あなたの家庭教育は大丈夫!?「~しなさい!」という声掛けは子供の思考を奪う

「勉強しなさい!」「読書しなさい!」「早く着替えなさい!」「もう寝なさい!」――「~しなさい!」が癖になっていませんか。今回は「~しなさい!」という声掛けが良くない理由と効果的な接し方についてご紹介します。

「~したら?」「~の方が良いよ」という声掛けも,口調と表現方法が異なるだけで,「~しなさい!」と言う教育法と本質的に同じです。子供にこれらの声掛けをされている方も,ぜひ本記事を参考にしてみてください。

「~しなさい!」という声掛けが効果的でない理由

(1)子供が自発的に「~する」ようにならないから

なぜ「~しなさい!」を言い続けなければならないのでしょうか。答えは簡単。「効果がないから」です。子供が「~しない」のには原因があります。例えば勉強しないのは,勉強が難しすぎて分からず,やっても楽しくないからかもしれません。読書しないのは「読みなさい」と言われた本が嫌いだったのかもしれません。自分で選んでも「そんな本じゃだめ!」と親に否定されるからからかもしれません。

子供が「~しない」原因を明らかにして,その原因を取り除けば,子供は自分から「~する」ようになります「~しなさい!」はその原因をもみ消して,親の意見・やり方を押し付けようとしています。この方法では,いつまでたっても子供は「~する」ようにはなりません。結果,親は「~しなさい!」と子供に言い続けることになります。

(2)たとえ効果があったとしても一時的なものだから

「~しなさい!」という声掛けを続けると,子供は面倒臭くなって,次第に自分の意思表示をしたり,反抗したりしなくなるでしょう。親が言った通りに「勉強する」「読書する」「早く着替える」「寝る」ようになります。親にとっては従順な良い子で,親に言われた通り勉強するので成績も良い優等生になる可能性すらあります

しかしこれはかなり危険なサインで,「親から見て良い状態」「理想的な子供」であることは,どこかのタイミングで必ず終わりを迎えます。目の前の生活や直近のテストばかり見て「~しなさい!」と子供に指示を出す教育を続けていると,子供は長期的に大きな問題を抱えることになります。具体例をみてみましょう。

受験勉強の反動でタガが外れたように遊び,学校を卒業できない

親に言われた通り勉強を続け,子供にとって「受験合格=ゴール」になってしまう,次の目標を自分で見つけられないことが原因でこのような事態が生じます。

就職活動が上手くいかない

無事学校を卒業できたとしても,自分の好きなことややりたいことを考えてこなかったため,やりたい仕事が何か分からない・自分で見つけられない可能性があります。

社会で活躍できない

仕事に就けたとしても上司の指示が無ければ動けない,また自分が本当にやりたい仕事ではないため続かない可能性があります。ニートになる確率も高まります。

(3)自分で考えられない大人になるから

(2)について違う角度から考察してみましょう。なぜ「~しなさい!」と言う教育によって,子供は長期的な問題を抱えることになるのでしょうか。それは「~しなさい!」と親の方法や価値観の押し付けることによって,子供が自分で考え行動する機会が奪われてしまうためです。子供はいつも親の言う通りに行動しているので,自分で失敗して反省したり,何が悪かったか,どうすれば上手くいくかを考える経験ができません。したがって,自分で目標を設定して達成方法を考えることのできない大人,いつも他人からの指示を待つ大人になります。他人のサポートがなければ生きられない,社会で活躍できない大人になってしまうのです。

「~しなさい!」という声掛けが子供の自律を阻むということは,お分かりいただけたと思います。では,どのような声掛け・取り組みが効果的なのでしょうか。

原因分析・対策立案をサポートする声掛けが子供を自律させる

「なぜ~できないの?」「どうやったらできそう?」と子供に意見を求めましょう。親の感情は一旦置いておき冷静に優しく声掛けすること,子供がどのような答えを返してきても怒らないことがポイントです。「怖い!」と思ってしまうと,子供は自分の本音を話すことが出来なくなります。子供の本音を知ることができなければ,「どうすれば良いか」という対策を立てるのが難しくなるためです。客観的なアドバイザーとして子供の意見を聞き考えを引き出す,一緒に対策を立てていくことが重要です。

「なぜ~できないの?」「どうやったらできそう?」という声掛けによって,子供の思考回転がスタートします。最初はなかなか子供自身で考えられないかもしれませんが,繰り返すことで徐々に思考力が鍛えられます。ぜひ今日から「~なさい!」という口癖を止めて,「なぜ~?」「どうやったら~?」という声掛けに変えてみましょう。

 

 

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