『勉強法以前の「勉強体質」のつくりかた』(伊藤敏雄著/主婦の友社)をもとに,効果的な家庭教育について学びます。
正解をすぐに聞いてくる子は伸びない
成績が上がらない子の特徴の一つとして,「正解をすぐ聞いてくる」ことが挙げられます。「先生,早く答えを教えて!」「正解は何なんですか?」とすぐに聞いてくる子は,自分で考えることをしないため,学習内容が身に付かないのです。
勉強ができるようになるために大切なこと
「できない」を「できる」にするのが勉強であり,そのためには「何をどうまちがえたのか?」「次どうすればまちがえないのか?」を考えることが大切だと『勉強法以前の「勉強体質」のつくりかた』では書かれています。
すぐに正解を聞いて,赤で答えを書き込むだけでは,「分かったつもり」になっていることがほとんどです。実際,すぐに答えを聞いてくる生徒さんに,授業中に間違えた問題を30分後に解き直してもらったところ,正答率は30%ほどでした。1時間後,数日後,もっと先のテストになると,正答率はさらに落ちるでしょう。
「なぜその答えになるのか」を考えることが大切
すぐに答えを聞いてくる生徒さんには,「自分で考えてみよう」「正しい答えは何だと思う?」「なぜその答えになると思う?」と質問して,考えてもらうようにしています。そのような声かけをして一緒に考えた後,30分後に解き直してもらうと,正答率は80~90%にまで上がりました。
子どもが自分で考えなくなる原因
子どもが答えをすぐに知りたがる,答えを写して終わりにしてしまうのには,次のような原因があるかもしれません。
- 子どもにとって学習量が多すぎる
- 子どもにとって内容が難しすぎて考えるのが億劫
- 親が「早く学習を終わらせなさい!」「勉強のスピードが遅い!」と日常的に急かしている
学習量やスピードよりも,「できない問題をできるようにする」「なぜ間違えたか考え次に生かす」という学習の質が重要です。ぜひご家庭でも心がけてみてください。