ビリギャル母から学ぶ家庭教育⑤「思い込みを捨てる」

さやかちゃん(ビリギャル)は幼い頃,どうにもならないことですぐ落ち込んだり,いじけたりする,友達のできない引っ込み思案な子だったそうです。しかし成長するにつれて,好奇心旺盛で友達の多い,明るい性格になっていきました。その原因は,ああちゃん(ビリギャル母)の家庭教育にありました。

ああちゃんは最初,「さやかちゃんを幸せにしたい」という思いから,世の育児書を読みあさり,模範的とされている子育てを必死に実践していました。さやかちゃんの一日のタイムスケジュールを細かく立てては,体に良いことだけをさせ,体に良いものだけを与えました。しかし,それがさやかちゃんを病気がちの,神経質で弱々しい子どもにしていることに気づきました。

また「厳しさこそが,何よりの子どもへの愛情なのだ」とああちゃんは思いこみ,さやかちゃんに接していました。その結果,さやかちゃんが親の都合に合わせてくれる「良い子」になりつつあり,消極的で弱々しく,傷つきやすい子に育っていることに気づいたのです。

過保護・過干渉や厳しすぎることの弊害を身を持って理解したああちゃんは,それらを一切行わないようにしました。すると,ああちゃんの様子に少しずつ良い変化が見られ始めたのです。

子供の態度・様子から失敗に気づく

ああちゃんのように「なんだか元気がないな」と子供の異変に気づけるか,それとも「親の言うことを聞く,おとなしい良い子になってきた」と親にとって都合良く解釈するかで,家庭教育を改善できるか否かが決まります。

教育のゴールを明確にしておくことで,失敗に気づくことができる

教育の失敗に気づくためには,子供にどのような大人になってほしいかという問いへの答えを,予め明確にしておく必要があります(関連記事は以下リンクをご覧ください)。

blog.terak.jp

blog.terak.jp

ゴールが決まっていなければ,現状がゴールへ至る軌道上にあるのか,それとも軌道から外れているか判別できないためです。

例えば教育のゴールが,自分の好きなことを仕事にしている大人/自分で人生を切り開ける大人/困難にもめげず理想の自己を実現できる大人だとすると,親の顔色を見て行動する,自分の意見を言わない消極的な性格は理想的でしょうか。そのような性格では,上司の顔色を見て,指示を仰ぐ大人になってしまうのではないでしょうか。

子供をどのような大人にしたいのか,教育のゴールを明確にし,そこから子供の様子が外れていないか日々振り返ることが,家庭教育の失敗に気づくコツです。

失敗から学び,潔く切り替える

ああちゃんは自身について次のように述べています(参考:ビリギャル母(ああちゃん)の著書『ダメ親と呼ばれても学年ビリ3人の子を信じてどん底家族を再生させた母の話』)

まったくいつも、子どもの態度や様子から、自分の失敗に気づいていくことばかりのダメな母親でした。ただ、失敗から学び、切り替えることには潔い母親だったと思います。

過保護・過干渉や厳しく接し過ぎることが子供に悪影響を及ぼしていると気づいたああちゃんは,すぐにそれらを行わないようにしました。しかし,このような切り替えは本当に難しいことです。

思い込みを捨てる

「子供が理想的な方向に育っていない」と感じながらも,「でもやっぱり親は~すべき」「子供はこういうもの」など自身の思い込みで問題を放置してしまう親が多いです。学校や習い事の先生からのアドバイス,知り合いの家庭での取り組みなど,家庭教育を見直すきっかけを他人から得ることもあるはずです。しかし,思い込みを捨てることができない親の場合,与えられたきっかけを上手く生かして家庭教育を改善することができません。

アドバイスを素直に聞き入れ,まずはやってみる

 思い込みが強い親の場合,「うちの子は~だから」「先生はそうかもしれないけど……」とまず言い訳をし,アドバイスを試してみようともしないことが多いです。しかし,先生が子供の状況や問題点をよく把握していて,問題解決が期待できる対策を提案しているなら,一度実践してみた方がよいのではないでしょうか。実践してみて上手くいかない/効果が出ない場合時は,先生に相談すれば良いのです。

いくら提案しても実践してもらえないのなら,先生も「アドバイスしても意味ないな」とやる気が低下してしまう可能性があります。

逆にアドバイスを喜んで実践してくれる,(たとえ悪い経過であっても)経過を報告してくれる親に対しては,先生も「これからも色々提案しよう!」という気持ちになるものです。そうすれば,親はより良いアドバイスを得ることができるため,子供の状況が改善するスピードも速まるのです。

 これまでの思い込みを捨てれば,子供は変えられる

子供の現状は,これまで実践されてきた家庭教育により形作られています。子供の現状が理想とかけ離れている場合は,これまでの家庭教育に少なからず問題があります。そして,これまでの家庭教育を継続している限り,子供が変わる見込みはありません。子供を変えるには,家庭教育を変える必要があるのです。

「子供が理想的な方向に向かっていない」「子供を変えたい」と思うのであれば,まずは親が思い込みを捨てる必要があります。そして他人のアドバイスを素直に聞き入れ,まずは実践してみることが重要です。これまでの思い込みを捨てて,家庭教育を改善すれば,子供の状況は良くなるはずです。

 

 

 関連記事リンク一覧

blog.terak.jp

blog.terak.jp

blog.terak.jp