『勉強法以前の「勉強体質」のつくりかた』(伊藤敏雄著/主婦の友社)をもとに,効果的な家庭教育について学びます。
子どものやる気が出ないのは「やらされている」から
「子どもが自分から勉強しない」「親がうるさく声かけしてようやく勉強する」「自分で勉強ができるようになってほしい」という相談を受けることがあります。
なぜ,子どものやる気が出ないのでしょうか。色々な要因があると思いますが,もしかすると勉強を「やらされている」ことが原因かもしれません。
『勉強法以前の「勉強体質」のつくりかた』では,次のように書かれています。
[……]なんとかしなければという思いで、学習塾に通わせたり通信教育を始めたりします。しかし、意外にもそこが落とし穴なのです。子どもにとっては、主体が親から学習塾や通信教育に変わっただけで、勉強を「やらされる」ということ自体は変わりないのです。
勉強を始められないのは,効果が実感できないから
そもそも,なぜ子どもは自分から勉強を始められないのでしょうか。本書では次のように書かれています。
子どもができれば勉強をやりたくないと思うのは、勉強が好きとか嫌いという前に、「勉強した実感がわかない」からです。
確かに勉強しても効果が感じられなければ,「勉強したくない」と思うのも当然です。逆に効果が感じられれば,「勉強しようかな」と進んで取り組めるでしょう。
つまり,「①勉強する→②効果を感じられる→③やる気が出る」という順に進み,最後に自分から勉強を始められるようになるのです。
親が子どものためにできること
勉強せずに③にいきなり進むことは不可能なので,ぜひ周囲が①→②のステップをサポートしましょう。
このとき,「ドリルを2ページやりなさい」「今日の分の通信教育をやってね」と勉強を「やらせる」のではなく,「1日1個漢字を覚えてみよう」「3問だけ計算問題をやってみよう」とハードルを下げて,「これならできる」「前にできなかった問題ができるようになった」と,子どもに効果を感じてもらうことが大切です。 子どもが行き詰まったら,「どうやったらできるようになるか,一緒に考えよう」と,効果が出る勉強のやり方を探すのも有効です。
子どもが学習の効果を感じれば,自然とやる気になり,自ら勉強を始められるようになるでしょう。