『ユダヤ式Why思考法』から学ぶ自律教育④「『あれもこれも』を止めれば現状は改善する」

何かを得るには,まず捨てることが大切

「あれも」「これも」は手に入らない。失って初めて得るものがある。幸せや成功を手にするには,まずは捨てることが重要であると『ユダヤ式Why思考法』では述べられています。具体例を見ていきましょう。

「あれも」「これも」の教育具体例

  • 全教科一気に成績を上げたいと思い,取り組んだものの,勉強時間が足りず,どの教科も学力が向上しなかった
  • 学校の成績は良くないが,周りの友達と同じように難易度の高い受験対策塾に通っている。塾の宿題に追われ,学校のテスト対策もできず,学力が伸び悩んでいる。英検や漢検も受けているが,学習時間が足りず,不合格を繰り返している
  • 勉強が終わり,子供が休憩しているときに「テレビばっかり見ていないで読書しなさい」「次の勉強に早めに取り掛かりなさい」と親が言う。学習負担が大きすぎてストレスが溜まり,勉強や読書に身が入らない。もちろん結果も付いてこない。

「あれも」「これも」と色々な問題に着手し,成果が出る兆しがないのに同じ取り組みを継続していても,状況は一向に良くなりません。

優先順位を付けて取り組むことが大切

現状を良くするためには,一気に全てを改善しようとするのではなく,優先順位を付けて,一つ一つ着実に問題を解消していく必要があります。先ほどの例について,解決策を考えてみましょう。

  • 教科の優先順位を決める。例えば「英語・数学を次のテストで〇〇点上げる」という目標を掲げ,その教科のみ集中的に取り組む。それが達成できれば,目標得点を上げたり,他教科の学習にも注力するなど(例:「次は理科を〇〇点上げる」),取り組みを増やしていく。
  • 「学校の成績が〇〇点以上取れるようになったら,通塾を再開する」など目標を決め,学校の学習に集中する。目標が達成できれば,塾での学習を再開する。英検・漢検については,十分な対策期間が確保できるよう,受検頻度を減らす(不合格になることが分かっているのに受検するのは,時間・エネルギー・お金の無駄です)。
  • まずは予定されている学習を子供に計画通りにこなしてもらう。休憩も計画通りきちんと挟む。それでも余力がある場合は,学習量や読書の取り組みを増やしたりする。その場合も思い付きで「あれも」「これも」と無秩序に取り組み数を増やすのではなく,予め計画表に組み込んでおき,休憩時間もきちんと確保する

 効率的に問題を解決していくために,期限を決めよ

ユダヤ式Why思考法』では,次のような問題提起がされています。

松下幸之助は「成功するまでやり続ければどんなことでも成功する」といったそうだが,日本人は時間軸を取捨選択に考慮するにしても,時間が長すぎるように思う。

ユダヤ人なら2年で切るところ,日本人であれば20年は我慢する。これでは,「諦めません。成功するまでは」となってしまう。

小さな問題解決をコツコツ積み重ね,大きな現状改善に繋げていくためには,「~までに」という期限を設けることも大切です。目標達成の期限を「次のテストまで」「今月中に」など予め明確にしておくのです。そうすることで,ダラダラと同じ問題に取り組み続ける事態を防ぐことができます。期限内に目標達成できないようであれば,目標が大きすぎる,あるいは対策に問題がある可能性が高いです。

以上をまとめると,次のようになります。

着実に問題解決を行うコツ3つ

(1)取り組む問題に優先順位を付ける=ある取り組みを一時的に捨てる

(2)期限を決めて,特定の問題解決に注力する

(3)期限内に問題が解決できなければ,目標や対策を見直す

(1)~(3)を繰り返し,小さな問題を確実に解決していくことで,現状を改善することができます。ぜひ試してみてください。

 

 

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