子どもの話を聞くことで適切なアドバイスができる
子どもの話を最後まで聞かずに「それは違うよ」「こうしなさい」という先生や保護者様がいます。それでは子どもが何を伝えたかったのか,本当は何を望んでいるのかが分からず,適切なアドバイスができません。
私の教室に勉強がとても苦手な生徒さんがいました。その生徒さんは,不登校のクラスメイトのためにノートを作ってあげていました。
「私,不登校の子のためにノートを作ってあげてるんだ!授業中に自分のノートとは別にもう1冊ノートを書いてるんだよ」とある日私に伝えてきてくれました。
私は「え,授業中に2冊ノートを作っているの?授業をちゃんと聞けているのかな?」と思いましたが,「そうなんだ!授業中に2冊作るのは大変だね」と話しました。するとその生徒さんは,授業中にノート作りをとても頑張っていること,自分が友達思いであることを熱心にアピールしてきました。
「勉強ができなくて自信がないから,頑張っていることや優しい性格を認めてほしいんだな」と感じた私は,「優しいね!友達のために授業中に頑張ってノートを2冊作れる子なんか,なかなかいないよ!すごいことだね」と伝えました。その生徒さんはとても嬉しそうでした。
「1冊のノートを綺麗に分かりやすく書いて,コピーしてお友達にあげるという手もあるよ。先生が授業中に話していたことをメモで書いてあげたりするのもいいね。復習もかねて,お家でまとめノートを作ってその子にあげるのもいいんじゃない?」と私はその生徒さんに話しました。授業中にノートを2冊書いていることが原因で,その生徒さんの場合は授業の理解度が下がっていましたが,そのことを真正面から指摘するのは良くないと感じたからです。
同時期にその生徒さんは,お母さんに同じ話をしたようです。お母さんはその生徒さんが「授業中に2冊ノートを書いている」と言った時点で,頭ごなしに「あなたにはそんなことやっている余裕なんてないでしょ!授業中に先生が言っていることをきちんと聞きなさい!」と怒ったそうです。
その生徒さんは「やっぱりお母さんにはもう何も話さない」と心を閉ざしてしまい,勉強に関する話題はご家庭でタブーになってしまいました。
そのご家庭は普段からそのような親子喧嘩が絶えず,必要な場面で親子で話し合ったり,親が子どもにアドバイスをしたりすることができない状態になってしまっていました。
途中でカチンときて怒りたくなる気持ちも分かりますが,そのような接し方をしていると,子どもを良い方向に導くのが難しくなってしまいます。子どもの話をきちんと聞けば,その子が何を望んでいるのか,どのようなアドバイスをすれば良いのかが見えてくるため,不要な親子喧嘩を避けることができます。子どもの話を最後まで聞いて一度認めた上で,「そう考えてそういう行動をしたんだね」「次からこうするのはどうかな?」と新たな視点を伝えましょう。
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