『「非認知能力」の育て方』から学ぶ家庭教育~③子どもが安心できる家庭環境をつくる

『「非認知能力」の育て方 心の強い幸せな子になる0~10歳の家庭教育』(ボーク重子/小学館)をもとに,効果的な家庭教育について学びます。

「非認知能力」は家庭で伸ばせる

「非認知能力」は幸せな人生を歩む上で必要だと言われていますが,家庭教育で伸ばすことができます。

※「非認知能力」=問題解決力,柔軟性,心の回復力,自制心,やり抜く力,社会性,共感力など。従来の「学力」とは異なる,数値化できない人間力のこと。

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本書では家庭での非認知能力の伸ばし方,筆者が子育ての際に気を付けていたことが紹介されています。その一つとして,今回は「子どもが安心できる家庭環境をつくる」ことについて学びます。

子どもが安心してチャレンジできる「安全な環境」をつくる

親は,子どもが何でも挑戦できる,何度でもやり直せる安全な環境をつくることが大事であると筆者は述べています。

 安全な環境とは、子どもの「心の安全」が保たれるということ。自分はここにいてもいいのだ、ここで必要とされているのだ、愛されているのだ、思うことを言っても批判されないのだ……と実感できる場所。[……]

子どもが常に「愛されている」と感じ、安心して帰ってこられる場所があるということが子どものレジリエンスを高めます

過去の記事で「マズローの欲求5段階説」を用いて説明した通り,まずは「食べたい」「寝たい」「安全な暮らしがしたい」「集団(家族)に属したい」「認められたい」というような基本的な欲求を満たすことが大切です。基本的な欲求が満たされて初めて,「自己実現したい」「自分の能力を生かして活動したい」という高次の欲求が生まれるからです。

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 子どもを否定する声かけをやめる

「食べたい」「寝たい」「安全な暮らしがしたい」という生活に関する欲求については,満たされていることがほとんどだと思いますが,子どもの「認められたい」という欲求については満たされていないことがあります

「できない子ね」「また失敗したのね」「何をやらせてもダメなんだから」「本当にダメな子ね」など,子どもを否定する声かけをしていないでしょうか。子どもに危機感を持たせたくて,そのような声かけをしている方もいるかもしれませんが,子どものやる気が無くなり,むしろ逆効果なので気を付けましょう

子どもを否定しない,ありのままを認めることが,子どもの非認知能力を高める第一歩です。

 

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『「非認知能力」の育て方』から学ぶ家庭教育~②子育ての目的を明確にする

『「非認知能力」の育て方 心の強い幸せな子になる0~10歳の家庭教育』(ボーク重子/小学館)をもとに,効果的な家庭教育について学びます。

「非認知能力」は家庭で伸ばせる

前回ご紹介した通り,「非認知能力」は幸せな人生を歩む上で大切ですが,家庭教育で伸ばすことができます。

※「非認知能力」=問題解決力,柔軟性,心の回復力,自制心,やり抜く力,社会性,共感力など。従来の「学力」とは異なる,数値化できない人間力のこと。

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本書では家庭での非認知能力の伸ばし方,筆者が子育ての際に気を付けていたことが紹介されています。その中の一つとして,「子育ての目的を明確にする」ことが挙げられています。

「何のためにやるのか」が大切

筆者は子育ての際,「何のためにやるのか」という目的を常に明確にしていたそうです。

 

子育ての目的(筆者の場合):

我が子が自立して幸せに生きられるようにサポートすること

×子どもをいい学校に入れること

×子どもの偏差値を上げること

×親の希望や見栄のためにやる

 

「我が子が自立して幸せに生きられるようにサポートする」という目的が,「安定した大企業に入れる/医者や公務員にさせる」「良い学校に入れる」「そのために塾にたくさん通わせる」「勉強ばかりさせる」というように,いつの間にか別のものにすり替わってしまうことは少なくありません。

「レベルの高い〇〇中学に入れたら,鼻が高い」「〇〇高校だったら,親の私が恥ずかしい」というように,親の見栄で子どもの希望や実力に合わない進路を選んでしまうこともあるでしょう。

  • 「安定した大企業に入れる」→大企業もいつ潰れるかわかりません。将来どんな社会になっても,生きていける力を身に付けておくことが大切です。
  • 「医者や公務員にさせる」→子どもが本当にやりたいことですか?やりたくないことに対してはやる気が出ず,もし医者や公務員になれたとしても,幸せな人生は歩めないでしょう。
  • 「良い学校に入れる」「そのために塾にたくさん通わせる」「勉強ばかりさせる」→勉強だけできても,これからの社会を生き抜くことは難しいでしょう。詰め込み式学習では,子どもが自ら考え行動する力を養うことができません。

将来,社会がどのように変化しても,子どもが幸せな人生を歩むためには,自ら考え行動する力を育むこと,非認知能力を高めること,そのためにブレない家庭教育を実施することが大切です。

 

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『「非認知能力」の育て方』から学ぶ家庭教育~①非認知能力があれば幸せな人生を歩める

『「非認知能力」の育て方 心の強い幸せな子になる0~10歳の家庭教育』(ボーク重子/小学館)をもとに,効果的な家庭教育について学びます。

非認知能力とは何か?

「非認知能力」=問題解決力、柔軟性、心の回復力、自制心、やり抜く力、社会性、共感力など。従来の「学力」とは異なる、数値化できない人間力のこと。

シカゴ大学のジェームズ・ヘックマン教授の研究によると,乳幼児期の早期教育では,学習面を強化しても,IQの数値を短期間高めるだけで,長期的に高めることにはつながらないことがわかりました。就学前教育を受けた子どもたちが伸ばしたのは,誘惑に勝つ自制心や,難解な課題にぶつかったときの粘り強さなどの「非認知能力」だったそうです。

「非認知能力」は幸せな人生を歩むために大切

乳幼児期の早期教育を受け「非認知能力」を伸ばした人と,そうでない人を比べると,高校卒業率や平均所得,生活保護受給率,犯罪率に大きな差が表れたそうです。また「非認知能力」が伸びれば,学力も当然伸びると書かれています。

  • 自制心や想像力,自己肯定感,主体性などの非認知能力が高ければ,何かをやりたくないときも,自分が何をすべきか考えて主体的に参加することができる
  • 自己肯定感や自信があれば,少しくらいテストの点数が悪くても,次は頑張ろうと思えるし,人と違うことを気にせず自分の好きなことを追求できる
  • 困難な問題にぶつかっても,やり抜く力と回復力に後押しされて,創造力や論理的思考,問題解決力などを使って柔軟に解決できる→さらに難しい問題に挑戦できる→ますます学力が付いてくる

研究の結果,「非認知能力」がもっとも伸びるのは10歳までの乳幼児期であることもわかりました。

理解力が高く,飲み込みが早い子でも,先生からの指示がなければ動けない,すぐに挫折してしまう,難しい課題は投げ出してしまう子もいます。このような子どもの場合,将来,自分の力で人生を歩んでいけるか心配です。年齢が大きくなるほど,子どもの考え方を変えるのが難しくなるため,早い段階で「非認知能力」を身に付けておくことが大切だと思います。

日本の「お受験」について

早期教育と言っても,お受験をさせるのが良いということではありません。著者は日本の学歴重視の傾向,受験の早期化に警鐘を鳴らします。

[……]早期教育は「何のためにやるか」が大事なのではないでしょうか。

子ども自身が興味を持って自発的にやるなら、とてもいいことだと思います。「この本を自分で読めるようになったら楽しい」とか、「早く誰かにお手紙を書きたい」とか、「英語を話せたら、ほかの国の人とも話せて嬉しいな」など、世界が広がるような目的があって、それを叶えられたとき、子どもは大きな達成感と自信を得るでしょう。

一方で,合格のために塾通いをする,親を喜ばせたいから子どもが頑張るというのは,子どもの自己肯定感や主体性などを育む機会になりません。親の顔色を伺うのではなく,子ども自らが考え,自分の人生を歩んでいけるようにすることが大切です。

ぜひこのような視点を持って,子どもの進路や教育について考えてみてください。

 

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『勉強法以前の「勉強体質」のつくりかた』から学ぶ効果的な家庭教育⑬~子どもを勉強嫌いにさせる原因

『勉強法以前の「勉強体質」のつくりかた』(伊藤敏雄著/主婦の友社)をもとに,効果的な家庭教育について学びます。

勉強法以前の「勉強体質」のつくりかた

勉強法以前の「勉強体質」のつくりかた

  • 作者:伊藤 敏雄
  • 発売日: 2018/02/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 子どもを勉強嫌いにさせる原因とは

 『勉強法以前の「勉強体質」のつくりかた』では,子どもを勉強嫌いにさせる原因が紹介されています。
  • 書き取りのような「作業」を勉強だと思っている
  •  書き取りをすれば勉強したつもり,分かったつもりになるが,実際には効果が出ない(書き取りで暗記できる子は除く)
  • 勉強は量をこなさないといけないから,面倒くさいと思ってしまう

親が学習法を押し付けない

知識や考え方を習得するのには,様々なやり方があり,人によって適した方法が違います。例えば,視覚的に覚える子どもに対して,「そんなの勉強しているうちに入らない」「書いて覚えなさい」と心配になって言ってしまう親がいますが,逆効果です。自分に合った学習法は,試行錯誤して自分で見つけていくしかありません

  • たくさん書かないと覚えられないはずだ
  • 勉強量をたくさんこなすのは,すごいことだ
  • 子どもには親が学習法を教えてあげないと……

保護者の方がこのような思い込みをお持ちでないでしょうか。ぜひ次のような考え方に変えてほしいと思います。

  • 勉強は,少ない時間・量でできるようになった方がいい
  • 書いて覚える子もいれば,見て覚える子もいる
  • 自分に合った学習法は,子ども自身で見つけていくしかない

このような視点を持ってお子様に接していただけると,勉強嫌いになりにくいはずです。

「試行錯誤して自分に合った学習法を見つける」「目標を持ってその達成方法を考える」ことこそ,勉強の醍醐味です。勉強を通して培ったこのようなスキルは,きっと社会に出てからも役立つでしょう。

 

 

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おすすめの無料学習サイトのご紹介

おすすめの無料学習サイトのご紹介です。

「つくばキッズ」では,家庭学習に役立つ様々なコンテンツが掲載されています。 

https://www.tsukuba.ed.jp/~298kids/?page_id=848

f:id:terakinc:20200528161320j:plain

 

  • プログラミングのサイト
  • 英語学習サイト
  • 学年別の無料学習動画
  • 小中学生用の学習プリント

このようなコンテンツが掲載されています。

 

中でも学習プリント「出木杉君」はとてもおすすめです。

dorilu.net

図が多いため視覚的に分かりやすく,考える力が身に付く内容になっています。プリントアウトして繰り返し学習できる点も実用的です。

ぜひご覧になってみてください。

『勉強法以前の「勉強体質」のつくりかた』から学ぶ効果的な家庭教育⑫~正解をすぐに教えない

『勉強法以前の「勉強体質」のつくりかた』(伊藤敏雄著/主婦の友社)をもとに,効果的な家庭教育について学びます。

勉強法以前の「勉強体質」のつくりかた

勉強法以前の「勉強体質」のつくりかた

  • 作者:伊藤 敏雄
  • 発売日: 2018/02/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 正解をすぐに聞いてくる子は伸びない

成績が上がらない子の特徴の一つとして,「正解をすぐ聞いてくる」ことが挙げられます。「先生,早く答えを教えて!」「正解は何なんですか?」とすぐに聞いてくる子は,自分で考えることをしないため,学習内容が身に付かないのです。

勉強ができるようになるために大切なこと

「できない」を「できる」にするのが勉強であり,そのためには「何をどうまちがえたのか?」「次どうすればまちがえないのか?」を考えることが大切だと『勉強法以前の「勉強体質」のつくりかた』では書かれています。

すぐに正解を聞いて,赤で答えを書き込むだけでは,「分かったつもり」になっていることがほとんどです。実際,すぐに答えを聞いてくる生徒さんに,授業中に間違えた問題を30分後に解き直してもらったところ,正答率は30%ほどでした。1時間後,数日後,もっと先のテストになると,正答率はさらに落ちるでしょう。

「なぜその答えになるのか」を考えることが大切

 
 すぐに答えを聞いてくる生徒さんには,「自分で考えてみよう」「正しい答えは何だと思う?」「なぜその答えになると思う?」と質問して,考えてもらうようにしています。そのような声かけをして一緒に考えた後,30分後に解き直してもらうと,正答率は80~90%にまで上がりました。

子どもが自分で考えなくなる原因

子どもが答えをすぐに知りたがる,答えを写して終わりにしてしまうのには,次のような原因があるかもしれません。

  • 子どもにとって学習量が多すぎる
  • 子どもにとって内容が難しすぎて考えるのが億劫
  • 親が「早く学習を終わらせなさい!」「勉強のスピードが遅い!」と日常的に急かしている

学習量やスピードよりも,「できない問題をできるようにする」「なぜ間違えたか考え次に生かす」という学習の質が重要です。ぜひご家庭でも心がけてみてください。

 

 

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『勉強法以前の「勉強体質」のつくりかた』から学ぶ効果的な家庭教育⑪~続けることで「やり抜く力」が身に付く

『勉強法以前の「勉強体質」のつくりかた』(伊藤敏雄著/主婦の友社)をもとに,効果的な家庭教育について学びます。

勉強法以前の「勉強体質」のつくりかた

勉強法以前の「勉強体質」のつくりかた

  • 作者:伊藤 敏雄
  • 発売日: 2018/02/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 物事が続かないのは,性格が「飽きっぽい」から?

「子どもが毎日コツコツ勉強に取り組めません」「すぐに嫌になって投げ出してしまいます」という相談をよく受けます。その子の性格が飽きっぽいから,物事が続かないのでしょうか。

『勉強法以前の「勉強体質」のつくりかた』では,次のように書かれています。

「つづける」ことでいろいろな力が子どもにつきます。まずは、やり抜く力です。飽きっぽい子は、性格が「飽きっぽい」からと思われていますが、とことんやり抜くという経験が少ないだけかもしれません。

一つの物事を続けることが大事

一つの物事を続ける中で「できる」「わかる」が増え,そのような成功体験の積み重ねが,その後のやり抜く力の原動力となります

もし勉強が続かないようであれば,スポーツでも,ゲームでも子どもの好きなことで構いません。何でも良いので,一つのことを続ける,やり抜く経験をすることが大切です。

ゲームでも勉強でも、とことんやり抜くという経験が大切です。最近は,勉強ができる子はゲームもよくやると言われています。共通していることは、やり抜く力です。

がんばってできた経験が,自信や自己肯定感に繋がる

 一つの物事に継続的に取り組み,「がんばったらできた!」という成功体験を積み重ねることで,自信や自己肯定感が育まれます
「子どもに自信を付けさせたい」「どうやったら自己肯定感を高められますか」という相談もよく受けますが,親が褒めたり,何かしてあげたりすることで身に付くものではありません。自信や自己肯定感は,子ども自身が壁を乗り越え,達成感を味わうことで初めて身に付くものなのです。
何か一つの物事をやり遂げる経験を子どもにさせましょう。子どもが途中で投げ出しそうなときは,ぜひ励ましてください。そうすれば,やり抜く力,自信,自己肯定感がきっと身に付くはずです。
 
 

『勉強法以前の「勉強体質」のつくりかた』から学ぶ効果的な家庭教育⑩~教科書や問題集より「クイズ」で覚えよう

『勉強法以前の「勉強体質」のつくりかた』(伊藤敏雄著/主婦の友社)をもとに,効果的な家庭教育について学びます。

勉強法以前の「勉強体質」のつくりかた

勉強法以前の「勉強体質」のつくりかた

  • 作者:伊藤 敏雄
  • 発売日: 2018/02/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 教科書や問題集より「クイズ」が効果的

『勉強法以前の「勉強体質」のつくりかた』では,教科書を読んだり問題集を解いたりするより,クイズにするほうが効果的であると書かれています。

なぜなら,勉強は頭の中に何かを詰め込むことではなく,何かを覚えて思い出すことが大切だからです。クイズを通して,「頭の中に入れる→覚えている→思い出す」練習ができるので,効果的な学習法であると言えます。

 

親が子どもにクイズを出してみよう

子どもが低学年のうちは,親が子どもにクイズを出してみましょう。

  • 奈良時代の次の時代は?
  • 福がつく都道府県は?
このような簡単なもので大丈夫です。まずはクイズで楽しく学習することに慣れてもらいましょう。

子ども自身でクイズを出せるようになろう

子どもの自律を考えると,子どもが自分で自分にクイズを出せるようになってほしいです。小学校高学年や中学生以降は,子ども自身で教科書を読んで,ぜひクイズを作ってもらいましょう
自分でクイズを作れるのが一番ですが,もし時間が無い場合は,市販の一問一答集でも良いと思います。「覚える→思い出す」の練習ができるので,テストのときに「覚えられていなかった!」「もっと覚えられていると思ったのに」と焦らずに済みます
私自身,子ども時代に「自分で自分にクイズを出す」学習法で勉強してきたので,効果を実感しています。ぜひ試してみてほしいです。

 

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『勉強法以前の「勉強体質」のつくりかた』から学ぶ効果的な家庭教育⑨~「できない」「分からない」などネガティブ語を禁止にする

『勉強法以前の「勉強体質」のつくりかた』(伊藤敏雄著/主婦の友社)をもとに,効果的な家庭教育について学びます。

勉強法以前の「勉強体質」のつくりかた

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  • 作者:伊藤 敏雄
  • 発売日: 2018/02/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 日常的にネガティブ語を使っていませんか

勉強嫌いの子はすぐに「分からない」「できない」「無理」とネガティブな言葉を言ってしまいます。ネガティブな言葉を言っているうちは,なかかなか成績が伸びませんが,学習習慣が付き,勉強が分かるようになってくると,ネガティブ発言も次第に消えていきます。事業活動を通して,様々な生徒さんを指導する中で,勉強に対する捉え方・イメージが学習効果に影響を及ぼすと感じています。
 
『勉強法以前の「勉強体質」のつくりかた』では,ネガティブ語について,次のように書かれています。
人は「できない」と思った時点で、本当にできなくなります。これは、いわゆる負の暗示のためです。[……]
子どもが、このような食わず嫌いの苦手意識をもっていたとしたら、とてもやっかいです。それは、どんなにすばらしい方法でも、本人が「無理」と思ってやっているうちは、成果が出ないからです。

「できない」「分からない」「無理」という口癖は封印しよう

本書によると,「できない」「分からない」というようなネガティブ語を禁止するだけで,子どもの成績が上がるそうです。子どもがネガティブ語を言ったとき,「今ネガティブ語を言ったよね?」と自覚を促すだけで良いそうです。これを徹底すると,次第に子どもはネガティブ語を言わなくなり,成績も上がり出したということです。

  • 親自身が日常的にネガティブ語を使わないように意識する
  • 子どもが「できる!」と思えるまで,目標・問題レベルを下げたり,反復演習を積み重ねたりする
  • 「前よりできるようになっているから大丈夫!」「○がだんだん増えてきたね」と子どもの努力を認める
このような心掛けや取り組みも効果的だと思います。子どもが前向きに勉強に取り組めるようになると,学習の成果も表れやすくなるはずです。

 

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『勉強法以前の「勉強体質」のつくりかた』から学ぶ効果的な家庭教育⑧~ゲーム感覚で競う

『勉強法以前の「勉強体質」のつくりかた』(伊藤敏雄著/主婦の友社)をもとに,効果的な家庭教育について学びます。

勉強法以前の「勉強体質」のつくりかた

勉強法以前の「勉強体質」のつくりかた

  • 作者:伊藤 敏雄
  • 発売日: 2018/02/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 継続するために楽しく学ぶ

勉強は続けてこそ効果が出ます。勉強を楽しく続けるための仕掛けの一つとして,本書ではゲーム感覚で競うことが紹介されています。
  • トランプでゲームをしながら,たし算やかけ算を学ぶ
  • 漢字部首かるたで遊ぶ
  • 都道府県かるたで遊ぶ
このような方法だと,ドリルをやらなくても,ゲーム感覚で楽しく学ぶことができます。

ライバル同士で競う

学習教室を運営していて感じるのは,子どもたちは皆,バトルが大好きだということです。「バトルしようぜ!」「次こそ負けない!」「絶対に勝つ!」と競うことで,やはりゲーム感覚で楽しく取り組めるようです。
  • プログラミングで一番楽しいゲームを作れた人が勝ち
  • 一番強い対戦ロボットを作れた人が勝ち
  • 小テストの点数やタイムを競ってみる

 このような取り組みを行うと,やる気がなかった子どもも,目をキラキラと輝かせて「勝ちたい!」「どうすれば勝てるだろう?」と真剣に考え始めます。自分で考えることで,学習内容もどんどん身に付きます

ゲーム感覚で取り組める教材を使用したり,家族・兄弟間で競ったり,ぜひ子どもが楽しく学習を続けられる方法を見つけてもらえればと思います。