【はじめに】
「このままだとマズいのに、本人は全然焦ってない…」「もっと勉強しないとヤバいって、なんで気づかないの?」模試やテストの結果を見て、親だけが焦ってしまう——これは多くのご家庭で見られる“あるある”です。
でも実は、危機感は怒っても、叱っても、湧いてこないもの。大切なのは、子ども自身が“納得して”動き出すきっかけをつくることです。
では、親ができることは何か?具体的にどう行動すればよいかを5つのステップでご紹介します。
■① 点数ではなく「差」を見せる
NG:「こんな点数じゃダメでしょ!」
OK:「この点数、志望校の合格ラインまであと何点くらいだと思う?」
→ 点数の良し悪しではなく、現状と目標の距離感に注目させることで、本人の中に「このままじゃ届かない」という意識が生まれます。
具体例:
「今回の模試の数学、○○高校の合格者平均と比べてあと18点差だね。次の模試で、どこを伸ばせば埋まりそうかな?」
■② 「親が言う」より「本人に言わせる」
NG:「ちゃんと計画立ててやりなさい!」
OK:「このままのペースだと、どこが不安?どんなふうに過ごしたら安心できる?」
→ 危機感は、言われたから生まれるのではありません。自分の言葉で自分の課題を言える状態になることが出発点です。
具体例:
「理科が一番心配って言ってたよね。じゃあ、1日30分だけ理科の時間を先に確保してみようか。」
■③ 他人と比較するのではなく、「先を見せる」
NG:「○○くんはもっと頑張ってるよ」
OK:「このペースだと、夏休み明けに何が変わっていそうかな?」
→ 他人と比べると、子どもは反発するか、諦めモードになりがち。自分の未来を具体的にイメージさせる方が、前向きに行動できます。
具体例:
「この夏、理社を先に固めておくと、秋に過去問に時間をまわせるよね。やってみる?」
■④「結果」ではなく「行動」に注目してほめる
NG:「だから言ったでしょ。もっと早くやってれば…」
OK:「今日、昨日より30分早く机に向かえたね。えらいじゃん!」
→ 子どもは「成果」ではなく「努力を見てもらえた」と感じたとき、次もまた頑張ろうという気持ちになります。
具体例:
「昨日まではなかなか始められなかったけど、今日は自分から動けたね。そういうの、大事だと思うよ。」
■⑤「焦りすぎて空回り」を防ぐ環境をつくる
→ 危機感が芽生えても、逆にパニックになってしまう子もいます。そんな時こそ、行動に落とし込める具体的な手段を一緒に整えてあげましょう。
具体例:
1週間分の勉強計画を一緒にスケジュール帳に書く
朝晩に5分だけ親子で今日の進捗を確認する
「今日は理科を2ページやったら終了!」など、ハードルを下げて小さな達成感を積み上げる
【まとめ】
子どもが動かないからといって、「怠けている」と決めつけないことが第一歩。「どうすれば自分ごととして危機感を持てるか」を、親の働きかけでサポートしていくことが何より効果的です。
怒るのではなく、押しつけるのでもなく、一緒に見通しを立てるパートナーになること。それが、やる気スイッチの本当の押し方なのです。
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