『Learn Better――頭の使い方が変わり、学びが深まる6つのステップ』(アーリック・ボーザー著/英治出版)をもとに,効果的な学習法について探ります。

Learn Better――頭の使い方が変わり、学びが深まる6つのステップ
- 作者: アーリック・ボーザー,月谷真紀
- 出版社/メーカー: 英治出版
- 発売日: 2018/07/19
- メディア: 単行本
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学習面でも「精神的な強さ」が大切
以前ご紹介した通り,効果的な学習を行う上で,自分の間違いや失敗と向き合うことがとても重要です。
間違いや失敗と向き合うとき,「どうしてこんなミスをしてしまったんだろう」「また間違えてしまった……」と,精神的な苦痛を伴うこともあります。学習においても心のレジリエンス〔困難に耐える心の弾力性〕が必要なのです。
間違い――そして苦労――が学習の避けられない一部であるなら、それに対する備えが必要だ。これは学習の世界では新しい考え方だが、スポーツの世界では何百年も前から常識である。子どものクラブチームからプロチームまで、監督なら誰でも声をからして忍耐の価値やメンタル・タフネスの必要性を解くだろう。
自制心が成績に影響する
メンタル・タフネスの重要性を示す根拠として,本書では1968年にウォルター・ミシェルが行ったマシュマロ・テストが紹介されています。
子どもはマシュマロなどの小さなごほうびを今すぐ一つ食べてもいいが、しばらく待てば二つ食べられると教えられた。[……]欲求と感情に対処する四歳児の能力がさまざまな形で実を結ぶことをミシェルは発見した。マシュマロに手を伸ばすのを先延ばしにできた子どものほうが、その後学校で優秀な成績を上げ、自信を持ち、ストレスにさらされたときも楽に対処した。
情動をコントロールする方法
では,学習における失敗や挫折と向き合うために,どのように情動をコントロールすればよいのでしょうか。本書では次のような方法が紹介されています。
- 情動を自覚してラベル付けをする
「自分はあのマシュマロがおいしそうだと思っている」「自分は今,友達に腹が立っている」など,感情を自覚してラベル付けをしましょう。子どもが自分の情動を自覚できるように,「この動画を見たいんだよね」「もっと遊びたいんだよね」「宿題をやりたくないんだよね」など,親が声かけして気づかせることも効果的でしょう。
- 発想の転換を行う
「マシュマロを食べると太ってしまう」「今勉強したら後で出かけられる」など,別の視点から物事を捉え直しましょう。「今,間違い直しをしたら,テスト本番で間違えないね」「また間違えたことで,暗記しきれていないことが分かって良かったね」など,親が子どもに声をかけて,発想の転換を促しましょう。
これらが習慣化してくると,エネルギーを使わずに,楽に情動をコントロールできるようになるそうです。このようにして培ったメンタル・タフネスはきっと社会に出てからも役立つでしょう。
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