『カエルを食べてしまえ!』×教育③「教育の成果を上げるために親が長期的な視野を養う」

子供の視野が短期的であることは仕方がない

子供が遊んでばかりで勉強しない,ゲームばかりしてガミガミ言わないと宿題をしないという悩みをお持ちの保護者様は多いです。その原因として,子供が目先の楽しみに飛びついてしまう,物事を長期的に見られていないことが挙げられます。

子供が長期的な視野を持つことが難しいのは自明です。そこで周りの大人が声掛けをして,「何のために勉強をしているか」「将来のどのような夢や目標に繋がっているか」「遊んでばかりいるとどうなるか」を子供に理解してもらう・思い出してもらう必要があります。このように考えさせるきっかけを与えることで,子供は広い視野から物事を捉えられるようになってきます。

しかし,ここで一つ問題があります。大人でも長期的視野が欠けている人が多いということです。

長期的視野を持たなければ成果を上げることは難しい

成功する人は,はっきりした未来像を持っている。五年,一〇年,二〇年先のことを考えているのだ。そして,現在の選択や行動を吟味し,自分の望む未来像につながるようにする。〔......〕

未来像がはっきりすればするほど,いまやるべきことがいっそうはっきりする。長期的な見方をすれば,いまやっていることが重要かどうかわかるし,本当にめざすものにつながるようにすることもできる。

 例えば,次のような保護者様をよく見かけます。

  • 子供を受験に合格させることに必死になっている。そのために親が学習をチェックしたり,付きっきりで指導している。あるいは詰め込み式学習塾に通わせている
  • 子供の学習を計画通りに終わらせることに躍起になっている
  • 夜遅くまで子供が勉強をするのは大歓迎である。頑張っていて偉いと褒める

見方によっては,これらの行動・考え方は非常に視野が狭いです。次のような視点が欠落しています。

  • 受験に合格したその先はどうか。子供自身で学習を進めたり,人生を切り拓いたりできるか
  • 計画通りに学習を終わらせた先に何が待っているのか。成績の良い・悪いは一時的なものでしかない。親が関与して学習を終わらせる日々を続けた場合,子供は将来どうなるのだろうか
  • 一時的には勉強が進むかもしれない。しかし,翌日はどうだろうか。学校の授業や自宅学習で眠くなってしまうかもしれない。一週間,一ヶ月,一年で見ると,理解度や学習進捗はどうなるだろうか

長期的視野を持つには,まず将来の理想やゴールを設定すること

長期的な物の見方をするために重要なことは,理想やゴールの明確化です。上記の例で言うと,「受験合格」「学習を計画通り終わらせる」「勉強を一日で多く進める」こと自体が理想やゴールであるならば,何ら問題はありません。しかし,「子供自身で学習できるようになる」「将来,自身で人生を切り開ける」ことを理想やゴールにした場合,先に述べたような疑問が上がります。

生産性を最高にするためにも,理想やゴールの設定が不可欠

『カエルを食べてしまえ』では,生産性を最高にするための問いとして,次の三つが挙げられています。

「私にとって最も重要な仕事は何か?」

「私にしかできないことで,本当に重要なのは何か?」

「いま私の時間を何に使うのが最も有意義だろう?」

これらを自問したところで,理想やゴールの設定ができていなければ,全く意味のない答えが出てきます「受験合格のために親が出来ることを何でもやってあげる」「家で付きっきりで学習を管理してあげる」「夜遅くまで学習できる環境付くるをしてあげる」という答えが思い浮かんだとしましょう。しかし,もし「子供自身で学習できるようになる」「将来,自身で人生を切り開ける」ことが理想であるならば,そのような選択・行動がもたらす生産性ゼロということになってしまいます。

 理想・ゴールを設定する→そこから逆算して選択・行動を吟味することが,長期的な視野を持って考えられているということです。長期的な視野を持って家庭教育法を割り出すことで,初めて成果が期待できます。そうでなければ,未来は何気ない現状の延長線上にしかなく,思い描いている理想を実現できる可能性は低くなります。

子供の短期的視野を責めるのではなく,まず親自身が長期的視野を持つことができているか,一度考えていただきたいと思います。

 

 

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