気を付けて!一見良さそうに見えて,実は効果的でない叱り方とは?

以前,効果的な叱り方に関する記事を書きましたが,多くの保護者様にセミナーを受講いただく中で,分かったことがあるので共有したいと思います。

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「効果的な叱り方」を実践しているはずなのに......

なぜ良くないか,なぜそんなことをしてしまったのか,理由を子供に考えさせたり,意見を聞いたりしているのに,一向に現状が改善しない。同じ過ちを繰り返すので,いつも叱ってばかり――という保護者様がいらっしゃいました。詳しくお話し合いする中で,以下のような問題点が浮かび上がりました。

子供が答えた理由にダメ出しをしている

「なぜこんな結果になったかな?」「なぜ今回もやってしまったかな?」と質問した後,お子様が理由を答えたら,「それは違う」「もっと考えなさい」など声掛けしていたそうです。

小さな子供は考えても,きちんと理由を説明できないことがあります。繰り返し「もっと考えなさい」と言ってしまうと,そこから「叱られる時間」がスタートして,子供は苦痛に感じてしまいます

質問して,お子様に考える習慣を付けることが大切なので,お子様が「分からない」と理由を答えられなくても,また答えた理由が的外れであっても構いません。まずは「そうなんだね」と受け入れてあげましょう。その後,「こうだったのかな?」「それともこうかな?」と保護者様の考えを冷静に諭すようにしましょう。次第に考える習慣が身に付き,お子様自身で失敗を振り返り,次に生かせるようになります

叱る時間・回数が多い

日常生活の大部分で叱られていると,「また言ってるな」と子供は叱られることに慣れてきてしまいます。叱られても何とも思わないので,同じことを繰り返します

逆に,叱る時間・回数が少ないほど,1回あたりの声掛けが,お子様に大きな影響を与えます。これまでお子様を叱ったことがほとんどなく,褒めて育ててきた保護者様が,教育セミナーを受講して「必要な場面では叱らないと」と感じ,お子様を叱ってみたところ,絶大な効果があったとのことでした。

これは「叱る」以外の場面でも同様で,「勉強しなさい」とガミガミいったり,説教したりするほど,子供は大人の言うことを聞かなくなります。普段は様子を見守り,必要な場面でのみ声掛けする方が,お子様の心に響きます。

したがって一度,思い切って叱る時間・回数を減らしてみましょう。「これだけは守って」という親子間の約束を一つ決めて,まずは1ヶ月間,それだけに集中しましょう。毎日振り返りを実施し,その約束が守れていたら「よく頑張ったね」と褒める,守れなかったら厳しく叱ってください。表をつくって〇を付けたり,シールを貼ったり,努力を目に見える形にするのもおすすめです。

1ヶ月,毎日約束が守れたら,翌月は2つ目の約束を決めて取り組むというように,少しずつお子様自身で出来ることを増やしていきましょう。叱る回数が少しずつ減ってくるはずです。

以上,一見良さそうに見えて,実は効果的でない叱り方とその改善方法をお伝えしました。少しでも参考になれば幸いです。

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【ロボットづくり講座】授業の様子 2016.09.13~09.30

9月後半も,たくさんの生徒さんがロボットづくり講座をご受講くださいました。

こちらは蛍のロボットづくりに挑戦する生徒さん。

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フォークリフトのロボットづくりに取り組む生徒さんたち。

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探査機のロボットづくり。センサーが付いていて物体を感知します。

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地震のプロジェクトに取り組む生徒さん。

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試行錯誤して,見事,マグニチュード10の揺れに耐える高い建物をつくることができました。

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花の回りを飛び,花のところで止まるハチのモデルづくり。

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手を出したり,引っ込めたりするカマキリのロボットづくり。

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進んで難しい課題にチャレンジする皆さんの姿勢,本当に素晴らしいです。

『一流の育て方』から学ぶ!お子様を読書好きにする方法

『一流の育て方』をもとに,「ビジネスでも勉強でもズバ抜けて活躍できる子」を育てる家庭教育について考察します。

一流の育て方―――ビジネスでも勉強でもズバ抜けて活躍できる子を育てる

一流の育て方―――ビジネスでも勉強でもズバ抜けて活躍できる子を育てる

 

『一流の育て方』では,リーダーシップがありグローバル企業で活躍する東大・京大・早慶生が記述したアンケート結果を基にした,効果的な家庭教育が紹介されています。本書を参考にしながら,今回は「子供を読書好きにする方法」について考えます。

子供が好きな本を選ぶことが大切

「うちの子は本が嫌いで困っている」という保護者様のお話を伺うと,大抵親が良いと思った本を押し付けています。流行っている本だから,思春期に読んでおいた方が良い本だからなどと言って,子供に読むべき本を押し付けます。興味のないテーマだったり,内容が難しすぎたりする場合,「面白くないなぁ」と感じ,子供は読書嫌いになってしまいます。これは非常に残念なことです。

子どもに読書の習慣を身につけさせるのに一番効果的なのは、子どもが関心を持つ分野の本に触れさせることだと思います。

たとえば,子どもが関心を示す車のおもちゃやアニメのキャラクターの本、ないし世界の昆虫大事典でもかまいません。とにかく子どもが興味の延長線上で自然に活字に親しむきっかけを作ってあげることが学習習慣に決定的な影響を与えます。〔......〕間違っても親が読ませたい本や、たまたまそこにある本を押し付けてはいけません

ぜひ書店や図書館に一緒に足を運び,子供に好きな本を選んでもらいましょう。そして子供が選んだ本に対して,「そんなの幼稚だ」「難しすぎる」など,親がケチを付けないようにしましょう。子供が心から読みたいと思える本を選ぶことが,読書習慣を付ける秘訣です。

 何のために読書をさせるのか

そもそも何のために,子供に読書習慣を付けるのでしょうか。読書にはどのような効果があるのでしょうか。『一流の育て方』では下記内容が挙げられています。

  • 視野を広げるため
  • 教養を深めるため
  • 好奇心を養うため
  • 集中力を養うため
  • 自主的に勉強するようになるため

読書は手段でしかない

上記目的を達成できるのであれば,読書という形に拘らなくても良いと私は考えます。読書がお子様にどうしても合わないのであれば,別の方法を探してみましょう。例えば,習い事に通ったり,実際に手や体を動かしたりして,体験しながらお子様の興味・関心を深めていく方法でも,上記目的は達成されます。そのような活動の中で,知的欲求が芽生え,読書習慣が自然と身に付くこともあり得ます。

「子供に読書をしてほしい」と強く望み,視野が狭くなっている保護者様を見かけますが,読書という方法に拘らず,ぜひ柔軟に考えてほしいと思います。どうすれば目的を達成できるか,子供に合った別の方法はないか,模索してみることも大切です。

 

☆「『一流の育て方』から学ぶ!お子様を読書好きにする方法」セミナーを開催します。

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自律教育セミナー「子供に学習習慣を付ける方法」@ビオ・あつみ浜松を開催します

この度,ビオ・あつみエピスリー浜松さんにて,教育セミナーを開催させていただくことになりました。

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2016年11月10日(木)11:00~11:50,2Fセミナースペースでの開催となります。当日は,ビオあつみさんのドリンクを召し上がっていただけます。

お申し込みは,ビオ・あつみさんサービスカウンターまでお願いいたします(電話・メール等での予約不可ですので,ご注意ください)。

皆様のご参加を心よりお待ちしております。

【デジタルものづくりラボ@遠鉄百貨店】ハロウィンイベント開催まで1ヶ月を切りました

10月29日(土)遠鉄百貨店さんにて「デジタルものづくりラボ」ハロウィンイベントを開催いたします。わくわくライブのチラシでは,Sony MESHを使ったハロウィンBoxづくりをご紹介いただいています。

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予約受付は10月19日(水)午前10時~です。遠鉄百貨店本館5F おもちゃ 053-457-5377までお電話ください。

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チラシには掲載されていませんが,同スペースでプログラミングイベントも開催予定です。こちらに関しては,すでに予約受付を開始しております。詳細・お申込み方法については,下記リンクをご覧ください。

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ぜひ一人でも多くのお子様に,「楽しみながら学ぶ」「アクティブ・ラーニング」を体感していただきたいと思っています。皆様のご参加をお待ちしております。

 

保護者向け教育セミナー@静岡を開催いたします

「静岡市内でも教育セミナーを開催してほしい」というご要望を受け,静岡市中心部にて2016年12月11日(日)に保護者様向け講座を実施いたします。

講座内容・プログラムは以下の通りです。
9:00~9:50 『一流の育て方』から学ぶ!子供に学習習慣を付ける方法
10:10~11:00 「7つの習慣」から学ぶ!社会で活躍できる子供の育て方
11:20~12:10 『一流の育て方』から学ぶ!子供の正しい叱り方・褒め方

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ぜひお誘いあわせの上,お気軽にご参加ください。

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【親子で楽しむ!プログラミング教室@浜松】静岡新聞イベント情報掲載&10月度開催日程のお知らせ

ご報告が遅くなってしまいましたが,2016年9月30日(金)静岡新聞にて,テラックの「親子で楽しむ!プログラミング教室」イベント情報を掲載していただきました。

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10月残りは下記スケジュールにて実施予定です。

10月8日(土) 西部協働センター 202会議室
10月15日(土) 佐鳴台協働センター 会議室
10月22日(土) 西部協働センター 202会議室
10月30日(日) 西部協働センター 202会議室

第1部:13時10分~14時10分/第2部:14時30分~15時30分

 10月22・30日はレンタルPCを5台用意しております。普段PCの持参が難しいという方も,この機会にぜひご参加いただければ幸いです。

詳細・お申し込みはこちらよりどうぞ

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【子供向けプログラミング講座】授業の様子 2016.09.16~10.04

「プログラミンで新発見をした!」と生徒さんが嬉しそうに報告してきてくれたので,その新発見を詰め込んで,作品をつくってもらうことになりました。

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他の生徒さんにも「こんなこと出来るんだよ!」と情報共有します。

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作ったゲームを一緒に楽しくプレイしたり,「もっとこういう動きにした方が面白いかな!?」と,積極的に意見を交わしたりします。

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何日もかけて,さらに作品を良くしていきます。粘り強く取り組む姿勢が素晴らしいです。

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こちらはアニメーションづくりに取り組む生徒さんたち。

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「イルカが尾を振って泳ぐアニメーションをつくりましょう」という課題。どのようにプログラミングすれば良いか,試行錯誤を繰り返します。

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尾を振って泳ぐイルカが完成したら,自分の絵を描き足したりして,どんどん作品を発展させていきます。

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ミスをしてプログラムが消えてしまったり,思い通りに動かなかったり,ショッキングな出来事も起こりますが,何とかして壁を乗り越えます。

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プログラミングを通じて,失敗しても諦めない姿勢を身に付けてもらえれば嬉しいです。

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『一流の育て方』から学ぶ!お子様の効果的な褒め方

『一流の育て方』をもとに,「ビジネスでも勉強でもズバ抜けて活躍できる子」を育てる家庭教育について考察します。

一流の育て方―――ビジネスでも勉強でもズバ抜けて活躍できる子を育てる

一流の育て方―――ビジネスでも勉強でもズバ抜けて活躍できる子を育てる

 

『一流の育て方』では,リーダーシップがありグローバル企業で活躍する東大・京大・早慶生が記述したアンケート結果を基にした,効果的な家庭教育が紹介されています。本書を参考にしながら,今回は「効果的な褒め方」について考えます。

何でも褒めるのはNG

子供に自信を付けさせたいからと言って,何でも褒める保護者様がいらっしゃいますが,これは効果的な教育法とは言えません。褒めても自己肯定感は育たないこと,むやみやたらに褒めると実力の伴わないナルシストになってしまうことは,以前述べた通りです。

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効果的な褒め方

能力ではなく,努力を褒めよう

「よく頑張ったね」とお子様の努力を褒めるようにしましょう。努力を褒められた子は,何回テストを重ねてその結果が悪くとも,粘り強く問題を解こうと努力を続けたそうです。努力を褒めると,さらなる努力を引き出すことができるのです。

一方,「頭がいいのね」など,能力を褒めるのは効果的ではありません。

〔......〕「頭がいいのね」と、もともとの能力をほめられて育った子は、「何かを学ぶこと」より「いい成績を得ること」に重点を置くそうです。いい成績を取ったときは「自分には才能があるからだ」と考え,悪ければ「自分には才能がない」と考える傾向がでたそうです。

人生の成功を左右するのは,才能や学力ではなく,「やり抜く力(=グリット)」です。粘り強く取り組む姿勢を引き出すために,ぜひお子様の努力を褒めるようにしましょう。

具体的に褒めよう

何がどのように良かったのか,お子様に分かるように具体的に褒めることを心がけましょう。

【例】

  • 自分からテレビを消して勉強できるようになったね,すごい!
  • よく頑張ったね!前よりも解答の中身が良くなったね。空欄の記述問題も減ったね。
  • 玩具の後片付けができるようになったね。自分で気を付けられていてすごい!など

努力してもなかなか成果が出ないことがありますが,周囲が努力を認めてあげると,「お母さん(お父さん)は自分の努力を見ていてくれるんだ」と安心し,「もう少し頑張ってみようかな!」という気持ちに繋がります。お母さん(お父さん)はきちんと見てるよ!」というサインを送ることが大切です。

褒め言葉を素直に受け取ろう

先日このような出来事がありました。生徒さんがとても集中して課題に取り組み,本当によく出来たので,「○○くん,すごいね!こういう部分がとても良いと思うよ」と褒めました。生徒さんは喜んで保護者様にそのことを報告したそうです。それを受けて保護者様は,「先生は大袈裟に褒めてくれたんじゃない?」とコメントしたとのことでした。

このような声掛けが続くと,「先生は褒めているけど,また大袈裟に言ってるだけでは?」と,お子様が他人からの言葉・評価を素直に受け取れなくなってしまいます。マイナスに考える癖が付いてしまうと,改善が難しく,褒め言葉の効力も無くなってしまいますので,保護者様自身も,褒め言葉を素直に受け取り,お子様に「すごいね!頑張ったね!」と返事するよう心掛けてください

 

☆「『一流の育て方』から学ぶ!お子様の効果的な叱り方・正しい褒め方」セミナーを開催しています。

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『一流の育て方』から学ぶ!お子様の効果的な叱り方

 『一流の育て方』をもとに,「ビジネスでも勉強でもズバ抜けて活躍できる子」を育てる家庭教育について考察します。

一流の育て方―――ビジネスでも勉強でもズバ抜けて活躍できる子を育てる

一流の育て方―――ビジネスでも勉強でもズバ抜けて活躍できる子を育てる

 

『一流の育て方』では,リーダーシップがありグローバル企業で活躍する東大・京大・早慶生が記述したアンケート結果を基にした,効果的な家庭教育が紹介されています。本書を参考にしながら,今回は「効果的な叱り方」について考えていきたいと思います。

どのようなときに叱るのが良いの?

子供が真剣でなければ叱る

「あきらめずに最後までやる」という力の有無は,仕事能力の一流と二流を決める重要ポイントです。諸々の研究調査により,学力やIQより,長期的に達成する力(=グリット)こそ,人生の成功を左右することが分かってきました。

子供のうちから一生懸命にやる習慣を付けるために,「真剣にならなければ叱る」「途中で簡単にやめさせない」という家庭教育を実施することは効果的です。

〔......〕子供が怠けたら断固として叱らなければなりません。

〔......〕部活などで「一生懸命に取り組んでいるときは惜しみなく応援し、一生懸命でないときはこっぴどく叱る」教育というのは、この「真剣さ」を育てるのに役立っているように思います。

小さなことと見すごされがちですが、部活の怠け癖は、部活を超えて人生全般に大きな悪影響を及ぼします。子どものころに「怠けてもいい」「人より優れていなくて当たり前」という負け癖を持つか、「少しでも上を目指して常に向上心を持って努力する」という習慣を持つかは、一生を左右するのです。

習い事に関しても,子供が「やりたい」と言ったら始め,「辞めたい」と言ったら辞めさせるというご家庭を多く見かけます。これでは物事をやり抜く力は身に付きません。始める前に目標を決めておく,目標が達成できれば辞めても良いが,それまでは続けることを子供と約束しておきましょう。

多くの習い事に通ってはいるけれど、やめるのは自由で、いろいろな習い事を取っ替え引っ替えやっている子どもさんをよく見かけます。これでは何一つものにせず中途半端に終わってしまいます。〔......〕

やめたがる子どもを「石の上に3年」座らせるには、親自身が強い意志を持つ必要があります。〔......〕

やめるには何を達成する必要があるかという目標を子供に決めさせるのもよいでしょう。

子供自身がやると決めた部活や習い事なのに,「サボっているな」「真剣に取り組んでいないな」と感じたら,厳しく叱るようにしましょう。幼少期に初志貫徹する習慣を付けることが,人生において物事を最後まで成し遂げる土台となります。

NGな叱り方とは?

次に,有りがちな良くない叱り方を挙げてみたいと思います。

他の子と比べる

「お兄ちゃんはできているのに......」「同じクラスのAくんは90点だったのに......」と他人と比較するのは止めましょう。悪い点数を取りたいと思って,わざと取る子はいません。その子なりに一生懸命やっているのに,その姿勢を親に認めてもらえないのは悲しいものです。

子どもは他人と比較されるだけで、親から愛されていないように感じ、傷つくものです

〔......〕他の兄弟や友だちと比較して本人に自信を失わせたり、親に不信感をもたせるような叱り方は完全に親失格です。

「親から差別を受けた」という不平や劣等感は、他者への不信や警戒心につながり、これから成長していろいろな人と良好な人間関係を築いていくうえで妨げになってしまうのです。 

過去のミス・失敗を責める

過去の出来事は変えることができません。したがって,過去のテスト結果やミスを感情的に叱ること自体に意味はありません。それよりも,失敗から何を学ぶかに重点を置くことが大切です。

親が感情的に叱ると,失敗を隠す子供に育ちます。親に怒られるのが嫌だからといって,成績表を隠すようになったり,自分に都合の悪いことに対して嘘を付いたりするようになります。失敗に蓋をするようになるので,そこから学ぶことができなくなってしまいます。

「失敗を乗り越える強さ」を身につけさせるためにも、失敗に激怒して子どもを委縮させてはいけません。子どもが自信を失わないように励ましつつも、失敗を率直に認め、包み隠さず、失敗の原因を自分で考えることの大切さを教えましょう

このようにして失敗を、そこから教訓を学ぶきっかけにすることが、「失敗を乗り越え、最後までやり遂げる力」を育むのです。

頭ごなしに否定する,感情的に叱る

親から見て「理解できない」「あり得ない」と感じるようなことも,頭ごなしに否定するのではなく,まずは子供の話を聞いてみてください。子供なりの事情や考え方があったりするものなので,親が歩み寄る姿勢を見せましょう。

明らかに子どもが間違っていたり、親として受け入れられないような子どもの言い分でも、相手が子どもだからと頭ごなしに否定したり、親の意見を無理に押し付けるのは大変危険です。子どもはそれを真似てしまい、「違う価値観を受け入れ理解する」という大切なコミュニケーション能力を発達させることができなくなるからです。

「親の私からするとあり得ない!」「子供の考え方が受け入れられない!」という理由で,子供をひどく叱ってきたご家庭がありました。小学生の間は,叱られる恐怖からか,子供はよく親の言うことを聞いたそうです。中学生になった今,誰の言うことも聞かなくなり,手の付けようが無い状態になっています。子供も親と同じように,自分とは違う意見・価値観に(たとえそれらが「ためになる」アドバイスであっても),耳を傾けることができなくなってしまいました

怒鳴ったり,体罰を与えたり,感情的に叱るのも危険です。子供は叱られないように,失敗を嘘で隠すようになります。「どうやったら上手くいくか」「次からどうするか」「失敗をいかに次に生かすか」を考えるよりも,「いかにバレないようにするか」「親に怒られないためには?」という方向に,頭を働かせるようになります。失敗から学ぶことができないため,教育的な効果は皆無であり,これでは本末転倒です。

感情的な親は、子どもがお箸を落とすだけでも厳しく叱りつけます。子どもが幼少期にこのような親とのコミュニケーション上の恐怖を経験すると、極端に親を恐れるようになったり、大人への不信感が生まれたりしてしまいます。そして子どもは防御反応として嘘をつくことを覚え、素直さを失っていきます。これでは、子どもにとってなんの教育的効果もありません。

何のために叱るのか

ここで,そもそも何のために子供を叱るのか,おさらいしてみたいと思います。

・最後まで粘り強く物事に取り組む力を育むため

・失敗から学び,次に生かす力を育むため

・子供自身で気付き,同じ間違いを繰り返さないようにするため

に叱るのであって,決して,

・劣等感を抱かせるため

・失敗を後悔させるため

・恐怖心を植え付け,親の思い通りにコントロールするため

に叱るのではありません。そして,叱ることによる教育的効果を得るためには,「子供に考えさせることができているか」が重要なポイントとなってきます。

子供に考えさせる叱り方をしよう

理由をしっかりと伝える

感情を爆発させて叱るのではなく,子どもの言い分を聞いてから,なぜいけなかったか,その理由を諭すようにしましょう。手間がかかるように思いますが,一度納得すると,子供は案外同じことを繰り返さないものです。繰り返したとしても,2回目以降は軽い注意をするだけで,すぐ止めるようになります。(逆に,なぜ叱られたか理解できていないと,何度でも同じことを繰り返すので,その度に叱らなければいけません。)

「これはこういう理由でやってはいけないんだな」と子供に納得させ,次から子供自身で思い出してもらえるように仕向けましょう

原因を考えさせる

起こった出来事を責め,恐怖心を抱かせるのではなく,「なぜ上手くいかなかったか」「どこが良くなかったか」と子供に質問して考えてもらいましょう。最初は,子供自身で答えられないかもしれませんが,このような声掛けを繰り返すこと自体に意味があります。失敗を冷静に振り返り,同じことを繰り返さないよう対策を立てる習慣が次第に身に付くためです。

 

以上,お子様の効果的な叱り方についてご紹介しました。ご家庭でまだ実践されていないものがあれば,ぜひ試してみてください。

次回は「正しい褒め方」について考察していきます。

 

☆10月4日(火)~10月20日(木),「『一流の育て方』から学ぶ!お子様の効果的な叱り方・正しい褒め方」セミナーを開催します。

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