子どもの「やり抜く力」を高める方法⑥~失敗を責めない

失敗から学び,次に生かす経験は,「やり抜く力」を高める糧となります。しかし,同じ失敗を繰り返してしまう子どもや,失敗を嫌がる子どももいます。失敗をバネに成長できる子とできない子は,何が違うのでしょうか。
 
子どもが同じ失敗を繰り返してしまう,失敗を嫌がる原因の一つとして,親の叱責が挙げられます。子どもが上手く物事をできなかったときに,「なんでできないの!」「恥ずかしい」「周りの子はみんなできているのに」と責めると,子どもは失敗を隠したり,嫌がったりするようになります。
 
具体的な事例をご紹介しましょう。小学二年生のAくんは,失敗を認めようとしません。幼少期からできないことがあると,Aくんは親に怒られてきました。「なんでこのドリルが解けないの!」「またできなかったの!」「みんなもっと難しいことやっているのに……」と言われ,「できないことは悪いことだ」「失敗すると怒られる」と考えるようになりました。
 
Aくんは分からないことやできないことがあっても,質問することができません。できない自分や失敗する自分を認めたくないのです。悪いテスト結果や,難しそうな宿題はすべて隠します。そして習い事でも勉強でも,少しでも「難しい」「失敗しそうだ」と感じると,「もうやりたくない」と言います。
 
Aくんは現実から目を背けるため,「どこが良くなかったか」「どうすれば上手くいきそうか」と考えることができません。このままでは挫折や困難を乗り越え,物事をやり抜くことはできないでしょう。
 
親が失敗を責めると,子どもは失敗することを嫌がり,避けるようになります。その結果,失敗から学んだり,もう一段高い目標にチャレンジしたりすることができなくなります。
 
好きで失敗する子どもはいません。子どもたちは皆,懸命に取り組んでいて,それでも失敗してしまうのです。したがって,子どもが失敗したときは,感情的に責めないようにしましょう。失敗から学び次に生かせるよう,「なぜ今回は上手くいかなかったかな?」「次からはどうすればいいかな?」と子どもに考えさせる声掛けを実施しましょう。
 
 
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