現在の入試システムは「悪」なのか?大学入試改革を前に考えておきたいこと

暗記重視教育の改革が叫ばれ,センター入試が廃止されようとしています。それに伴い,以前にも増して「現行の入試システムや教育制度は『悪』だ!」「勉強なんて一所懸命にやっても意味がない」という声が聞かれるようになりました。本当にそうなのか,一度考えてみたいと思います。

テストで良い点数を取ること自体に意味はない

テストで良い点数を取ること,良い学校に入ること自体が目的化している場合,勉強は子供にとってあまり価値のないものとなります。具体的には次のような方法で勉強をしている場合です。

  • 詰め込み式受験指導塾に通い詰める
  • 親が付きっきりで勉強を教える
  • 親が学習方法を押し付ける
  • 「勉強しなさい」と言って無理やり勉強させる
  • テレビやゲームなどの娯楽を禁止する

これらの方法で勉強することは,なぜ価値が低いのでしょうか。子供自身で目標を設定し達成する力が身に付かないためです。周りが干渉して勉強させ,テストで高得点を取り,良い学校に入ったとしても,社会に出たとき行き詰まります。「勉強だけできる人」,すなわち社会に出て活躍できない大人になってしまいます。

勉強すること自体に価値はない。勉強から何を学ぶかが大切

このように,勉強すること自体に大きな価値はありません。勉強を通じて,子供自身で「目標を設定し達成する力」,すなわち「社会を生き抜く力」を身に付けられるかどうかが大切なのです。

そのためには,上述のように周囲が干渉するのではなく,子供自身で試行錯誤しながら,自発的に勉強してもらうことが重要になります。親は成績に一喜一憂することなく,子供に学習を任せる心構えが必要です。干渉してテストで良い点数を取らせる・良い学校に入れるよりも,失敗を重ねながら子供自身に学ばせた方が,将来的に子供のためになるはずです。

新大学入試の意味

新大学入試においては,暗記知識よりも記述力や判断力・表現力などが問われ,従来の受験勉強では太刀打ちできないと予想されます。本改革により,親の過干渉・詰め込み式学習が減り,子供の「目標を設定し達成する力」「社会を生き抜く力」を養う環境が整備されることを期待します。

現在の入試システム自体は「悪」ではない

話を最初に戻しましょう。「現行の入試システムや教育制度は『悪』だ!」という意見について,システム自体が悪いのではなく,学習・教育のやり方に問題があると言えます。良い成績を取る・良い学校に入ることが目的化してしまい,子供の「社会を生き抜く力を高める」という本来の教育目的を見失ってしまったことが大きな原因です。一人でも多くの親が教育の目的を思い出し,子供を取り巻く教育環境を変えていくことが大切です。

「勉強なんて一所懸命にやっても意味がない」という意見について,目標設定・達成の力を高めることができれば,勉強することには価値があります。ただ,周囲が干渉して勉強させるなど,やり方によっては,勉強が単なる暗記・詰め込み作業に止まってしまうこともあります。この場合は,勉強という行為が無意味になってしまいますので,注意が必要です。

※各教科を学ぶ意味については,以下の記事をご覧ください。

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国の入試システム・教育制度に振り回されることなく,親自身が目的意識を持って,子供に最適な教育を実施できるのが理想的です。

 

 

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