子どもの「やり抜く力」を高める方法②~問題行動の原因を探り、信頼関係を築く

子どもの問題行動の原因を探る

子どもの「やり抜く力」を高める上で,親子間の信頼関係を築くことはとても大切です。

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 親子間で信頼関係を築くために,子どもが問題行動を起こしたとき,ガミガミ叱るのではなく,「なぜこの子はこのような行動をとるのだろう?」と原因を探るようにしましょう。

子どもなりの悩みや考えがあり,それが問題行動という形で表出しているケースが少なくありません。悪いことをしたい,親に怒られたいという気持ちから,問題行動を起こしている子どもはいません。原因となる不安や悩み,勘違いを取り除くことで,問題行動が収まった生徒さんを,私は事業活動を通じて数多く見てきました。

このような前提をもし親が知らなければ,「どうして言うことを聞けないの!」と感情的に怒ってしまいます。「本当に悪い子ね」「今度同じことをしたらどうなるか分かっているわよね」と問題行動を責めると,子どもはどんどん悪い方向に進んでしまいます。問題行動を繰り返したり,さらにエスカレートしたりするかもしれません。頭ごなしに子どもを叱ると,親子間のコミュニケーションが上手く取れず,信頼関係を築くことは難しいでしょう。

「なぜこのような問題行動を取るのか?」と親が冷静になって原因を分析することが大切です。子どもの様子や言動を注意深く観察してみましょう。子どもに「どうしてこんなことをしてしまうの?」「最近何かあったの?」と直接質問しても構いません。
原因を取り除くことさえできれば,問題行動はすぐに収まるため,口うるさく叱る必要がなくなります。結果として,親子間のコミュニケーションが良好になり,信頼関係を築きやすくなります。子どもを叱る前に,「なぜこの子はこんな行動を取るのだろう?」と原因を探るようにしましょう。

ぐずぐず用意できないのはスケジュールが分かっていないから

具体例を一つご紹介しましょう。Aくんは幼稚園や習い事に行く準備をなかなかすることができません。いつもお母さんが「ほら,もう時間だから行くよ!急いで!」「早く」と催促しています。それでもなかなかAくんが準備をしないので,「何度言ったら分かるの!」「いい加減にしなさい!」と感情的に怒ってしまうこともしばしばあります。
Aくんの場合,「ぐずぐずして用意をしない」という問題行動は,「スケジュールを把握していない」ことが原因で引き起こされていました。「8時30分に幼稚園のバスに乗ります」「3時に習字に行きます」など,次のスケジュールをメモに書いて見せると,Aくんは前もって自分で準備できるようになりました。
 
このように問題行動の原因は何かを探り,それを取り除けば,親がガミガミ言わなくても,子ども自身で考え行動できるようになるのです。親子間のコミュニケーションも良好になり,深い信頼関係を築いていくことができるでしょう。
 
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