『一流の育て方』をもとに,「ビジネスでも勉強でもズバ抜けて活躍できる子」を育てる家庭教育について考察します。
一流の育て方―――ビジネスでも勉強でもズバ抜けて活躍できる子を育てる
- 作者: ミセス・パンプキン,ムーギー・キム
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2016/02/19
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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『一流の育て方』では,リーダーシップがありグローバル企業で活躍する東大・京大・早慶生が記述したアンケート結果を基にした,効果的な家庭教育が紹介されています。本書を参考にしながら,今回は「書く習慣の身に付け方」について考えます。
書く習慣を付ける目的
そもそも,なぜ書く習慣を付けることは大切なのでしょうか。
子どものコミュニケーション能力を高めるうえで重要なことの一つに、書く習慣を身につけさせるということがあります。〔......〕理路整然と話す能力を獲得させるうえでとても効果が高いです。
書く習慣を付けると「話す能力」だけでなく,「思考力」も高まると私は考えます。文章には,書き手の思考回路が表れます。筋道立てて考えられていれば,理路整然とした文章が書けますが,頭の中が整理できていないと,やはり文章も冗長だったり飛躍があったりします。書く習慣を付けるということは,筋道立てて物事を考えたり,頭の中を整理して相手に伝えたりするトレーニングになるのです。
書く習慣を付けるコツ
では,どうすれば子供に書く習慣を身に付けられるのでしょうか。
書くことを嫌いにさせない
一番大切なポイントは,書くことを嫌いにさせないことです。「出来ない」「嫌だ」という感情を持ってしまうと,なかなか先に進めなくなってしまいます。まずはお子様に「書くことって楽しい!」「私は文章をよく書けるんだ!」と思ってもらうことが重要です。具体的には次のような点に気を付けましょう。
好きなことを自由に書かせる
子供が「書きたい!」と思えるテーマ・場面で,考えを自由に表現してもらいましょう。例えば,以下のようなものです。
- 日記
日課になり強制されると,子供が嫌になってしまう可能性があるので,イベントなど特別なことがあった日だけ,書いてもらうのも良いです。
- 読書感想文
本を読んでさらに感想を書くという行為が,お子様の負担になる場合は,避けたほうが良いです。『一流の育て方』にも以下のような記述があります。
読書感想文をつけることも効果があります。長女が小さいころに、本の題名と作者、主人公の名前だけを記入する、読書感想文ノートをつくってあげました。感想文まで書かせると負担になるので、それは自由に任せました。
- 手紙
〔......〕手紙を書くことを楽しめるように、かわいい絵柄のハガキや便せんを買いそろえて、長女の机に積んでおきました。彼女は従姉やお友だちにせっせと手紙を書き、返事をもらったときはとても嬉しそうで、ますます筆まめになっていきました。長じて大手新聞社の懸賞論文に応募し、一等賞を手にして、その論文が本になったほどです。
今では彼女は大学の教員として書くことや話すことを生業にしています。
男の子は,上記のようなものに取り組みにくい傾向があります。そのような場合,乗り物やロボット,宇宙など,好きなテーマについて,動画を見たり,実験したりして,意見や感想を書いてもらうと上手くいくかもしれません。
テラックでは授業でつくったロボットやプログラミング作品について,お子様に感想文を書いてもらっていますが,書くことが苦手というお子様でも楽しんで取り組むことができています。感想文や日記は嫌がって普段書かないけれども,ロボットや乗り物をテーマにすると,ご自身でタブレットを使って情報を調べ,どんどん作文を書くというお子様も少なくありません。
お子様が好きなテーマ・取り組みやすい方法が見つかれば,自然と書く習慣は付いてきます。
次回は「お子様に書く習慣を付ける方法【後編】」をお伝えします。
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