読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

『エッセンシャル思考』×教育③「無駄を切り捨てて成果を出す」

家庭教育 教育理論 教育者育成 書評 進路設計

重要なことにエネルギーを集中させ,最高の結果を出すためには,不要な物を切り捨てる必要があります。

「絶対やるべきこと」を決めるのは,エッセンシャル思考の第一歩だ。それができたら,次は「やらなくてもいいこと」をきっぱりと捨てなくてはならない。

重要なことの見極め方については,前回ご紹介しました(詳細は以下の記事をご覧ください)。

blog.terak.jp

今回は,不要なものごとを捨てる技術について,『エッセンシャル思考』をもとにお伝えします。

不要なものごとを捨てる技術

1.目標――最終形を明確にする

まず最初に切り捨てるべきは,やろうとしている意図にそぐわない行動だ。単純なことのようだが,これを実現するためには,自分がどんな目的に向かっているのかをとことん明確に定義しなければならない。

さて,あなたの目的は,本当に明確だろうか。

事業活動を通して,自身の目的を明確にできている保護者様・お子様はとても少ないと感じます。目的をそもそも考えられていない,あるいは途中でブレてしまう,見失ってしまうようです。

目的を明確にできていない典型的なパターンは次の通りです。

他人の目ばかり気にする

「部活をやりたい」と言っている子供。よく話を聞いてみると「皆がやっているから」「部活をやっていないと変な目で見られるから」という理由のようです。「塾に行きたい」というのも,「皆が行っているから」「塾を辞めると笑われるから」という理由です。

親も同様,「周りの子供がやっているから」という理由で,習い事をさせたり,教材を選んだりします。「やっぱり男の子は運動部よね」「受験塾に入れないと」など,「子供をどうしたい」「子供にどうなってほしい」という観点からではなく,周囲の目ばかり気にして,教育方針を決めます。そして「忘れ物をすると恥ずかしいから」「テストで悪い点数を取ると笑われるから」と考え,子供の失敗を防ぎ,過剰に保護します。

学習や教育の目的が明確でない場合,このような事態に陥ります。

何でも屋になる

大学で5つのバラバラな科目を受講しても,卒業単位は満たせない。5つのバラバラな仕事を経験しても,キャリアの積み重ねにはならない。明確な目的がなく,目先の気になることを追いまわしているだけでは,意味のある成果にはつながらないのだ。

部活も,委員会も,勉強も,読書も,習い事も,家族旅行も,友人とのレジャーもーー全てのことを子供が「やりたい」と言ったり,全てのことに対して「やってほしい」と親が要求したりしていないでしょうか。

このような事態に陥るのも,教育や人生の目的を明確にできていない証拠です。

本質目標を決める

著者は,目的を明確にするために「本質目標」を決めよ,と述べています。詳しい定義は本書をご覧いただくとして,大まかに説明すると,本質目標とは,具体的で分かりやすく,かつ達成をどうやって判定するか明確な目標のことです。

例えば「子供の頭を良くする」「子供に道徳心を付ける」などは,本質目標ではありません。「頭が良い」「道徳心」という言葉は具体的でなく,また数値で達成度を測ることができないためです。どうなったら「頭が良い」「道徳心がある」と言えるのかを明確にし,測定可能な形に変更する必要があります。

「テストで結果を出す」「テストに向けて頑張る」というのも,本質目標ではありません。何点になったら「結果が出た」と言えるのか,どうなったら「頑張った」と言えるのか,達成基準が曖昧であるためです。

誰が聞いても同じ捉え方をするような,具体的かつ達成基準が数値化された本質目標を明確にしておくことで,本質から外れたものごとを切り捨てられるようになります。

2.拒否――断固として上手に断る

他人からのプレッシャーに負けず,きっぱりと上手に断るのは,エッセンシャル思考の必須スキルである。と同時に,もっとも難しいスキルである。

断るためには,勇気が必要だ。切り捨てる勇気がなければ,「より少なく」という言葉は空疎なお題目になってしまう。「重要なことだけに集中しろ」と言うのはたやすいが,それを本当に実践している人は多くない。

 友人の紹介で始めた習い事。辞めたいと思っているが,友人の顔を潰すことになるので言い出せない。ずっとお世話になっている塾。先生とも仲良しなので,「辞めたい」というのは気が引ける。このように,断りたくても断れないことはないでしょうか。しかし,これは非エッセンシャル思考の生き方です。

エッセンシャル思考の人は,きっぱりと上手にノート言い,本当に重要なことしか引き受けません。ではどうすれば,上手に断ることができるのでしょうか。

トレードオフに目を向ける

ここでイエスと言ったら,自分は何を失うのだろうか。そのトレードオフに目を向ければ,中途半端なイエスは言えなくなる。どんな判断をするときも,機会コストを忘れてはならない。「もしこれを選んだら,別のもっと価値あることができなくなる」ということだ。

周りの人の目を気にして,辞められない習い事。このまま続ければ,親子は何を失うでしょうか。お金,時間,エネルギーを失います。人生を無駄遣いしているとも言えるでしょう。その習い事にかけているお金,時間,エネルギーを本当に重要なことに注げば,心から望む成果を得られる確率が高まります。

他の断り方も本書で紹介されているので,ぜひご覧ください。周囲の期待とプレッシャーに負けてイエスと言うのではなく,きっぱりと上手にノート言うことで,本当に重要なことにエネルギーを注ぎましょう

3.キャンセル――過去の損失を切り捨てる

自分の生活を振り返ってみても,いざ手放すとなると価値が高く感じられるものがあるのではないだろうか。たとえば,何年も読んでいない本。箱に入ったままの食器。誰かにもらって一度も袖を通していない服。

何の役に立つだけでもないのに,所有しているという理由だけで,失うのがもったいないと感じる。まだ持っていないとしたら,わざわざ買わないはずなのに。

 小さいときから続けている習い事。効果は感じられないのに,なぜか,なかなか辞められないということはありませんか。

どうすれば上手に過去の選択を手放せるのでしょうか。

第3者に意見を聞いてみる

自分に合わないことにとらわれているときは,他人の冷静な意見を聞いてみたほうがいい。

本テクニックに関しては,どれくらい効果があるのか,個人的に疑問に感じます。テラックでは,保護者様・お子様に教育に関する様々なアドバイスを行いますが,過去の選択に執着している場合,聞く耳を持っていただくことが難しいです。アドバイスをしても,「言っていることは分かる。でも理解したくない」というように,過去の選択を手放すことが難しいようです。

「もったいない」を克服する

無駄は悪だという考え方が染みついているから,すでに使ったお金や時間を捨てることができないのだ。

これまでその習い事に使ってきたお金や時間を考えると,今さら辞めるなんて「もったいない」と感じ,受け入れられないかもしれません。

だがその気持ちに流されると,すでに支払った無駄だけでなく,さらなる無駄を生むことになる。

無駄を最小限に食い止めるために,捨てるべき過去の選択が見つかったら,すぐに行動を起こすようにしましょう。

これをやめたら損をする?

たいていの人は,損をするのが大嫌いだ。いつでも得をしたいと思っている。だから「これをやめたら,何か大きなものを逃すのではないか?」という不安で,どうでもいいことをやりつづけてしまう。

著者は,その活動を一度やめてみて,不都合がないか様子を見ることを推奨しています。

ずっと通っていた塾。勇気を出して,いざ休塾してみたら,何も困ることは生じなかった。成績が下がるどころか,時間に余裕が出て,一つ一つの学習に丁寧に取り組めるようになり,むしろ成績が上がったという事態も起こり得ます。

ぜひ,過去の損失を切り捨て,本当に重要なことにエネルギーを注ぎましょう

以上,不要なものごとを捨てる技術についてお伝えしました。ぜひ試してみてください。

 

関連記事リンク一覧

blog.terak.jp

blog.terak.jp

blog.terak.jp