『ずっとやりたかったことを、やりなさい。』(ジュリア・キャメロン著/サンマーク出版)をもとに,効果的な家庭教育について考えます。
創造的な活動に批評は付き物
自身の創造力を発揮し作品を作り上げ,世に送り出すとき,批評を受けることは避けて通れません。酷評されると自信を失い,創造的な活動を止めてしまう人も多くいます。
〔……〕批評で恥をかかされたアーティストは、才能をせき止められ、作品を公表するのをやめてしまったりする。完璧主義の友人や教師、批評家たちは、コンマがないことまでとやかく言う完璧主義の親と同じように、やる気になっている若いアーティストたちの熱意をくじいてしまう可能性がある。それゆえ、私たちは自分を防衛する方法を学ばなければならない。
家庭を安心できる場所にしておくことが大事
特に子どもたちは繊細なので,友達から酷評されたり,先生から良い評価を受けなかったりすると,ショックを受けて作品を生み出すことを諦めてしまいます。このようにして子どもの創造性は失われていってしまうのです。
子どもが批評を受けたときに,親はじっくりと話を聞いて,励ましてあげましょう。
アートには、卵をかえす安全な場所が必要だ。理想を言うなら、まず家族の中にそれを見出し、次に学校の中に、そして最終的には、友人や自分を支援してくれる人々の輪の中に見いだすのが好ましい。
そして子どもが批評を受けたとき,ぜひ次のような取り組みをしてみてください。
- 批評は全て読み通す。全部聞く。
- 有益な批評とそうでない批評とを選別する。子どもが自分自身で選別できるように導く。
- 悩ませる考えや文句があったらノートに書き留めておく。
- 有益だと思われる考えや文句もノートに書き留めておく。
- 子どもに安らぎを与える。昔の良い批評を思い出したり,褒められたりしたことを思い出させる。
- 次に向けた成長段階だと捉える。
- 創作に戻り,新しい作品作りに取り組む。
「創作することこそ,批評に対する唯一の治療法なのだ」と著者は言います。内なる創造性を発揮するために,粘り強く創作活動に取り組める子どもが増えてほしいなと思います。ぜひご家庭でサポートいただけると幸いです。