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『ほめると子どもはダメになる』から学ぶ教育③「ほめても自己肯定感は育たない」

家庭教育 教育理論 教育者育成 書評

以前記事にした通り,「ほめて育てる」という教育は,傷つきやすい,忍耐強く頑張ることができない大人を生み出してしまいます。

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 それなのに,なぜ「ほめて育てる」思想が広まったのでしょうか。それは「ほめて育てることで自己肯定感を高めることが必要だ」という声が大きかったためである,と『ほめると子どもはダメになる』著者は述べています。

本当にほめることで自己肯定感が育つのでしょうか。

ほめることで自己肯定感は育つのか

ほめ方によっては逆効果になる

ほめさえすれば,子供の自信が高まり,やる気が出てくるというのは間違った考えです。ほめ方によっては子供に悪影響を及ぼすことが実験結果で示されています。

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『ほめると子どもはダメになる』では,以下のような「効果的ではないほめ方」が紹介されています。

自己肯定感・モチベーションを低下させるほめ方

(1)易しい課題ができたときにほめる

(2)明確な根拠なしにほめる

(3)過度に一般化しすぎたほめ方をする

→パズルなどの問題が解けただけなのに「あなたは本当に素晴らしい」などと人物全体を評価するなど。

(4)コントロールするようなほめ方をする

→報酬を与えるなど,成果や努力を評価してほしくて頑張る,ほめてほしくて頑張るという場合。取り組み姿勢が相手にコントロールされている状態。

(5)「頭の良さ=能力」をほめる

→能力の高さに対する期待を裏切りたくないという思いから,守りの姿勢に入り,チャレンジしにくくなる。

「いつ」「どのように」ほめるべきか

 (1)~(5)の逆を心掛ければ,効果的なほめ方となります。すなわち,難しい課題ができたとき,明確な根拠があるとき(テストの得点が上がったなど),努力をしたときにほめる,頑張りや具体的に良かった点をほめるのが良いです。

ほめられることで得られる自信は弱く脆い

無理に子供をほめる必要はない

自信を付けてほしい,自己肯定感を高めてほしいからと言って,無理に子供をほめる必要はありません。結局,ほめられて付く自信というのは外部から与えられたものなので,弱く揺らぎやすいものです。しかも,ほめられることが当たり前になると,ほめられなければ頑張れない性格になってしまいます。

著者は次のように述べています。

〔......〕確かな自信,ほんものの自信とは,自分の必死の努力が実を結ぶことにより,自己効力感(自分はやればうまくできるという感覚)がしだいに高まってきて,永続的な自信になるということだろう。〔......〕

そうした努力なしに,ただほめられることでエネルギーを充填してもらうだけでは,すぐにエネルギーが枯渇するため,たえず賞賛を求めることになる。それはほんとうの自信につながらないほめ方をされていることになる。〔......〕

子供の自己肯定感を高めるために大切なこと

自信や自己肯定感を高めるためには,結局,子供自身が努力したり,目標達成したりすることが必須となります。その際,親子間の「基本的信頼感」が非常に重要になってきます。ほめることが大切ではないのです。「基本的信頼感」については,次回記事にしたいと思います。

「基本的信頼感」という用語は使用していないものの,以前作成したnote記事と考え方がほぼ同じなので,以下ご紹介しておきます。

note.mu

 

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