通信教育?学習塾?それとも家庭教師!?子供に合った習い事の選び方【前編】

「公文に通っているのですが,このまま続けていて良いでしょうか」「うちの子にはどの塾が合っているでしょうか」など,習い事に関する相談をよく受けます。

習い事選びに悩んでいる保護者様のお力になれればと思い,選び方のコツやありがちな失敗例などをまとめてみることにしました。

今回はまず,習い事を始める・辞める前に注意してほしいことについて説明します。

習い事の「効果」を常に意識する

予め「期待する効果」を明らかにしておく

そもそもなぜその習い事に通うのか,どんな効果を期待するかを明確にしておく必要があります。学校授業の理解を深めたい,受験対策をしたい,テストの得点を上げたい,子供自身で勉強できるようになってほしい......など色々あると思います。期待する効果や目的が明確になっていなければ,習い事を選ぶことができません

レストランを選びを例に考えてみましょう。レストランを選ぶ際も,予め期待する効果や食事の目的を明確にしておいた方が失敗が少ないでしょう。「友達の誕生日を祝いたい。明るく盛大な雰囲気にしたい」「親の快気祝いをしたい。体に優しい料理が出てきて,くつろげる雰囲気が良い」「夫婦で結婚記念日を祝いたい。豪華でドラマチックな演出をしてくれるレストランが良い」など,期待する効果や目的を基準にして,レストランを絞っていけば,外れは少ないはずです。

※どんなレストランがあるか=どんな塾があるか,またそれぞれの特色については次回記事【後編】にてご紹介します。

「期待する効果」を考えないとどうなるか

期待する効果や目的が曖昧であれば,習い事選びを間違えやすくなり,時間・お金・エネルギーが無駄になります。子供のためになっていない習い事を何となく続けたり,逆に子供のために続けた方が良い習い事も辞めてしまったりします。具体例をご紹介しましょう。

【NG例①】塾選びの失敗

例えば,「子供に勉強させないと!」と漠然と考え,近くの集団指導塾に入れたとします。しかし子供は相変わらず家で勉強しません。そこで初めて「この塾を続けていて良いのかしら」と心配に思う親が多いです。

「子供が家で勉強するようになる」という効果を期待していた場合,そもそも「近所の集団指導塾に入れる」という選択は最適だったのでしょうか

その集団指導塾はどのような授業を行っているのか,自宅学習のフォローは行ってくれるのかなど,事前に考えておいた方が良いです。

塾を変わるにしても,集団塾に費やしたお金・時間・エネルギーは無駄になってしまいます。

最初から,塾に期待する効果や通塾目的を明確にし,最適な塾選びを行った方が効率的です。

【NG例②】習い事の取捨選択の失敗

「子供がやりたいと言ったから」「子供が辞めたいと言ったから」という理由だけで,習い事を始めたり,辞めさせたりする親が多いです。これは子供の意思を尊重していると言うより,子供の言いなり状態です。

このような事態になってしまう原因は,親が習い事に期待する効果や目的を考えられていないからです。

先の例で考えてみましょう。集団指導塾に入れても,「子供が家で勉強するようになる」という目的は満たされません。それなのに「子供が行きたいと言ったから」「友達と一緒に通塾したいと言っているから」という理由で通塾させる親が少なくありません。これでは何のために塾に行っているのか分かりません

逆に「子供が家で勉強するようになる」効果が期待できる習い事に通っていたとしましょう。しかし,その習い事は毎日先生のチェックが入り,子供は楽が出来ないとします。そんなとき,たいてい子供は「習い事を辞めたい。だって周りの子は近所の〇〇塾に通ってるし。その方が私も頑張れる」と言います

これを聞いて「子供が嫌だと言っているから辞めさせよう」と決めてしまう親が多いです。しかし,その習い事を続けることで「子供が家で勉強するようになる」効果が得られるのであれば,子供が嫌だと言っても辞めない方が良いです。長期的に見て子供のためになるからです。

習い事に対して期待する効果や目的を明確にしておくこと,それらを基準に習い事を選んでいくことの重要性について,お分かりいただけたでしょうか。

「本当に得たい効果か」今一度考える

期待する効果が,「~な大人になってほしい」という長期的な理想に結びついているかも確認しておきましょう。

例えば「受験対策をしたい」「テストの得点を上げたい」という目的・効果を挙げたとして,受験テクニックを教え込む塾や知識を丸暗記させる塾に通うのはどうでしょうか。長期的に見て子供のためになるでしょうか

受験こそ乗り越えられるかもしれませんが,子供の人生を考えたとき,「社会を生き抜く力」「自分の意志で人生を切り開く力」は身に付きません。

もし「今後社会がどのように変わっても,子供自身で稼いで食べていってほしい」「自力で人生を切り開いてほしい」という将来の理想があるならば,「受験対策をする」「テストの得点を上げる」だけでは不十分です。本質的なものが欠けています。

期待する効果や目的について,本当にそれで良いのか,長期的なゴール・理想に繋がっているのか考えることが大切です。

長期的なゴールを設定する,そこから逆算して習い事の効果を考える方法については,以下の過去記事をご覧ください。

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習い事に通い始めた後は「効果測定」を行う

習い事に通い始めたら,当初考えていた受講目的が満たされているか,期待している効果は得られているか,常にチェックしてください

例えば成績を上げるために塾に行っているのに,いくら通っても成績が上がらないようなら問題です。

【注意!】効果がないことをもみ消さない!

ここで注意すべきは,習い事の効果が見られないときに,それをもみ消してしまわないということです。

例えば,成績を上げることを目的に塾に通っているのに,ずっと成績が上がらないとします。それなのに,「成績は上がっていないけど,親の不安は解消されているからいい」「友達と楽しんで通っているようだから通塾に意味がある」など,当初の目的から目を逸らし,違うメリットを見出そうとする親が多いです。

これでは,当初の理想からどんどん外れて行ってしまい,時間が経つにつれて,現状と理想の差が広がっていきます。いつまで経っても成績が上がらない。志望校もどんどん下げなければならず,将来の選択肢が狭まってしまった。「あれ,こんなはずじゃなかったのに」と気づいたときには,すでに手遅れです。

効果が見られないときは原因分析を行う

とは言え,効果が見られないからと言って,すぐに習い事を変えるべきではありません。なぜ効果が出ないのか,原因を分析しましょう。

もしかすると習い事自体は効果的なのに,子供の性格・行動が原因で成果が出ないのかもしれません。家庭教育に原因がある場合もあります。

弊社事業を例に挙げて説明しましょう。合同会社テラックでは,子供の自律思考を鍛えるトレーニングを行っていますが,同じ授業を受講しても,効果がすぐに表れる生徒さんとなかなか表れない生徒さんがいます。

効果が出る生徒さんと出にくい生徒さんを比較すると,性格や家庭教育に明白な違いがあります。その違いとは,素直に講師の言うことを聞けるか,良くないところは進んで改善していけるかというところです。もともと勉強ができるかどうかはほとんど関係がありません。

『ビリギャル』著者の坪田先生も「成果を上げられるか,物事を吸収していけるかは,子供の性格,特に素直さにかかっている」とお考えのようです。詳細は以下の過去記事をご覧ください。

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成果が表れやすい生徒さんは,講師の言うことを素直に聞き,偏見や拘りなく,何でも取り入れようとします。親子はだいたい似た性質を持っています。そのような生徒さんの親御さんも,同じように講師がアドバイスした通り,家庭教育を改善していくことができます。

一方,成果が表れにくい生徒さんは,上手くいっていないのに自分のやり方に拘り,講師のアドバイスを吸収することができません。親御さんも同じく,「うちは家庭教育に気をつけています」「そのアドバイスはもう実践しました(実際は出来ていない)」など,講師の提案を聞くことができていません。

このような事例を考えると,習い事が子供に合っているか,習い事の良し悪しや取捨選択を検討する以前に,習い事の効果が出ない原因が子供や家庭環境にないか,振り返ってみることも大切であるように思います。

習い事の効果が出ない原因が子供や家庭環境・教育にある場合,習い事を変えても同じことを繰り返すので,結局は成果が出ません

習い事の効果が表れないときでも,すぐに辞めてしまうのではなく,まずはその原因を探りましょう

以上,習い事を始める前や辞める前にやるべきこと,習い事の取捨選択方法についてご紹介しました。

次回は,通信教育や学習塾(個別指導・集団指導),家庭教師それぞれの特徴や注意すべき点についてお伝えします。

 

 

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