「最終日に大慌て」はもう卒業!計画的に子供に宿題をやってもらう方法

8月最後の月曜日,本日より二学期が開始する学校も多いのではないでしょうか。ここ数日「子供 勉強しない」などのキーワード検索によるブログ流入が多く,「お子様の夏休みの宿題がまだ残っていて,焦っている保護者様が多いのかな」と感じました。「次の冬休みに同じことを繰り返してほしくない」との思いから,本記事を書くことにしました。

子供の自律学習を阻む親の言動

親が手伝わないと子供が宿題を終えられないという事態を繰り返している場合,親が次のような言動をとっていることが多いです。

①宿題の全体量を知らない

親が宿題の全体量を把握していないと,子供にどこまで遊ばせて良いか,どの程度勉強させた方が良いか,知ることができません。これが,必要以上に口うるさく(②),あるいは急にガミガミ(③)「勉強しなさい」と子供に言ってしまう事態に繋がります。

②毎日口うるさく「宿題をしなさい」と言う

子供が勉強しないからといって「宿題をしなさい」と言うのは効果がありません。「宿題をしなさい」と言われると,子供はますますやる気がなくなります。親が口を出さなくても,子供自身がやる気を出し,机に自発的に向かえるのが理想的です。

加えて親からはあまり勉強していないように見えても,実は子供なりに学習計画を立てている場合もあります。親が宿題量や学習進捗を知らず,不安になり「宿題をしなさい」と言ってしまう場合も,子供にとって良いことは何もありません。

③途中まで子供の好きなように遊ばせておき,夏休みの後半から急に「宿題をしなさい」と言い始める

「宿題なんて最初にやってしまうのが当たり前」と言う親もいるかもしれませんが,計画的に進められずとことんまで遊んでしまう子供や,後半に宿題を回して一気に片づける子供もいます。これまで自由に遊ぶことを許可していたのに,急に「宿題をやりなさい!」と口うるさく言い始めると,子供は親の態度に一貫性がないことに混乱し,戸惑ってしまいます親子関係に不信感が生まれる可能性があるので注意が必要です

④最終的に子供の宿題を手伝ってあげる

提出日ギリギリなのに,宿題が終わりそうにない......そんなときでも親は子供の宿題を手伝うべきではありません。宿題の出来が悪かったとしても,たとえ提出できなかったとしても,それは子供の責任であり,その失敗を糧に子供自身で学んでいくべきです。失敗を通じて,子供なりに「なぜ今回のような事態になったか」「次に同じ思いをしないためにはどうすれば良いか」を考え,「次から宿題を計画的に進めよう」と心の底から思えるようになります。(失敗から学ぶことができていない,原因分析・対策立案ができていないようであれば,親が声掛けして考えてもらう必要があります。)

親が子供の宿題をいつも手伝ってあげていると,このような成長の機会を奪うことになります。「また最後は手伝ってもらえるかな」と子供は次第に親を当てにするようにさえなり,自律からどんどん遠ざかってしまいます

子供自身で宿題を計画的に進めてもらう方法

計画的・自発的に宿題に取り組んでもらうために,親がすべきことは次の通りです。

(1)宿題の量を把握する

夏休み・冬休みの最初に,親が宿題一覧表を見て,全体量を知っておくことが大切です。おおよその学習時間が予想できるため,上述②・③のような事態=子供のやる気を削ぐ言動をとることを防止できます

(2)子供に計画を立てさせる

全体量から逆算し,一日あたりの学習量を子供自身に割り出してもらいます。より実行可能な計画を立てるために,次の点に注意してください(計画を立てても実行できなければ意味がありません)。

  • 旅行やイベント,習い事などで勉強できない日は学習量を少なめにする/あるいは無しにする
  • 調整が利くよう学習完了日は余裕を持たせておく(=夏休み最終日を学習完了予定日にしない)
  • 自由研究や作文など時間がかかりそうなものは数日に分ける
  • 確実に実行できるように,学習予定の「問題集名」「ページ数」など計画表に具体的に記す(=問題集名のみ・ページ数のみなど,曖昧な記載は後から見ると分からなくなります)

(3)計画が実行されているか確認する

毎日,あるいは2~3日に一度,計画通りに学習が進んでいるか親がチェックします。進捗に遅れがあれば,いつ埋め合わせをするのか子供に決めてもらい,計画表に書き入れます。計画そのものに無理があると判明した場合は,計画全体を練り直し,実行可能なものにするのも効果的です。

(4)必要な部分のみ介入する

 大切なのは(1)~(3)で述べたような「必要な箇所」のみ親がしっかりとサポートし,それ以外は子供を信じて任せるということです。学習が計画通りに進んでいるのにむやみに「勉強しなさい」と言ったり,子供が休憩しているのに「そんな暇があったら宿題を先に進めなさい」と言ったりするのは,子供のやる気を低下させるので逆効果です。

子供が勉強を始めないようなら,「何時に勉強を始めるつもりなのか」のみ質問し,子供を信じてその時刻まで口出しせずに待ちましょう。約束の時刻になっても勉強を始めないようなら,また次の学習開始時刻を決めてもらうようにし,子供に自身の取るべき行動を決定させましょう

以上,子供自身に宿題を計画的に進めてもらうために,親がやるべきことをご紹介しました。今回の夏休みはもう終わってしまいましたが,ぜひ次の冬休みに実行いただき,お子様ご自身で宿題を終わらせ達成感を味わう経験をしてもらえればと思います。

 

 

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