変化が大きいこれからの社会では,与えられた課題がこなせるだけ,単純に勉強ができるだけでは,食べていくことができません。したがって子供が多くの時間を過ごす家庭で,思考力や主体性を高める教育を実施していくことが大切です。効果的な家庭教育・学習について,『アクティブ・ラーニングが絶対成功する!小・中学校の家庭教育アイデアブック』をもとに考察を深めます。

アクティブ・ラーニングが絶対成功する! 小・中学校の家庭学習アイデアブック
- 作者: 田中博之
- 出版社/メーカー: 明治図書出版
- 発売日: 2017/01/20
- メディア: 単行本
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アクティブ・ラーニングとは
本書のタイトルにもなっている「アクティブ・ラーニング」とは何でしょうか。アクティブ・ラーニングとは,「課題の発見・解決に向けた主体的・協働的な学び」であるとされています。これからどの学校でも,このようなアクティブ・ラーニングが求められてくると著者は述べています。それは,社会が変化し,「主体的に問を立てて,他者と協働しながら解決していく力」が必要とされるためです。
〔……〕これからの社会では,「予測できない未来」が到来するため,受け身でその流れに対応するのではなく,「主体的に問いを立てて,他者と協働しながら解決していく力」を育てることが,学校教育のねらいであるということになる。
家庭で子供の主体性を育てる
学校教育でいくらアクティブ・ラーニングを実施しても,家庭での過ごし方によっては効果が期待できません。
〔……〕家庭教育にはまだ改善の余地があるといえる。「宿題には取り組んでも,『自ら学ぶ家庭教育』はしない」という子どもが多数である現状を変えなくてはならない。
学校や塾の宿題を受動的にやっている,塾に行って言われた通り勉強している,親や先生から言われた通りに課題をこなしているだけでは,「主体的に問いを立てて問題を発見・解決する力」は身につきません。
将来社会で活躍できる大人に育てるためには,子供自身で調べる・考えるという姿勢を養うことが大切です。そのためには,なるべく小さなうちから,子供の好きなこと・興味のあることに取り組ませましょう。「もっと知りたい!」「こうしたらどうなるんだろう?」と楽しみながら主体性や思考力を引き出すことができます。
弊社ではプログラミング・ロボットづくりを通して,子供の主体性・思考力を養う授業を実施しています。
家庭で子供の自己マネジメント力を鍛える
加えて,宿題への取り組み方・日々の過ごし方を変えるだけで,家庭で子供の自己マネジメント力を鍛えることができます。
自己マネジメント力とは,「子どもが自分の学習と生活の実態を自覚して,目標を設定したり,進捗状況を記録したりして,自己学習を改善していく力」である。〔……〕自分で学習計画を作成・実行し,振り返ったり,学習姿勢や生活態度などの自己点検を繰り返したりすることで,少しずつ自分をマネジメントして成長していく力が育つ。こうした力は生涯にわたる宝になる。つまり,家庭教育の自己点検を日常的に子どもたちに行わせることを提案したい。
親が口うるさく「勉強しなさい」と声掛けしたり,叱ったりするだけでは,このような自己マネジメント力は身につきません。具体的活動例を以下に挙げてみましたので,ぜひ家庭学習に取り入れてみてください。
P(Plan)計画
- テスト日程・目標から逆算して1ヶ月単位の学習計画を作成する
- 毎日,当日のタイムスケジュールを立てる(19時〜19時30分:英語の宿題/19時30分〜20時:夕食など)
D(Do)実施
- 日々,計画と実績に差がないかチェックする
C(Check)評価
- 数日単位で見たときに遅れがないか,学習が上手くいっているかチェックする
- 上手くいっていない場合は,どこが問題か,原因や対策について親子間で話し合う
A(Action)改善
- 反省点を踏まえて,計画を練り直したり,学習方法を変更する
弊社では,学習PDCAサイクル改善の授業を実施していますが,どの生徒さんも次第にご自身で考えて勉強できるようになってきます。保護者の方より「勉強しなさい」と言われないと取り組まなかった,ダラダラ遊んで時間を過ごしてしまっていたお子様も,PDCAサイクル改善の取り組みを始めると,ご自身で問題意識を持ち,自発的に行動・学習できるようになります。「もうすぐ勉強の時間だ!」「今日は目標達成できなかったから,明日はもっと頑張ろう!」とご自身で考えられるようになります。
ぜひご家庭でお子様の主体性・考える力を引き出す取り組みを実施いただければと思います。
☆2017年5月26日(金)に保護者様セミナーを実施します。効果的な家庭教育について,ぜひ気軽に話し合いましょう。お気軽にご参加ください。