『Learn Better――頭の使い方が変わり、学びが深まる6つのステップ』(アーリック・ボーザー著/英治出版)をもとに,効果的な学習法について探ります。
Learn Better――頭の使い方が変わり、学びが深まる6つのステップ
- 作者: アーリック・ボーザー,月谷真紀
- 出版社/メーカー: 英治出版
- 発売日: 2018/07/19
- メディア: 単行本
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教育の成果を出すために必要なこと
良い指導者,優秀な教育者とはどのような人なのでしょうか。教育の成果を出すためには,学習者にどのような働きかけを行えばいいのでしょうか。ハーバード大学のロン・ファーガソンによると,教育の成果を高める要因は2つあるそうです。
①「勉強圧力」
教師が学生に対して勉強に励むよう発破をかける度合い。教育者が学生のがんばりや教材への真剣な取り組むをどれだけ後押しするか。
②「勉強支援」
教師が学生にモチベーションを感じさせる度合い。学生が自分との関連性を感じられるかどうか,学生と教師の間の個人的つながりの感覚。
教育の成果を出すためには,以下の記事で述べた通り,「学習」を頭を働かせる「活動」にすることが大切です。
優秀な教育者は,学習者に能動的な活動を促すことができるのです。
[……]優秀な教育者は学生を、頭を働かせる「活動」としての学習に深く関与させるのである。また、優秀な教師はモチベーションと支援を与える。学生が学習に意味を見出す手助けをし、自主性と自分に関連性があるという感覚を与える。
学習者にモチベーションを与えることが大切
上記のような研究結果より,教科書や学習内容の解説が上手くできるかどうか以上に,教育者が学習者にモチベーションを与えられるかどうかが重要であると言えます。『Learn Better――頭の使い方が変わり、学びが深まる6つのステップ』に次のような記述があります。
ワイマンを取材したところ、教師はもっとスポーツコーチのようであるべきだと説明してくれた。[……]教育者は学生に対して「思考という難しい作業をやりとげるために」ベストを尽くす動機づけを行うべきだ、とも。つまり、人には感情面の支援、励ましが必要なのだ。
例えば,教育者は学習者に以下のような働きかけができるとよいのではないでしょうか。
- 将来の夢や目標を思い描かせる
- 勉強することの意味や目的について話し合う
- 一見役立たないように思える教科,意欲が湧かない教科についても,学習することの意味を考えさせる
- 学習目標を持たせる
- 学習が上手くいかないときに,学習方法についてアドバイスする
- 結果が付いてこないときも,努力を認めて励ます
保護者様がお子様にこのような働きかけをするのも効果的だと思います。ぜひ家庭教育に取り入れてみてください。
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