子どもが将来社会で活躍できるかどうかは,IQや学力ではなく,「やり抜く力」に左右されると言われています。どうすれば子どもの「やり抜く力」が高まるのか,家庭での接し方や声掛け方法について,考察を深めます。
子どもがサボっているとき,甘えているときは叱る
一生懸命に取り組む習慣を付けるために,幼少期から,サボっているときや甘えているときは叱るようにしましょう。
子どもが「辞めたい」と言ったら,すぐに習い事や取り組みを辞めさせる親がいますが,これでは「やり抜く力」は育ちません。すぐに辞めることを許可していると,辞め癖や諦め癖が付いてしまいます。少しでも難しいこと,自分の気に入らないことに直面したら,簡単に物事を諦める性格になってしまうのです。
また「頑張ってほしいから」という一心で,子どもをおだてたり,過剰に褒めたりしないように気を付けましょう。「十分できているじゃない!」「あなたはやればできる子なのよ!」と言われ続けると,褒められることが当たり前になり,子どもは「こんなものでいいのか」「自分はできる子なんだ」と考えるようになります。褒められないと頑張れない大人,自分の実力が分からない勘違い人間に育ってしまうのです。
「なぜ辞めたいのか」理由を明確にする
子どもの言いなりになって,辞めることを許可したり,むやみにおだてたりするのではなく,なぜ辞めたいのか,理由を明確にすることが大切です。「なぜ辞めたいの?」とまずは子どもに質問してみましょう。親が子どもの様子を見ていて,その理由に気づくこともあるかもしれません。
場合によっては,習い事の先生に相談してみましょう。親が知らないことや,親には見えていない子どもの様子を教えてくれるかもしれません。
子どもが「辞めたい」と言った理由として,その習い事や活動そのものが子どもに合っていない場合や,親だけが取り組ませたいと思って始めた習い事だった場合は,辞めることも視野に入れても構いません。
単純に子どもの甘えで「辞めたい」と言っている場合は,「もっと頑張りなさい」と厳しく声掛けましょう。「~級まで取ったら辞めていいよ」「続けることに意味があるから~年生まで頑張ろう」と目標を決め,クリアしたら辞めさせるのも良いでしょう。粘り強く取り組み,挫折や困難を乗り越えていくうちに,子ども自身で楽しさややりがいを感じ,「もっと頑張る!」と言い出すことも少なくありません。
優しく接するだけでは,子どもの「やり抜く力」を高めることはできません。子どもがサボっているときや甘えているときは,厳しく声掛けして,物事に真剣に取り組ませる習慣を付けましょう。
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