子どもに集中して勉強してもらう方法

「子どもが集中して勉強に取り組めない」「勉強を始めてもダラダラして困っている」というご相談がよく寄せられます。今回は,子どもに集中して勉強してもらうために,気を付けた方がよいことをご紹介します。

①勉強の環境を見直す

机の上にゲーム機や漫画,好きな本などが置かれていないでしょうか。テレビが付けっ放しではありませんか。勉強に関係のないものが身の回りにあると,気が散って勉強に集中しづらくなってしまいます。勉強をするときは,関係の無いものは片付けておくか,気になるものが何も置かれていない部屋に移動しましょう。

親子で一緒に勉強するのも効果的です。「今から勉強の時間にしよう!」と伝え,お父さん,お母さんは子どもの横で仕事の準備や資格試験の勉強をしたり,読書をしたりすると,子どもも勉強に集中しやすくなります。ぜひ試してみてください。

②勉強の内容が難しすぎないか見直す

勉強に集中できない原因の一つとして,勉強内容が難しすぎることが考えられます。頑張って考えても分からない問題ばかりだと,子どももやる気がなくなってしまいます。自宅学習では,子ども一人で8割程度正解できる学習内容が理想的です。そして正解が増えてきたら,「前よりできるようになってきたね!」と子どもを褒めるようにしてください。そうすればやる気が引き出され,より集中して勉強に取り組めるようになります。

③まずは短い時間集中する練習をする

最初から60分など長い時間を設定するのではなく,5分,10分と短く区切って集中する練習をしましょう。「今回は5分集中できたね」「次は10分集中してみよう」「10分もクリアできたから15分にチャレンジしてみよう」と少しずつ時間を延ばしていきます。

このような形で取り組むと,「昔は5分しか集中できなかったのに,15分集中できるようになった」と成長具合も見えやすいのでおすすめです。そして「どんどん長い時間集中できるようになってきているね」と褒めることで,子どものやる気を引き出しましょう。

「25分集中→5分休憩」という30分単位のセットを繰り返すポモドーロテクニックも効果的です。大人の仕事術として有名ですが,生徒さんに試してもらったところ,とても集中して勉強に取り組めるようになりました。ぜひご自宅で取り入れてみてください。

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 上記①~③が少しでも参考になれば幸いです。

 

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子どもの創造力を養うために,コントロールしようとしない

『ずっとやりたかったことを、やりなさい。』(ジュリア・キャメロン著/サンマーク出版)をもとに,効果的な家庭教育について考えます。

新版 ずっとやりたかったことを、やりなさい。

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付き合うと創造的な人生が破壊されてしまうクレイジーメーカーが存在するそうです。クレイジーメーカーとはどんな人物なのでしょうか。

【クレイジーメーカーの特徴】

  • 約束を破り,予定をだいなしにする。
  • 特別扱いを期待する。
  • つねに相手の都合を無視する。
  • あなたの時間とお金を奪う。
  • 非難のプロである。
  • 自分の予定以外の予定を嫌う。
  • 自分がクレイジーメーカーであることを認めない。

子どもにとって「クレイジーメーカー」になっていませんか?

子どもの創造性をことごとく破壊してしまう高圧的な親もクレイジーメーカーであると本書では書かれています。子どもに次のような接し方をしていないでしょうか。

  • 子どもとの約束を破る。
  • 親だから「子どもが~してくれて当たり前」と思う。
  • 子どもの都合を無視して,親の都合を押し付ける。
  • 子どもを責めたり怒ったりすることばかりである。
  • 親が悪いときも非を認めたり,謝ったりしない。

このような接し方をしてしまう場合,子どもは親に従うものだ,親が子どもをコントロールしたいという考えが根底にあるように思います。 子どもが親の言うことを聞いてくれると,短期的に見れば物事がスムーズに進むかもしれません。しかし長期的に見ると,子どもは創造性を発揮できず,自分らしい幸せな人生を歩むことが難しくなってしまいます。日常の家庭教育で子どもをコントロールしない,自分とは別の人格として尊重することをぜひ心がけてみてください。

 

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子どもの創造力を引き出すために,肯定的な声かけをしよう

『ずっとやりたかったことを、やりなさい。』(ジュリア・キャメロン著/サンマーク出版)をもとに,効果的な家庭教育について考えます。

新版 ずっとやりたかったことを、やりなさい。

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親の否定的な声かけが創造性を蝕む

子どもは誰しも創造性を内に秘めているのに,不安を煽るような親の忠告によって,創造性を発揮することを諦めてしまうと本書では書かれています。

〔……〕子どもがなんらかの創作意欲を示したとき、「やってごらん」と挑戦させてくれる親がどれくらいいるだろう。ほとんどの親は、子どもを支えてやるべきときに、警戒心を煽るような忠告をすることのほうが多い。

すると子どもは次第に,次のような否定的な思い込みをするようになります。

<私が創造的なアーティストとして成功できないのは……>

  • 親の反対にあいそうだから。
  • アイデアに乏しいから。
  • お金になりそうにないから。
  • 成功するのが無理だとわかり,落ち込んでしまいそうだから。
  • 自分の中にたった一つしかよい作品をもっていないから。
  • もう遅すぎるから。

創造性を回復するためには,まずこのような否定的な思い込みを打ち消すことが大事です。おびえが強すぎてアーティストになれない人,自己評価が厳しすぎて自分がアーティストになる夢をもっていることを認められない人が多くいると筆者は言います。その思い込みの原因を探ると,親や周囲の大人,ときには友人から投げかけられた否定的な言葉であることが多いそうです。

肯定的な声かけをして,子どもを見守ろう

子どもが創作意欲を示したとき,「そんなつまらないものを作って何になるの?」「お友だちの作品の方がすごく見えるけど?」「こんなものを作るのに2時間もかけたの?時間がもったいない……」など否定的な声かけをしていないでしょうか。

プログラミングやロボットの授業をしていると,保護者の方が悪気なくこのような声かけをされるのを耳にすることがあります。子どもは寂しそうな表情をして,やはり創作意欲も失われてしまいます。

最初はなかなか良い作品が作れなかったり,大人から見るとつまらない作品だったりするかもしれませんが,失敗や試行錯誤を通して作品のレベルも上がっていきます

子どもが創造性を発揮できるよう,「今日はこんな作品を作ったんだね!」「ここが面白いと思うよ!」「もうちょっとこうしたら,もっと面白いんじゃないかな?」と肯定的な声かけをぜひ心がけてみてください。

 

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子どもの創造力を養うために,急かさずに「遊び」を持たせる

『ずっとやりたかったことを、やりなさい。』(ジュリア・キャメロン著/サンマーク出版)をもとに,効果的な家庭教育について考えます。

新版 ずっとやりたかったことを、やりなさい。

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自分の中に眠っている創造性を刺激する方法

本書では,創造性を引き出す方法が多く紹介されています。その中の一つに,リズム運動や規則正しい反復的な行為があります。

  • 野菜の皮をむいたり切ったりすること
  • 縫い物
  • 皿洗い
  • シャワーを浴びる
  • 体をごしごしこすって洗う
  • ひげ剃り
  • 車の運転

このような規則的で反復的な活動によって,論理脳から創造的なアーテイスト脳へと移行することができます。

「シャワーを浴びている最中に、どうして最高のアイデアが浮かぶのだろう?」とアインシュタインは腹立ちまぎれに言ったという。現在の脳研究は、シャワーを浴びることがアーティスト脳の活動を盛んにすることを明らかにしている。

子どもの創造力を刺激するために

教育に当てはめて考えてみましょう。子どもがアイデアを思いつかないとき,急かしたり,親の意見を押し付けたりしていないでしょうか。

私の教室では,生徒さんがなかなかアイデアを出せないとき,1週間~1ヵ月ほど待つようにしています。ロボットやプログラミングの新しい作品アイデアが思い浮かばないとき,作文で書きたい内容が思いつかないとき,一定期間を空けると,ふとアイデアが思い浮かぶことがあります。

「お家に帰ってからも,頭の中でぼんやりと考えてみて。お風呂に入っているときや移動中など,ふとしたときにアイデアが出てくるから」「アイデアが出てくるまで保留にしておこう。アイデアが浮かんだら,また授業でやろう!」と話すようにしています。

「早くアイデアを出さなきゃ!」と焦るのではなく,このように「遊び」を持たせて,アイデアが自身の内側から湧き出てくる体験をすることが大事だと思います。子ども自身でアイデアが出せるまで,親はぜひ気長に見守るようにしましょう。

 

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創造力を養うために,子どもが好きなことをする時間を確保する

『ずっとやりたかったことを、やりなさい。』(ジュリア・キャメロン著/サンマーク出版)をもとに,効果的な家庭教育について考えます。

新版 ずっとやりたかったことを、やりなさい。

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創造性を回復するためのツール「アーティスト・デート」

創造力を回復させるためのツールの1つとして,本書ではアーティスト・デートが紹介されています。アーティスト・デートとは,自身の創造的な心(内なるアーティスト)を育むために確保される,週2時間ほどの時間のことです。

大型雑貨店に行く、ビーチへのひとり旅、ひとりで見る古い映画、水族館やアートギャラリーに足を運ぶ……どれも時間がかかるがお金はかからない。大切なのは時間をかけることなのである。

アーティスト・デートから逃れようとする自身の心の動きや,他人から邪魔されやすいことを見つめ,それらから身を守る術を学ぶことが大事です。なぜなら,創造性を回復するためには,じっくり時間をかけて自分と親しみ,自分を知る必要があるからです。

子どものが自由に好きなことをする時間を確保しよう

教育に当てはめて考えてみましょう。子どもが自由に遊んでいるときに,「そんな時間があったら勉強しなさい」「習い事の練習をもっとしなさい」などと声をかけていないでしょうか。一見,無駄に見える時間でも,子どもなりの探求をしている,思考を深めるきっかけになっていることがあります。

もちろんやるべきことが終わっていないときは,声かけして取り組んでもらうことも必要ですが,それ以外の場合はなるべく子どもが自由に好きなことをする時間を確保しましょう。子どもが一人で自分と対話する時間を設けることによって,創造力がきっと育まれるはずです。

 

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創造力を養うために,子どもの自由な発想を否定しない

『ずっとやりたかったことを、やりなさい。』(ジュリア・キャメロン著/サンマーク出版)をもとに,効果的な家庭教育について考えます。

新版 ずっとやりたかったことを、やりなさい。

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創造性を回復するためのツール「モーニング・ページ」

創造力を回復させるためのツールの1つとして,本書ではモーニング・ページが紹介されています。モーニング・ページとは,三ページほどの手書きの文章であり,意識の流れをありのままにつづったものです。

モーニング・ページはただ手を動かし、心に浮かんでくるものをそのまま書きとめることをめざしている。卑劣なこと、愚かなこと、ばかげたこと、奇妙なこと、どんなことでもかまわない。

「そんな内容は創作と言えるのか?」「句読点すら正確に付けられないじゃないか」「ほら,また字を間違えた」「創造的になれるわけない」など,否定的な自分の心の声を聞き流しながら,手を動かすことが大事だと言います。

子どもの自由な発想を否定しないようにしよう

本書では,人は生まれながらにして,誰しも創造的であると書かれています。それなのに,なぜ創造力が失われてしまうのでしょうか。

原因の一つに,モーニング・ページに取り組む際の心の声のように,子どもの自由な発想を周囲の大人が否定してしまうことが挙げられるかもしれません。

  • 「そんな内容じゃダメだよ。作文って言えないよ。」
  • 「そんなこと,あり得ないよ。」「もっと現実的な話をしなさい。」
  • 「学校の先生に怒られるよ!」「もうちょっと良い内容にできないの。」
  • 「こんなのじゃ提出できないから,書き直しなさい!」「親として恥ずかしいわ。」

 もちろん入試や資格試験など,本当に大事な場面では,このようなアドバイスも必要かもしれませんが,日常生活では,なるべく子どもの自由な発想を受け入れましょう。

授業中,子どもが突飛な発言をしたり,かなり自由な内容の答案を目にしたりすることがありますが,私もなるべく否定せずに,じっくり話を聞くようにしています。

「さっき教室に来る途中でUFOを見た!それでね,色々と考えたんだけど……」と子どもに自由に話をさせるうちに,ロボットやプログラミングの作品アイデアに繋がったこともありました。

一見意味が分からない作文内容についても,子どもに話を聞くうちに,「そういう意味で書いたんだね!」「なるほど,面白いアイデアだね!」とお互いにとって新しい発見があることも多いです。

「またそんなこと言って!」「意味が分からない」「まともな内容を書きなさい」と,子どものアイデアを否定するのではなく,「これはどういうこと?」「へ~そんなことがあったんだ!」「その発想は面白いね!」と,楽しんでコミュニケーションを取ることで,子どもの創造力を引き出しましょう

 

 

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創造性を回復するために痛みを受け入れ,言い訳をやめる

『ずっとやりたかったことを、やりなさい。』(ジュリア・キャメロン著/サンマーク出版)をもとに,効果的な家庭教育について考えます。

新版 ずっとやりたかったことを、やりなさい。

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創造性を回復するには痛みを伴う

本書によると,創造性を発揮して,夢を実現するのは簡単なことではありません。なぜなら,創造性を回復させるために悲しみや痛みを伴うからです。

創造性を回復させるには,次のようなプロセスを経るそうです。

・抵抗感や居心地の悪さ

・爆発的な怒り

・その後に悲しみが続き,抵抗と希望の波が交互に訪れる

・強烈な気持ちの高ぶりと,「こんなことをしていてなんになるのだろう?」という疑いの間を行き来する

・何もかも放り出して,また元の生活に戻りたいという強い衝動が芽生える

このようなプロセスにあるときは,自分自身との取引の時期なので,瞑想をして自分のゆるぎない核を作ること=「創造的な引きこもり」になることを著者は勧めています。

引きこもりのプロセスを通して自分の核を形成すれば、自分自身の限界、夢、本当の目標といったものをもっとはっきりとさせることができる。ころころ変わる他人の気分に振り回されることも少なくなり、より柔軟に生きられるようになる。そのとき私たちは、自立することの真の意味を知る。

自分の創造性を本気で信じて,言い訳をやめよう

「妬み」という感情が,自分の創造性が阻まれているかどうかを知る鍵だと著者は言います。あなたは妬みを感じる相手がいるでしょうか。もし創造性を発揮して夢を叶えられたら,「妬み」という感情に変化があるかもしれません。

自分の創造的な力を本気で信じて,次のようなことをやめましょう。

・「遅すぎる」と自分自身に言う

・お金がたまるまで,自分が本当にしたいことをするのを待つ

・より創造的な人生を求めるたびに,「単なるエゴさ」と自分自身に言い聞かせる

・「夢は取るに足らないものだ。それはしょせん夢でしかない。お前はもっと良識をもつべきだ」と自分自身に言う

・家族や友人に,頭がおかしくなったと思われるのではないかと恐れる

・「創造はぜいたくであり,すでにあるものに感謝すべきだ」と自分自身に言う

教育に当てはめて考えてみましょう。子どもに次のような声掛け・接し方をしていないでしょうか。

  • 親の都合やエゴで,子どものしたいことに取り組ませない
  • 子どもがまだ小さい場合,「早すぎる」「どうせできないよ」と言う
  • 子どもが好きなことの芽を見つけても,「年齢的にもう難しいよ」「勉強の方が大事だから」と取り組ませない
  • 「そんなことをやっても将来お金にならないんだから」「安定した職業に就けるようにしなさい」と,子どもが好きなことを阻止する
  • 学校の先生,親戚,ママ友の目を気にしすぎる

このような声掛け・接し方をしないように気を付けて,子どもが創造性を発揮できるように導きましょう。

 

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「非認知能力」を育むために「好き」を見つけよう

『「非認知能力」の育て方 心の強い幸せな子になる0~10歳の家庭教育』(ボーク重子/小学館)をもとに,効果的な家庭教育について学びます。

 「非認知能力」とは,「テストの結果」や「IQ」などの数値化できる能力ではない,「くじけない心」「想像する力」「コミュニケーション力」「問題解決能力」「やり抜く力」「我慢する力」など「生きる力」のことです。幸せな人生を自ら切り拓いていくにために,「非認知能力」は大きな武器になります。

「非認知能力」を育む入口=「好き」

著者は「非認知能力」を育む入口は「好き」であると述べています。

  • 好きだから自分からやる
  • 好きだから諦めない
  • 好きだからより良い方法を考え出す
  • 好きだから続けられる
  • 好きなことをしているから自己肯定感、自尊心、自信が高まる
  • 自分を大切にできるから他人に対して共感力や協働力を発揮することができる
  • そんな自分だから応援してくれる人が現れる

親がやらせたいことではなく,子どもが本当に好きなこと・やりたいことを見つけることが大切です。

  • 親が希望する進路や習い事を押し付けていないか
  • 無理やり勉強ばかりをやらせていないか

このようなことに気を付けながら,子どもが好きなこと・夢中になれることを見つけるサポートをしましょう。

子どもが好きなこと・夢中になれることを見つける方法については,以下の記事で詳しく紹介しています。

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 子どもが好きなこと・夢中になれることをなかなか見つけられないからといって諦めずに,色々な経験や挑戦をさせることが大事です。勉強で忙しくなる小学校高学年,中学入学前に,好きなことの芽,興味のある方向性を見つけられるといいのかなと思います。時間に余裕のある幼少期のうちに,子どもの好きなこと・夢中になれることを探す取り組みをスタートしましょう。

 

【関連記事】

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子どもの好きなことで食べていくのが難しいとき,親が考えたいこと

『「非認知能力」の育て方 心の強い幸せな子になる0~10歳の家庭教育』(ボーク重子/小学館)をもとに,効果的な家庭教育について学びます。

 子どもに幸せな人生を歩んでもらうために,好きなこと,夢中になれるものを見つけることが大事だということは,以前の記事で述べた通りです。

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好きなことでは食べていけない!?

子どもが「サッカー選手になりたい」「作曲家になりたい」と言うような場合,親は「スポーツや音楽で食べていくのは難しい」「もっと堅実な仕事を選んだ方がいい」と思うかもしれません。

著者も娘がバレリーナを目指しており,「パッション(好きなこと,夢中になれること)を取るか?堅実な仕事を選ぶか?」という問題に直面していたと言います。しかし,「バレエをやめなさい」とは言わなかったそうです。

〔……〕バレリーナという職業だけで食べていくのは非常に困難なことです。ですが我が家では一切、「パッションでは食べていけないのだからやめなさい」とは言いませんでした。その代わり「どうやったらバレエを続けていけるか」を考えることにしたのです。

好きなことを続けるために,教育や勉強が大切

パッションだけで食べていくのが難しいのであれば,そのパッションを支えていける副業があればいいと著者は述べています。副業の選択肢を広げるために,経済的に困窮しないように,高校や大学にむしろきちんと行った方がいいのです。

〔……〕娘も今年大学2年生になりますが、バレエというキャリアを卒業することに決めました。そして高校3年生から温めてきた、政治やファイナンス分野の勉強に本格的に打ち込むことになりました。このパッションの方向転換が可能だったのも、教育というアンカーがあったからだと思います。

好きなことだけで食べていくことを考えるのではなく,好きなことを続けていけるような経済的基盤をどうやって作るかに目を向けることが大切です。

親がマインドチェンジしよう

 子どもの好きなことを「そんなものでは食べていけない」と否定するのではなく,親が考え方を切り替えるようにしましょう。

〔……〕大切なことはパッションを持つということ。生きがいのある人生を生きるということです。

別にそれで食べていくことを考えなくてもいいのです。〔……〕そこで経済的基盤ができないなら、それを可能にする有償の仕事を見つければいい。そんな親側のマインドチェンジはお子さんのパッションをサポートするときに大いに役立つことでしょう。反対にこのマインドチェンジができなければ「いい大学、いい会社」と、いつかどこかでお子さんに押し付けてしまうのではないでしょうか。

子どもが好きなことを続け,生きがいのある人生を歩めるよう,ぜひ親がマインドチェンジしましょう。

 

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