目的のある成功した人生を送る指針となる「7つの習慣」。ティーンと保護者向けに書かれた『7つの習慣 ティーンズ』をもとに,自分の意志で人生を切り拓ける,社会で活躍できる子供の育て方について考えます。
今回のテーマは,第7の習慣「自分を磨く」です。
リラックスすることが大切
より良い人生を送るために,生活の基本である四つの側面――肉体,知性,感情,精神――をバランス良く鍛えることが重要です。そのためには,自身をよみがえらせるためのリラックスの時間が必要です。『7つの習慣 ティーンズ』では次のような例え話が紹介されています。
あなたが森の中を歩いていたら、一人の男が必死になって、のこぎりで木を切ろうとしているのを見かけたとします。
「何をしているんですか?」とあなたは質問します。
「木を切り倒そうと思ってね」と男はぶっきらぼうに答えます。
「いつからやっているんですか?」
「四時間前から。でも順調にはかどっているよ」と男は言い、額の汗を拭います。
「のこぎりの刃がボロボロみたい。休憩して、研いだらどうですか?」とあなた。
「バカを言うんじゃない。切るのに忙しくて時間がない」
家庭教育について考えてみましょう。リラックス・リフレッシュのための時間を子供に与えていますか。次のような生活を送っていないか,チェックしてみてください。
- 日々,習い事に追われている
- 自由時間が少ない
- 「遊んでいる時間があったら勉強しなさい」と言う
- 勉強させていないと親が不安になる
リラックス・リフレッシュの時間が足りないと,効率が落ちてしまったり,肉体,知性,感情,精神をバランス良く鍛えることができないため,長期的に見て子供のためになりません。「何かをしていないと不安」という気持ちは捨て,「本当に大切なことは何か」「効果を最大限に出すにはどうすれば良いか」と考えるようにしましょう。
知性の磨き方はたくさんある
事業活動を通じて,「知性を磨く」という部分ばかりに着目し,他が疎かになっているご家庭が多いと感じます。また,「知性の磨き方」についても偏りが見られます。「塾に入れる」「先取り学習をさせる」「英会話を習わせる」というご家庭が多いですが,他にも様々な「知性の磨き方」があります。『7つの習慣 ティーンズ』では次のような方法が紹介されています。
- 旅行する
- 野生動物を観察する
- 地元の大学の講義を聴講する
- ドキュメンタリーを見る
- 図書館に行く
- ニュースを読む/聞く
- 物語、詩、歌を書く
- クロスワードパズルや数独など、一人でする難しいゲームに挑戦する
- ディベートをする
- 自分より上の相手とチェスや囲碁、将棋をする
- 美術館に行く
- バレエ、オペラ、演劇を鑑賞する
- 楽器を習う
- 一人または友だちと一緒に、自分が興味があることについて、ブログを始める
「こんなの勉強じゃない」と思う保護者様もいらっしゃるかもしれません。しかし,どの活動も,とても頭を使うものです。与えられたドリルを先々こなすよりも,先生から「こうやって解きなさい」と指示されるよりも,子供自身で「どうすればいいかな?」「あれはどうなっているんだろう?調べてみよう」と考えるようになります。このような主体的に考える力は,学習面ではもちろん,社会に出てからも役立ちます。(受動的な姿勢では,いずれ頭打ちを迎えてしまいます。)
成績はたしかに重要です。なぜなら将来の職業や教育の選択肢が広がるからです。でも勉強には、成績よりも大切なものがあります。[……]真に知識を身につけることのほうがもっと大切です。ですから、自分がなんのために学校に行っているのか常に意識するのが大事です。
学校は,将来社会で役立つ力を身につけるために行くところです。「良い学校に行くこと」「良い成績を取ること」「教科の勉強をすること」自体が目的になると,リラックスの時間やバランス良い心身の鍛錬,主体的な学びが疎かになってしまうので注意しましょう。
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