『Learn Better』から学ぶ効果的な学習法⑩~地頭の良さよりもメタ認知が大切

『Learn Better――頭の使い方が変わり、学びが深まる6つのステップ』(アーリック・ボーザー著/英治出版)をもとに,効果的な学習法について探ります。

Learn Better――頭の使い方が変わり、学びが深まる6つのステップ

Learn Better――頭の使い方が変わり、学びが深まる6つのステップ

 

学習においてメタ認知が大切

同じ量や時間の学習をしていても,成績が上がる子どもとそうでない子どもがいます。その違いは何でしょうか?地頭の良し悪しでしょうか?

『Learn Better――頭の使い方が変わり、学びが深まる6つのステップ』では,学習において重要なのは,地頭の良さではなくメタ認知であると述べられています。

メタ認知とは思考についての思考のことで、広い意味では自分が物事をどう理解するかを理解することを指す。頭の中に別の視点を作り、思考している自分を自覚することである。

具体的にメタ認知とは,次のような取り組み・考え方のことです。

  • 問題をどのような視点からとらえるかをじっくり考える
  • 自分の答えに筋が通っているかどうかに感覚を研ぎすませる
  • どうやって答えにたどりついたかを内省する

研究者のマーセル・ヴィーマンによると,メタ認知ができる学生の方が,IQの高い学生より試験の成績が上回る場合があるとのことです。

一つ一つの課題にじっくり向き合うことが大切

学習量や時間を増やせば成績が上がると考え,早く答えを知りたがる生徒さんや,それを良しとする保護者の方が少なくありませんが,それでは学習の成果が表れにくいです。答えを一度聞いて分かったつもりになっても,いざ自分で問題を解こうとすると難しいのは,理解しきれていないからです。一つ一つの問題について,理解しきれるまでじっくり向き合わなければ,その問題から得られることが少なく,結果として学習効率が下がってしまいます。

学習にまつわる最大の問題の一つが、メタ認知の不十分さだ。私たちは知らないことを理解するために最善を尽くしていない。そして知っていることについては過信している。だから問題は、学んだ先から忘れていくことではない。熟考について熟考しないことだ。理解するためにもう一歩踏み込んでいないのだ。

「どうしてこの答えになるのかな?」「どうやったらこの解き方が分かるんだろう?」「本当に理解できたかな?もう一度何も見ずに解いてみよう」など,自分自身に問いかけながら,学習を進めることで成果が出やすくなるでしょう。

 

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