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【問題解決まとめ①】実は原因にアプローチできていない!よくある家庭教育パターン

家庭教育 教育理論 教育者育成 問題解決

これまで問題解決や「なぜ?」と問うことの重要性について,複数の記事で扱ってきました。数が多くなってきたので,一度,関連記事を整理してみたいと思います。

問題解決に関する記事一覧

以下5つの記事を振り返ってみると,家庭教育の問題解決にあたって,親が日常的に「なぜ?」と問い原因を考察する,誰かに対策を求めるのではなく親自身で考えることが特に重要であるように思います(下記1.~5.詳細は飛ばしていただいても大丈夫です)。

1.「親こそ問題解決力が必要」

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 親が子供の「理想」を設定し「現状」を把握する→「現状」を「理想」に近づける接し方・声掛け方法を実践することによってはじめて教育の効果が表れます。逆に「理想」や「現状」が曖昧である,考察が不十分なまま,何となく子供に接しても,現状はなかなか良くなりません。すなわち効果的な家庭教育を行うためには,親自身に問題解決力が必要であることを述べました。

2.「問題がない親こそ問題」

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問題を解決するためには,何といってもまず問題を把握するところから始めなければなりません。しかし「うちの子は頑張っています」「うちは家庭教育に気を付けています」など問題を把握できていない親が多いです。親が教育問題を把握できていない実例及びその原因について述べています。

3.「問題や対策を親が決めつけない」

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「うちの子は出来が悪い」「学習塾に入れなければ」「もっと勉強させなければ」など, 陥りがちな「問題ありき」「対策ありき」の家庭教育について述べています。効果的ではない「問題ありき」「対策ありき」の家庭教育をなぜ行ってしまうのか,その原因にも触れています。

4.「『なぜ』を繰り返すことが家庭教育改善のコツ」

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 効果的な家庭教育を実施するためには,「(成績が悪いのは)勉強しないからだ!」などと目の前の原因に飛びつくのではなく,それが本当に真因かを考察する必要があります。真因を取り除くことができれば,現状は必ず改善します。「なぜ」を繰り返して真因に迫るコツとその重要性について述べた記事です。

5.「教育法の丸暗記は意味がない」

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 「なぜ?」を考えず「どのように?」と問い,対策ばかりを求めることによって陥りやすい事態を紹介しています。「こういう時は子供に~と言えば良いんだ」「こういう方法で接すれば良いんだ」と教育法を丸暗記している親が多いですが,これでは教育の効果を出すことは困難です。親自身が「なぜ?」思考を実施し,対策の裏側にある原因を理解することを通じて,対策の丸暗記から脱し,効果的な教育を行うことができます

思考法の正誤が分からなければ,効果は期待できない

しかし「なぜ?」とご自身で考える努力をしても,考え方や答えが間違っていたら,あまり意味がないかもしれません。また合っているか・間違っているかよく分からない状況が続く,効果があまり見えなければ,思考法に慣れる前に諦めてしまうのは当然のことです。

保護者様セミナーでの議論

保護者様ご自身で家庭教育問題を解決できるようにするため,弊社では問題解決の手法を学び実践いただくワークショップ「自律教育トレーニング」を開催しています。思考法の正誤を判別いただく良い題材になると思いますので,トレーニング中に繰り広げられた議論を一部ご紹介します。

原因と対策を混同している

例として「 おつかいで必要なものを一部買えていなかった」という問題を扱いました。原因分析の際,「メモを取らなかったから」「復唱しなかったから」という意見が挙がりました。しかしこれらは原因ではなく対策ではないか?という議論になりました。「買うべき物が何かを忘れてしまった」「買うべき物が何かを理解できていなかった」等が原因であり,その対策として「メモを取る」「復唱する」という手段があります

対策は様々あり,お子様に合ったものを選んでいく必要があります。ご受講者様から「子供が頭で覚えられるようなら,メモを取らせる必要はないですよね」というご意見をいただきましたが,まさにその通りです。原因を取り除けるならば,どのような対策でも構いません。

大切なことは親が子供に対策を押し付けてしまわないことです。「メモをとっていなかったからでしょ!メモを取りなさい」「次から復唱しなさい」と対策を押し付けてしまうと,子供の原因分析・対策立案の力は向上しません。

原因として不十分である

「 おつかいで必要なものを一部買えていなかった」という問題について,原因分析の際,「他のものを買ってしまったから」という意見が挙がりました。原因として適切かを判別するために,逆にして考えてみましょう。原因→問題の順で考えると,「他のものを買ってしまったから,必要なものを一部買えなかった」となります。これは正しいでしょうか?他のものを買ってしまっても,おつかいで必要なもの全てを購入できる場合もあります。その後「『他のものを買ってしまい,お金がなくなってしまったから』だと原因になりますね」という議論になりました。「他のものを買ってしまったから」だけだと,原因として不十分です。

「ドリルの進捗が遅れている」という問題についても考えてみましょう。例えば「習い事に行っていたから」は原因になりません。原因→問題の順で考えると,「習い事に行っていたから,ドリルの進捗が遅れている」となりますが,習い事に行っていても予定通りにドリルをこなせる場合もあります「習い事に行ってドリルに取り組む時間がなかったから」「習い事に行って疲れてしまったから」等が本当の原因です。

問題解決・原因分析の際に,少しでもこれらの例が参考になれば幸いです。

対策を立てる前に,原因を正確に把握しよう

対策を立てる前段階として,原因を正確に把握していることが必須となります。なぜなら対策は原因を取り除けるものでないと,効果がないからです。したがって焦って対策を立てるのではなく,まずはじっくりと原因を分析することが肝要です。