイズにするほうが効果的であると書かれています。

なぜなら,勉強は頭の中に何かを詰め込むことではなく,何かを覚えて思い出すことが大切だからです。クイズを通して,「頭の中に入れる→覚えている→思い出す」練習ができるので,効果的な学習法であると言えます。

 

親が子どもにクイズを出してみよう

子どもが低学年のうちは,親が子どもにクイズを出してみましょう。

  • 奈良時代の次の時代は?
  • 福がつく都道府県は?
このような簡単なもので大丈夫です。まずはクイズで楽しく学習することに慣れてもらいましょう。

子ども自身でクイズを出せるようになろう

子どもの自律を考えると,子どもが自分で自分にクイズを出せるようになってほしいです。小学校高学年や中学生以降は,子ども自身で教科書を読んで,ぜひクイズを作ってもらいましょう
自分でクイズを作れるのが一番ですが,もし時間が無い場合は,市販の一問一答集でも良いと思います。「覚える→思い出す」の練習ができるので,テストのときに「覚えられていなかった!」「もっと覚えられていると思ったのに」と焦らずに済みます
私自身,子ども時代に「自分で自分にクイズを出す」学習法で勉強してきたので,効果を実感しています。ぜひ試してみてほしいです。

 

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『勉強法以前の「勉強体質」のつくりかた』から学ぶ効果的な家庭教育⑨~「できない」「分からない」などネガティブ語を禁止にする

『勉強法以前の「勉強体質」のつくりかた』(伊藤敏雄著/主婦の友社)をもとに,効果的な家庭教育について学びます。

勉強法以前の「勉強体質」のつくりかた

勉強法以前の「勉強体質」のつくりかた

  • 作者:伊藤 敏雄
  • 発売日: 2018/02/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 日常的にネガティブ語を使っていませんか

勉強嫌いの子はすぐに「分からない」「できない」「無理」とネガティブな言葉を言ってしまいます。ネガティブな言葉を言っているうちは,なかかなか成績が伸びませんが,学習習慣が付き,勉強が分かるようになってくると,ネガティブ発言も次第に消えていきます。事業活動を通して,様々な生徒さんを指導する中で,勉強に対する捉え方・イメージが学習効果に影響を及ぼすと感じています。
 
『勉強法以前の「勉強体質」のつくりかた』では,ネガティブ語について,次のように書かれています。
人は「できない」と思った時点で、本当にできなくなります。これは、いわゆる負の暗示のためです。[……]
子どもが、このような食わず嫌いの苦手意識をもっていたとしたら、とてもやっかいです。それは、どんなにすばらしい方法でも、本人が「無理」と思ってやっているうちは、成果が出ないからです。

「できない」「分からない」「無理」という口癖は封印しよう

本書によると,「できない」「分からない」というようなネガティブ語を禁止するだけで,子どもの成績が上がるそうです。子どもがネガティブ語を言ったとき,「今ネガティブ語を言ったよね?」と自覚を促すだけで良いそうです。これを徹底すると,次第に子どもはネガティブ語を言わなくなり,成績も上がり出したということです。

  • 親自身が日常的にネガティブ語を使わないように意識する
  • 子どもが「できる!」と思えるまで,目標・問題レベルを下げたり,反復演習を積み重ねたりする
  • 「前よりできるようになっているから大丈夫!」「○がだんだん増えてきたね」と子どもの努力を認める
このような心掛けや取り組みも効果的だと思います。子どもが前向きに勉強に取り組めるようになると,学習の成果も表れやすくなるはずです。

 

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『勉強法以前の「勉強体質」のつくりかた』から学ぶ効果的な家庭教育⑧~ゲーム感覚で競う

『勉強法以前の「勉強体質」のつくりかた』(伊藤敏雄著/主婦の友社)をもとに,効果的な家庭教育について学びます。

勉強法以前の「勉強体質」のつくりかた

勉強法以前の「勉強体質」のつくりかた

  • 作者:伊藤 敏雄
  • 発売日: 2018/02/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 継続するために楽しく学ぶ

勉強は続けてこそ効果が出ます。勉強を楽しく続けるための仕掛けの一つとして,本書ではゲーム感覚で競うことが紹介されています。
  • トランプでゲームをしながら,たし算やかけ算を学ぶ
  • 漢字部首かるたで遊ぶ
  • 都道府県かるたで遊ぶ
このような方法だと,ドリルをやらなくても,ゲーム感覚で楽しく学ぶことができます。

ライバル同士で競う

学習教室を運営していて感じるのは,子どもたちは皆,バトルが大好きだということです。「バトルしようぜ!」「次こそ負けない!」「絶対に勝つ!」と競うことで,やはりゲーム感覚で楽しく取り組めるようです。
  • プログラミングで一番楽しいゲームを作れた人が勝ち
  • 一番強い対戦ロボットを作れた人が勝ち
  • 小テストの点数やタイムを競ってみる

 このような取り組みを行うと,やる気がなかった子どもも,目をキラキラと輝かせて「勝ちたい!」「どうすれば勝てるだろう?」と真剣に考え始めます。自分で考えることで,学習内容もどんどん身に付きます

ゲーム感覚で取り組める教材を使用したり,家族・兄弟間で競ったり,ぜひ子どもが楽しく学習を続けられる方法を見つけてもらえればと思います。

『勉強法以前の「勉強体質」のつくりかた』から学ぶ効果的な家庭教育⑦~間違いをツッコミで笑い飛ばす

『勉強法以前の「勉強体質」のつくりかた』(伊藤敏雄著/主婦の友社)をもとに,効果的な家庭教育について学びます。

勉強法以前の「勉強体質」のつくりかた

勉強法以前の「勉強体質」のつくりかた

  • 作者:伊藤 敏雄
  • 発売日: 2018/02/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 
 

間違いに罪悪感を抱かないことが大切

勉強は続けてこそ効果が出ます。勉強を楽しく続けるためには,間違いに罪悪感を抱かないことが大切です。間違えることが怖くなると,勉強を楽しめないだけでなく,答えを写したり,原因を探って次に生かすことができなくなってしまいます。

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間違いをツッコミで笑い飛ばす

『勉強法以前の「勉強体質」のつくりかた』は,間違いをツッコミで笑い飛ばすことをおすすめしています。

まじめで完璧主義傾向が強い子どもほど、ミスや間違いを指摘すると少なからずショックを受けます。たとえ、諭すようにやんわりと言ったとしても、です。

逆に、そういう子はミスやまちがいを笑いのネタにして、とことんいじくりまくるほうがいろいろな意味で上手くいきます。

 (例)「渡来人」と書くところを誤って「飛来人」と書いてしまった

×「渡来人が飛来人なわけないでしょ?ちゃんとやりなさい。」

〇「う~ん、これはなんだろう?飛んでくるのかな?この時代に飛行機はなかったはずだけど……。まさかUFOとか?」

 

【間違いをツッコミで笑い飛ばすことの効果】

本書では次の2つの効果が書かれています。

①教えるほうも教えられるほうも楽しく過ごせる→勉強が楽しくなる

②リラックスした状態で勉強できるので記憶に残りやすい

どのような環境,気持ちで勉強するかは,習得度合いに大きな影響を与えると私も思います。「飛来人」の例のように,間違えたときも笑えるようなエピソードを作ってしまえば,同じ間違いを繰り返しにくくなります。子どもが間違いを深刻に捉えすぎて勉強が苦痛にならないためにも,心が軽くなるようなツッコミの声かけをぜひ保護者の方にお願いできればと思います。

 

『勉強法以前の「勉強体質」のつくりかた』から学ぶ効果的な家庭教育⑥~答えを写しても勉強にならない

『勉強法以前の「勉強体質」のつくりかた』(伊藤敏雄著/主婦の友社)をもとに,効果的な家庭教育について学びます。

勉強法以前の「勉強体質」のつくりかた

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  • 作者:伊藤 敏雄
  • 発売日: 2018/02/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 
 

答えを写しても学習効果はない

『勉強法以前の「勉強体質」のつくりかた』では,宿題や問題集の答えを写すことは意味がないと書かれています。答えを写してしまう子どもは多いですが,次のような理由から学習効果は期待できないと私も思います。
  • 自分がどこまで分かっていて,どこから分からないかが曖昧なままになる
  • 重点的に復習すべきポイントが分からない
  • テスト勉強のとき,間違えた問題のみ解き直しするなど,効果的な学習ができない
  • 弱点が克服できず,同じ問題を繰り返し間違えてしまう

なぜ答えを写してしまうのか

本書では,子どもが答えを写してしまう理由について触れています。

  • 答えを写すことが悪いことだと思っていないから
  • ○がそろっていると勉強ができた感じがして,見栄えがいいから
  • 間違い=恥ずかしいこと,不愉快なことだから

 私の経験上,次のようなことが要因になっていることも多いです。

  • その子にとっては宿題や問題集が難しすぎて,やる気が起きない
  • 学習量が多すぎて「とりあえずこなさないと」と焦っている
  • 間違えると親に怒られると思っている
  • 劣等感があり「できない自分」を認めたくない

 学習内容・レベル,親の言動等によって,答えを写さないといけない状況に追い込まれている子どもも多いと感じます。

「答えを写すのは意味がないよ」「間違えた問題をできるようにしていくことが大事だからね」「テストじゃなくて,今間違いが見つかって良かったじゃない!」とお子様の意識を変える声かけを実施いただくと同時に,「なぜうちの子は答えを写してしまうんだろう?」とぜひ原因も探っていただければと思います。


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『勉強法以前の「勉強体質」のつくりかた』から学ぶ効果的な家庭教育⑤~子どもを伸ばす親の心構え

『勉強法以前の「勉強体質」のつくりかた』(伊藤敏雄著/主婦の友社)をもとに,効果的な家庭教育について学びます。

勉強法以前の「勉強体質」のつくりかた

勉強法以前の「勉強体質」のつくりかた

  • 作者:伊藤 敏雄
  • 発売日: 2018/02/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 
 
『勉強法以前の「勉強体質」のつくりかた』では,子どもを伸ばす心構えと,子どもをダメにする親の言動が紹介されています。次のうち,あなたに当てはまるものはあるでしょうか。

子どもを伸ばす親の心構え

①がんばったことをほめる

  • わざとらしくほめない
  • 賞賛の言葉を探すのではなく,「やればできる」とわが子を信じる

②やればできるを見守る

  • 子どもの能力は持って生まれたもので決まってしまうのではなく,努力やくふうでいくらでも伸ばせると信じる
  • 子どもに対してポジティブな意識をもつ

③ほめる=子どもの変化を認める

  • 子どもの行動を日々観察し,成長や変化に気づく
  • 変化があったときにだけ,「以前は文句を言ってやらなかったのに,今日は最後までできたね」とありのままを言葉にする

 子どもをダメにする親の言動

①すぐにできるを求める

  • すぐに結果を求めて,できるを期待すると,平凡な点数でがっかりしてしまう→親がネガティブになってしまう
  • 親のネガティブな姿勢によって,子どものやる気や自信がなくなってしまう
  • まずは勉強に取り組めたということにすなおに喜ぶ
  • すぐに芽は出なくても確実に変化が起こっている

②もっと(量)やもう少し(質)を求める

  • 1ページという約束だったのに,すぐに終わってしまったから,もう1ページかってに追加するのはルール違反
  • 子どもの勉強への心理的抵抗感が出てくるため,すべてが台無しになってしまう
  • 1ページと決めたのであれば,それ以上欲ばらない

無意識に,子どもをダメにする言動をしてしまっていませんか。

「もう少し見守ってもらえれば成果が出そうなのに」「せっかく量を減らして上手く行き始めていたのに」「あとちょっとで子どもから動き出しそうなのに」という局面で,我慢できなくなってしまう保護者の方が少なくないので,とてももったいないなと感じます。子どもを信じて最後まで見守りましょう。

 

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『勉強法以前の「勉強体質」のつくりかた』から学ぶ効果的な家庭教育④~子どもに勉強を「やらせる」のをやめる

『勉強法以前の「勉強体質」のつくりかた』(伊藤敏雄著/主婦の友社)をもとに,効果的な家庭教育について学びます。

勉強法以前の「勉強体質」のつくりかた

勉強法以前の「勉強体質」のつくりかた

  • 作者:伊藤 敏雄
  • 発売日: 2018/02/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 子どものやる気が出ないのは「やらされている」から

「子どもが自分から勉強しない」「親がうるさく声かけしてようやく勉強する」「自分で勉強ができるようになってほしい」という相談を受けることがあります。
なぜ,子どものやる気が出ないのでしょうか。色々な要因があると思いますが,もしかすると勉強を「やらされている」ことが原因かもしれません。
『勉強法以前の「勉強体質」のつくりかた』では,次のように書かれています。
[……]なんとかしなければという思いで、学習塾に通わせたり通信教育を始めたりします。しかし、意外にもそこが落とし穴なのです。子どもにとっては、主体が親から学習塾や通信教育に変わっただけで、勉強を「やらされる」ということ自体は変わりないのです。

 

勉強を始められないのは,効果が実感できないから

そもそも,なぜ子どもは自分から勉強を始められないのでしょうか。本書では次のように書かれています。

子どもができれば勉強をやりたくないと思うのは、勉強が好きとか嫌いという前に、「勉強した実感がわかない」からです。

確かに勉強しても効果が感じられなければ,「勉強したくない」と思うのも当然です。逆に効果が感じられれば,「勉強しようかな」と進んで取り組めるでしょう。

つまり,「①勉強する→②効果を感じられる→③やる気が出る」という順に進み,最後に自分から勉強を始められるようになるのです。

親が子どものためにできること

勉強せずに③にいきなり進むことは不可能なので,ぜひ周囲が①→②のステップをサポートしましょう。

このとき,「ドリルを2ページやりなさい」「今日の分の通信教育をやってね」と強を「やらせる」のではなく,「1日1個漢字を覚えてみよう」「3問だけ計算問題をやってみよう」とハードルを下げて,「これならできる」「前にできなかった問題ができるようになった」と,子どもに効果を感じてもらうことが大切です。 子どもが行き詰まったら,「どうやったらできるようになるか,一緒に考えよう」と,効果が出る勉強のやり方を探すのも有効です。

子どもが学習の効果を感じれば,自然とやる気になり,自ら勉強を始められるようになるでしょう。


 

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『勉強法以前の「勉強体質」のつくりかた』から学ぶ効果的な家庭教育③~「勉強=ゲーム」と考えてみよう

『勉強法以前の「勉強体質」のつくりかた』(伊藤敏雄著/主婦の友社)をもとに,効果的な家庭教育について学びます。

勉強法以前の「勉強体質」のつくりかた

勉強法以前の「勉強体質」のつくりかた

  • 作者:伊藤 敏雄
  • 発売日: 2018/02/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 勉強はゲームと同じ

本書は,勉強をゲームに例えて説明しています。
漢字がわからないということは、国語というゲームの最初のモンスターにスら勝てないということです。ならば、その最初のモンスターである漢字を、少しずつやっつけるところから始めればいいわけです。

私自身,子供時代に「勉強ってゲームみたいだな」と思っていたので,筆者の考え方にとても共感できます。

簡単な問題からスタートし,できるようになると,問題(=敵)も強くなります。それは自分もレベルアップしたという証拠です。レベルアップするにつれ,問題は難しくなります。問題が自分で解ける,テストで高得点が取れれば,「やった!ゲームクリア!」と子供時代の私は考えていました。

勉強のやり方を考えること=ゲームの攻略法を考えること

効果的な勉強の方法を考えることは,ゲームの攻略法を考えることと似ています。本書では次のように書かれています。

そのときに大切なことは、漢字というモンスターをそうやったら倒せるのかという攻略法を身につけることです。つまり、どうやったら漢字を楽しく、そして、確実に覚えられるのかという勉強のやり方を身につけることです。

「やったつもり」では意味がない

たくさん書いて,勉強したつもりになっている子どもが少なくありませんが,いかに効率的に学習するかがポイントです。たくさん書いても,中身を覚えられておらず、ただの作業になっている場合は意味がありません。これではゲームが攻略できない=勉強ができるようにならないからです。

私は子供時代,暗記シートを作ってこまめに見たり,単語カードを活用して自分にクイズを出したりしていました。自分に合った学習法を見つけることが大事です。

攻略法を考えることに意味がある

勉強をすることの価値は,勉強のやり方=ゲームの攻略法を自分で見つけ出すことにあります。「どうやったら効率的に覚えられるかな?」「どうやったら問題を解けるようになるかな?」と知恵を絞り,試行錯誤することに価値があるのです。

算数・数学なら、計算というモンスターの倒し方を、英語なら、英単語というモンスターの倒し方を、子どもが身につける。そうすることで、学年が上がっても、中学、高校に進学しても、大学に進学しても、果ては、社会人になっても通用する強さを身につけることができるのです。

親や先生が攻略法をすべて教えてあげるのではなく,一緒に考えたり,子どもに考えてもらったりすることが大切です。勉強を通して培ったこのような「考える力」は,社会に出てもきっと役立つでしょう。

 

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