『「超」勉強力』(中野信子, 山口真由 著/プレジデント社)をもとに,効果的な家庭教育について考えます。
「義務としての学び」と「よろこびとしての学び」
著者の中野氏は,学びには「義務としての学び」と「よろこびとしての学び」の二つの形があると言います。
語学を例に考えると,「義務としての学び」は,基本的な文法や知っておくべき単語やフレーズの学習など,筋トレのように積み重ねる部分です。「義務としての学び」がある程度できてはじめて,言葉が通じないと思っていた相手を笑わせられた,異文化の人が持つ価値観や思考に触れて新しい発見をした等,「よろこびとしての学び」を味わうことができます。
学ぶことがつらい人は,「義務としての学び」の比重が大きくなり過ぎており,学ぶことの楽しさに辿り着いていないのではと中野氏は推測します。
〔……〕「義務としての学び」を積み重ねて、基礎的な力やスキルをある程度身につけなければ、いつまで経っても「よろこびとしての学び」に到達できないということになります。その結果、勉強に飽きてしまったり嫌になったりして、半ばで挫折するということになるのです。
「義務としての学び」「よろこびとしての学び」のどちらも大切
子どもの年齢が小さいほど,書き取りや計算ドリルなど,「義務としての学び」の比重が大きく,勉強の楽しさが分からない,「よろこびとしての学び」に気づけない子も多いように思います。
「義務としての学び」と「よろこびとしての学び」はどちらも大切です。中野氏が言うように「義務としての学び」を積み重ねなければ,学年が上がったときに「よろこびとしての学び」を感じることができません。したがって学校の宿題をはじめとした基礎学習を行うことはとても大切です。
「よろこびとしての学び」を子どもに感じてもらうために,ぜひ次のような取り組みをしましょう。
- 子どもの好きな習い事をさせる。勉強だけでなく習い事も「学び」です。年齢に関係なく「義務としての学び」「よろこびとしての学び」の両方を経験できるでしょう。
- 子どもの好きな教科や教材にとことん取り組ませる。地図パズル,学習漫画,実験キット,学習アプリなど題材は何でも良いです。純粋に知る喜び,学んだり考えたりすることの楽しさを体感できるでしょう。
ぜひ家庭教育に取り入れてみてください。
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