『Learn Better――頭の使い方が変わり、学びが深まる6つのステップ』(アーリック・ボーザー著/英治出版)をもとに,効果的な学習法について探ります。
Learn Better――頭の使い方が変わり、学びが深まる6つのステップ
- 作者: アーリック・ボーザー,月谷真紀
- 出版社/メーカー: 英治出版
- 発売日: 2018/07/19
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログを見る
「目標は高い方がよい」というわけではない
子ども自身で目標を持ち,達成に向けて努力することは大切です。「目標は高い方がいいから……」「もしこの目標が達成できなくても,その少し下を狙えるかなと思って」と言う子どもや保護者の方がいます。果たして目標は高い方がよいのでしょうか。
『Learn Better――頭の使い方が変わり、学びが深まる6つのステップ』では,あまりに高望みした学習目標は逆効果であると述べられています。
学習目標は大晦日に立てる「タンゴをマスターする」といった来年の抱負のようであってはいけない。[……]「タンゴをマスターする」ではなく、週一回のタンゴのレッスンに参加するとか、水曜の夜と日曜の午後は家で練習する、といった小さな目標を細かく設定すべきだ。
手の届く目標を掲げ,モチベーションを維持する
高すぎる目標や漠然とした目標では,子どものやる気を引き出すことは難しいでしょう。例えば「○○中学校(実力から大きく離れた学校)に合格する」という目標を掲げても,何から手を付けたらよいか分からず,「やっぱり無理なんだ……」と後ろ向きになってしまうかもしれません。「数学をがんばる」というような漠然とした目標を掲げた場合,「がんばったか・がんばっていないか」の基準が曖昧なので,達成感を得にくいでしょう。
これに対して,頑張れば手の届く具体的な目標を掲げると,モチベーションを維持しやすくなります。モチベーションの維持は,学習に継続的に取り組み,成果を出す上で非常に大切です。
[……]気持ちのモチベーションを維持する必要もある。これに関しては、自分への語りかけが重要だ。その際、黒か白かの両極端な思考は避けなければならない。だから「私は全然だめだ」と自分に語りかけるのではなく、「私は悪戦苦闘しているのだ」と語りかけよう。また、少しでも前進したら見逃さず、どんな小さな成果でも「今日は三時間やった」などと自分を褒めよう。
小さな成功体験を積み重ねることが大切
「休みの日は1時間勉強する」「ドリルを2ページずつ進める」など,頑張れば達成できる目標を掲げましょう。「今日も目標をクリアできた!」と成功体験を積み重ねることで,自己効力感が高まり,学習に前向きに取り組めるようになります。「目標を下げても大丈夫なように……」と最初から高い目標を設定したり,「英語の勉強をもっとがんばる」というような曖昧な目標を掲げたりするのではなく,努力すれば着実に達成できる目標を設定することが,子どものやる気を引き出すコツです。
【関連記事】