長年,数多くの生徒さんを指導してきて,伸びない子には共通点があると感じています。
今回は伸びない子の言動・考え方を5つ紹介したいと思います。お子様に当てはまっていないか,ぜひチェックしてみてください。
<伸びない子の言動・考え方>
① 他責思考
伸びない子は,他責思考です。
- 「何であの子はあんなにできるの!ずるい!」「自分は頭が悪いからできないんだ」と才能のせいにする
- 「家では兄弟がうるさいから勉強できない」「自習室は友達に会うから嫌だ」「図書館は閉まるのが早いから行きたくない」などと環境のせいにする
- 「先生の教え方がわかりにくいから」「学校の先生が自分に合わないから」と他人のせいにする
才能や環境,他人のせいにしているだけでは,現状は変わりません。
才能,環境,他人に原因の一部があるにしても,「では自分はどうすればいいかな?」「どう行動すれば理想に近づくかな?」「他の解決策はないかな?」と自分でできることを考える必要があります。
このような自責思考ができる子は伸びます。
② ネガティブ思考
「自分はできないんだ」「やってもどうせわからない」「無理だ」などとネガティブな考え・発言が癖になっている子がいます。
このような考え・発言は聞き手をうんざりさせますが,それ以上に発言している自分にとって悪影響です。ネガティブな発言を自分の耳で聞き,頭の中に強くインプットして,さらにネガティブな思考に陥るためです。
「ほら,やっぱりできない!」「また間違えた!どうせ無理なんだ」とちょっとした失敗にも意識を向け,悲観的になると,知識・考え方の吸収率が大きく下がります。
③ 考えが甘い,失敗から学ばない
少し勉強したら,自分が望む成果が得られると思っている子がいます。
「1週間前から定期テストの勉強をやれば間に合うよね」
「前日に少し小テストの勉強をすれば,合格点を取れるよね」
本当にこれで成果が出る子もごく少数いますが,9割の生徒さんはこんなに上手く行きません。
そして,定期テストで何度悪い点数を取っても,小テストで何度不合格になっても,そこから学ばない子が多いです。
上手く行かないとき,「なぜ上手く行かなかったかな?」「どうすれば次から上手く行くかな?」と原因を分析して対策を立てることが大切です。伸びる子には,このような問題解決力があります。
④ 行動しない
伸びない子は「先生,どうすればいいですか?」と聞いてくる割に,アドバイスを実践しません。アドバイスを聞くだけで,実行に移さなければ現実は何も変わりません。
「勉強ができるようになりたいな~」と言いながらも,勉強しない子がいますが,これまでと同じやり方・勉強量で成果が出るはずがありません。
伸びる子はまず自分で考えて勉強します。そして,「こうやってみたんですけど,どうでしょうか?」「こっちのやり方のほうが良いでしょうか?」などと具体的に質問し,そこで得られたアドバイスをすぐに実行に移します。
「この前教えてもらったことを試してみました!」「こうアレンジしようと思うのですが,どうでしょうか?」というように,どんどん行動してくので,成長スピードが非常に速いです。
⑤ すぐ投げ出す
伸びない子は何かにつけて,勉強をすぐに投げ出します。
- 数週間や数か月で思うような成果が出ないとき
- テストで悪い成績を取ったとき→落ち込んで勉強しなくなる
- テストで良い成績を取ったとき→油断して勉強しなくなる
- 数か月経って勉強に飽きてきたとき
勉強は1年,2年,3年......と,継続してコツコツ取り組むことが何より大切です。数週間や数か月で思うような成績が取れることは稀です。
テストで良い成績であれば油断して勉強しなくなり,悪い成績であれば落ち込んで勉強しなくなる子がいますが,このようにテストの結果で一喜一憂して勉強しない期間があると,数か月のブランクが生じるので当然伸びません。コツコツ勉強している子に追い抜かれてしまいます。
家庭教育でできること
伸びるかどうかは,勉強内容・やり方以前に,子どもの考え方が鍵であることがおわかりいただけたと思います。
タイミングを見て,保護者の方からお子様にぜひ次のような話をしてみてください。
① 他責思考の子には......
「自分でできることはないかな?」
「確かにそうかもしれないけど,環境や他人のせいにしても何も変わらないよ」
「自分でできることを考えよう」
② ネガティブ思考の子には......
「『無理だ』『どうせわからない』が口癖になってるよ」
「そういう言葉を発して,自分の耳で聞くと,脳がますます『無理だ』『どうせわからない』と思ってしまうから,ネガティブな発言は意識的にやめるようにしよう」
③ 考えが甘い,失敗から学ばない子には......
「今回,なぜ思うような結果が出なかったかな?」
「失敗から学んで,次に生かすことが大事だよ」
「もっと前もって取り組めば,良い結果になったんじゃないかな?」
「次は3週間前から取り組み,苦手なところは解き直しもしよう」
④ 行動しない子には......
「行動しないと現状は変わらないよ」
「勉強ができるようになりたかったら,勉強するしかないよ」
「自分が今,何に時間を費やすか・どう行動するかで,自分の将来が変わるんだよ」
⑤すぐに投げ出す子には......
「数週間や数か月で諦めずに,何年もコツコツ取り組むことが大事だよ」
「スポーツでも音楽でもモノ作りでも同じだよ」
「一時の結果に一喜一憂せず,大きな目標(入試など)に向かって,今できる限りのことをしよう」
「自分の感情に振り回されず,自己コントロールができるようになるといいね」
このような考え方は,勉強面に限らず,きっと社会に出てからも役立つはずです。
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