最近,学校でもタブレット学習が行われ,大手学習塾や通信教育サービスも,タブレットを使った教育プログラムに力を入れています。
タブレット学習と紙での学習は,どちらが効果的なのでしょうか。
デジタルと紙の違い
カリフォルニア大学ロサンゼルス校のメアリアン・ウルフ教授は,電子書籍と紙の本の違いについて,次のように述べています。
電子書籍は,情報のスキミング(上澄みをすくいとること)を手助けする。大量の情報を扱えるが,読み飛ばしを助長する。
紙の本の強みは,言葉や概念の咀嚼である。
参考記事
タブレット学習と紙での学習に置き換えて考えてみると,タブレット学習はその性質上,読み飛ばしが発生する可能性があります。紙での学習の方が,言葉や概念を咀嚼できるので,複雑な問題をじっくりと考えるのに向いています。
私の教室に通ってくれている生徒さんで優秀な子ほど,「タブレット学習はあまり好きじゃない」「紙で勉強したい」「今までやってきた通信添削が,タブレット学習になって紙の教材が廃止されるそうだから辞めようと思う」などと言います。難易度が高い問題ほど,紙媒体でじっくりと読み解いて思考を深める必要があるからでしょう。
また,勉強ができる子ほど,学習内容が身についているかどうかの感覚が鋭く,「タブレットは学習内容が身につかない感じがする」「紙の方が考えやすい」というように敏感に感じ取るのだと思います。
タブレット学習のメリットももちろんあります。勉強が苦手な子は,タブレットの方が学習しやすいでしょう。映像を見ることで視覚的に理解できたり,クイズ形式でゲーム感覚で勉強に取り組めたり,学習への抵抗感が軽減するかもしれません。
また暗記に取り組むときなど,自分が間違えた問題のみをピックアップして再度出題してくれたり,タブレット学習も使い方によってはかなり役立ちます。
タブレット学習で概要を掴んだり,子どもの興味を引き出したりする→発展的な学習は紙媒体で行うというように,タブレット学習と紙での学習を上手く併用できると効果的だと思います。
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