『やり抜く力』から学ぶ家庭教育~1.人生の成功に必要なのは「才能」ではなく「やり抜く力(グリット)」

本ブログでも,何度か触れている「やり抜く力(グリット)」。人生において成功できるかどうかは,「やり抜く力」の有無に左右されると言われています。『やり抜く力――人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける』(アンジェラ・ダックワース著/ダイヤモンド社)を読み解きながら,「やり抜く力」について考察を深めます。

やり抜く力――人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける

やり抜く力――人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける

 

 「才能」と「やり抜く力」は別物

学業やスポーツ,音楽など,様々な分野において,成績評価(才能)とグリッド・スコア(「やり抜く力」の示す数値)との間には,何の相関性も見られないことが明らかになっています。「才能がある」「呑み込みが速い」にも関わらず,「やり抜く力」が低い人たちが存在することを,筆者は指摘しています。

「才能」では成功できない

筆者は教師の経験があり,呑み込みが良く能力は高いけれども,成績が悪い生徒を多く目の当たりにしてきたそうです。逆に呑み込みが悪くても,あきらめずに何度も問題に挑戦した生徒は,成績がぐんと伸びたと言います。

ご自身やお子様の周りを見渡してみてください。幼いときは成績が良くても,学年が上がるにつれて,落ちこぼれてしまう生徒さんが,一人や二人はいるのではないでしょうか。物事のコツを掴むのは速いけれども,コツコツ努力する姿勢が養われず,年齢を重ねてしまったことが原因かもしれません。「才能」はあるのに「やり抜く力」が低いため,成功できないケースは少なくありません。もちろん学業だけでなく,スポーツや音楽,その他専門分野においても,当てはまる話です。

才能を「えこひいき」してはいけない

面白い実験結果があります。「成功するためには,才能と努力のどちらがより重要ですか?」「新しい従業員を雇うとします。知的能力が高いことと,勤勉であることでは,どちらのほうが重要だと思いますか?」と質問すると,アメリカ人の場合,圧倒的多数の人々が「努力」「勤勉であること」と答えました。音楽家たちも,同様の質問に対して,ほぼ例外なく,「生まれながらの才能」よりも「熱心に練習すること」のほうが重要だと回答したそうです。

一方でより間接的な方法によって心理的傾向を調査したところ,正反対の結果が表れました。同じピアノ演奏を,ピアニストの紹介の仕方を変えて聴かせたところ,音楽家たちは「天賦の才」に恵まれたピアニストのほうが,「努力家」のピアニストより,プロの演奏家として成功する確率が高いと評価しました。別の分野でも同様の結果が得られました。同じ事業計画のプレゼンテーションを参加者に聴かせたところ,「努力家タイプ」より「天才タイプ」の起業家のほうが,成功する確率が高いと評価したそうです。

自分が「ラク」だから人を神格化する

私たちはなぜ,才能を「えこひいき」してしまうのでしょうか。

「芸術家の素晴らしい作品を見ても、それがどれほどの努力と鍛錬に裏打ちされているかを見抜ける人はいない。そのほうがむしろ好都合と言っていい。気の遠くなるような努力のたまものだと知ったら、感動が薄れるかもしれないから」

「我々の虚栄心や利己心によって、天才崇拝にはますます拍車がかかる。天才というのは神がかった存在だと思えば、それにくらべて引け目を感じる必要がないからだ。『あの人は超人的だ』というのは、『張り合ってもしかたない』という意味なのだ」

つまり,「才能がある人」と神格化してしまったほうが,自分はやすやすと現状に甘んじていられるため,「努力」「やり抜く力」にスポットライトを当てないのです。

「私はどうでできないから」「うちの子は出来が悪いから」と,現状を「才能のなさ」のせいにしてしまう人が多くいますが,これも同様です。「才能」を言い訳にして,「努力」を放棄しているのです。「やり抜く力」の大切さを知り,自身の現状に向かい合うことのできる人が増えてほしいと思います。

 

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【親子で楽しむ!プログラミング教室@浜松】授業の様子 2016.10.08~11.13

2016年9月より開始した「親子で楽しむ!プログラミング教室」。おかげさまで,少しずつ受講者数も増えてきました。

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毎月ご参加くださるリピーター様も多く,感謝の気持ちでいっぱいです。

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 引き続き,皆さん,個々のペースでステップアップして,粘り強く考える力を高めてほしいと思います。

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【ロボットづくり講座】授業の様子 2016.10.01~11.13

Lego WeDo 2.0を使ったテラックのロボットづくり講座。なかなか活動報告を更新できませんでしたが(体調不良と多忙が重なってしまいました),2016年10~11月もたくさんの生徒さんがご受講くださいました。

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未就学児の生徒さん,初めてロボットづくりに取り組む生徒さんも,楽しんでご受講くださったようで,とても嬉しいです。

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どの生徒さんも,以前は難しかったことが,少しずつできるようになってきて,成長を感じます。引き続き,楽しみながら,想像力と思考力を養ってもらえればと思います。

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自律教育セミナー「子供に学習習慣を付ける方法」@浜松ビオあつみを開催しました

先日2016年11月10日(火),ビオ・あつみ エピスリー浜松さんにて,自律教育セミナー「子供に学習習慣を付ける方法」を開催いたしました。

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皆様が主体的にご参加くださったおかげで,活発な議論の場となりました。「これまで家庭教育のここが良くなかったんだなぁ」「今,子供が中学生だけど,小学生の間にこうしておけば良かった......」「これからは心を入れ替えて,接し方をこう変えていこう!」など,ざっくばらんな意見交換が行われました。

ご参加くださった皆様,ビオ・あつみ エピスリー浜松スタッフの皆様,本当にどうもありがとうございました。

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【2016.11.11 news every. しずおかにて放送】「子供の効果的な褒め方」セミナー内容をご紹介します

2016年11月11日(金)夕方6:15-7:00のnews every. しずおかにて放送の,弊社教育セミナー「子供の効果的な褒め方」の内容を一部ご紹介します。

自律教育セミナー「子供の効果的な褒め方」

1.褒める教育は効果的なのか

「褒める教育」「叱らない子育て」が話題となり,子供を褒めて育てている保護者様が少なくありません。果たして「褒める教育」は本当に効果的なのでしょうか。

何のために褒めるかというと,「子供に自信を付けさせたいから」「前向きに物事に取り組んでほしいから」という意見が聞かれます。しかし,褒められるだけでは,自己肯定感は高まりません。褒め言葉というのは,外部から与えられる刺激であり,自分の内側から湧き出てくるものではありません。そのため,褒められて得た自信というのは一時的で,脆く弱いものです。

それどころか,褒められることが当たり前になると,褒め言葉がないと頑張れない,少し厳しいことを言われると傷ついてしまう,弱い大人になってしまいます。

自己肯定感を高めるには,結局,本人が困難や壁を乗り越える必要があります。努力して,困難や壁を乗り越えた結果,自己肯定感が高まるのであって,褒められることで身に付くものではありません。子供の努力を引き出し,困難や壁を乗り越えられるようサポートするのが,良い褒め方であると言えます。

では,具体的にどのように褒めるのがよいのでしょうか。以下,悪い褒め方・良い褒め方をご紹介します。

2.悪い褒め方

むやみやたらに褒める

何かができないとき,成績が悪いときに,「あなたはやればできるのよ」と言って励ますのは良くありません。失敗を反省する機会を奪い,根拠のない自信を持たせてしまうためです。お子様を「実力の伴わないナルシスト」にしないために,明確な根拠がないときは褒めない,現実や失敗ときちんと向き合わせることが大切です。

簡単なことができたときに褒める

簡単なことができたときに褒めると,子供は「軽く見られているのかな」「嘘っぽいな」と感じてしまいます。また,簡単なことができて褒めても,困難や壁を乗り越える力は高まらないので,あまり効果的でないと言えます。

コントロールするために褒める

親の思い通りに子供を動かしたいから褒める,勉強をしてほしいからおだてるというのも,悪い褒め方です。子供がやりたくないことを,褒めたりおだてたりして,無理やりやらせても,長続きしません。ずっと褒め続けなければならない状況に陥ってしまいます。子供が本当にやりたいことかどうかを重要視する,子供が好きなことをやり抜けるよう,必要に応じて褒めてサポートするのが正しい姿勢です。

能力を褒める

何かができたとき,成績が良かったとき,「才能があるね」「頭が良いね」と褒めるのは悪い褒め方です。能力を褒めると,子供は何かが出来ないとき,「才能がないからだ」「頭が悪いからだ」と原因を能力に求めてしまいます。能力を褒められた子供は,「才能がないと思われたくない」「頭が悪いと思われたくない」と考え,できる課題にしか挑戦しなくなります。チャレンジ精神が失われてしまうので,注意が必要です。

3.良い褒め方

努力を褒める

能力ではなく,努力を褒めるのが,良い褒め方です。お子様が努力をしたことに対して,ぜひ「よく頑張ったね」と褒めましょう。努力を褒められた子供は,何かができなくても,「自分の努力がまだ足りないからだ」と考え,より努力するようになります

具体的に褒める

「前よりここの部分が良くなったよね」「1時間集中して勉強できたね」と,明確な根拠を示し,具体的に褒めましょう。成果がなかなか出なくても,姿勢やプロセスを評価していることを伝えると,子供は「見てくれている人がいるんだ」と安心して,さらに努力することができます

良い褒め方で「やり抜く力(グリット)」を引き出す

人生の成功を左右するのは,学力や才能,IQではなく,「やり抜く力(グリット)」であると言われています。良い褒め方を通じて,子供たちの「やり抜く力(グリット)」を高めていくことができればと思います。

以上,「子供の効果的な褒め方」について簡単にご紹介しました。

実際のセミナーでは,ワークに取り組んだり,チームで意見交換したり,ご自身の家庭教育について振り返る場も設けているため,より深く理解いただけると思います。「頭では分かっているけれども,なかなか実践できない!」という方は,特にセミナーへのご参加がおすすめです。普段は浜松での開催ですが,12月11日(日)には静岡でもセミナーを実施いたします。

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皆様のご参加を心よりお待ちしております。

 

【参考文献】

ほめると子どもはダメになる (新潮新書)

ほめると子どもはダメになる (新潮新書)

 

 

一流の育て方―――ビジネスでも勉強でもズバ抜けて活躍できる子を育てる

一流の育て方―――ビジネスでも勉強でもズバ抜けて活躍できる子を育てる

 

 

「学力」の経済学

「学力」の経済学

 

 

【保護者向け教育セミナー】news every. しずおかさんに取材いただきました

2016年11月8日(火),テラックの自律教育セミナー「子供の効果的な褒め方」を,静岡第一テレビ news every. しずおかさんが取材してくださいました。

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とても緊張しましたが,参加者の皆様より,「大変有意義な時間を過ごせました」「新しい気付きがありました」とのお声をいただき,良かったです。積極的に発言し,取材に貢献くださり,大変感謝しております。

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至らない点も多々あったと思いますが,丁寧に取材くださった記者さん,カメラマンさん,本当にどうもありがとうございました。感謝の気持ちでいっぱいです。

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今回取材いただいた映像は,11月10日(木)6:15~7:00(夕方)news every. しずおかにて放送予定とのことです。お時間が合えば,ぜひご覧ください。

※11月11日(金)に放送日が変更になるそうです。時間帯・番組に変更はありません。よろしくお願いします。

『一流の育て方』から学ぶ!お子様に書く習慣を付ける方法【後編】

『一流の育て方』をもとに,「ビジネスでも勉強でもズバ抜けて活躍できる子」を育てる家庭教育について考察します。

一流の育て方―――ビジネスでも勉強でもズバ抜けて活躍できる子を育てる

一流の育て方―――ビジネスでも勉強でもズバ抜けて活躍できる子を育てる

 

『一流の育て方』では,リーダーシップがありグローバル企業で活躍する東大・京大・早慶生が記述したアンケート結果を基にした,効果的な家庭教育が紹介されています。本書を参考にしながら,今回は「書く習慣の身に付け方」について考えます。

書く習慣を付けるコツ【後編】

前編はこちらよりどうぞ。

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書くことを嫌いにさせない

前編でも述べた通り,一番大切なポイントは,書くことを嫌いにさせないことです。「出来ない」「嫌だ」という感情を持ってしまうと,なかなか先に進めなくなってしまいます。まずはお子様に「書くことって楽しい!」「私は文章をよく書けるんだ!」と思ってもらうことが重要です。具体的には次のような点に気を付けましょう。

間違いを指摘し過ぎない

「ここはもっとこうしたら?」「こういう内容を書けば?」と多くアドバイスする保護者様がいらっしゃいます。一見,丁寧に添削してあげることは良いことのように見えますが,やり直しが多かったり,記述内容を否定されたりすると,子供は書くことが嫌になってしまいます

最初は,指摘箇所を1つか2つ程度にして,お子様が書くことに慣れてきたら,徐々にアドバイスの量・範囲を増やしていきましょう

良かった点は褒める

お子様の書いた日記や感想文などを見て,毎回,簡単にコメントしましょう。見てくれている人がいると,子供は頑張ることができます。保護者様が毎回見て,コメントしてあげると,書く習慣をコツコツ身に付けやすいです。

「この表現は,こういう理由でとても良いね!」「前より詳しく書けていて,すごいね」など,良かった点・改善した部分を具体的に褒めましょう。「そう思ったんだね~」と内容を確認したり,「ここの部分をもっと詳しく知りたいな」と聞いてみたりするだけでも効果的です。ぜひ適切なフィードバックをして,お子様に書く習慣を身に付けてもらいましょう。

以上,お子様に書く習慣を付ける方法についてご紹介しました。少しでも参考になれば幸いです。

☆随時,保護者様セミナーを開催しております。
詳細・ご予約はこちらよりどうぞ

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【デジタルものづくりラボ@遠鉄百貨店】ハロウィンイベントを開催しました

2016年10月29日(土)遠鉄百貨店さんにて,ハロウィンイベント「開けると光ってしゃべる!ハロウィンBoxづくり」を開催しました。

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Sony MESHで仕掛けをつくっていきます。

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「箱を開け閉めする→タグが明るさを感知する→ライトが光る」という仕組みを理解したとたん,お子様たちの表情が生き生きし始めます。

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好きな音を選んで,「箱を開け閉めする→明るさの変化を感知→光る→音が鳴る」という仕掛けをつくっていきます。

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作品づくりが早かったお子様には,他のMESHタグで新しい仕掛けを作ってもらいました。

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 ボタンタグを押すと写真を撮影するなど,他の仕組みも付け加え,親子で楽しんでいただけたようです。

今後もアイデアを形にできる,楽しみながら創造力と思考力を高められる講座やイベントを開催していきたいと思います。

☆レギュラー授業でもSony MESHを使った講座を実施しております

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【遠鉄スポーツクラブ・エスポさま】学童保育にてプログラミング体験会を行いました

2016年10月23日(日),遠鉄スポーツクラブ・エスポ様の学童保育で,プログラミング講座の体験会を実施しました。

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「PCやタブレットを触ったことがない子供が,楽しんで取り組めた」「子供の集中力に驚いた」など,嬉しい感想をいただきました。

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多くのお子様・保護者様の笑顔があふれる体験会となりました。

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キャラクターや自分の描いた絵が思い通りに動いた時の,お子様のキラキラとした表情や,保護者様の嬉しそうなお顔が見られて,私もとても幸せな気持ちになりました。

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体験会にご参加くださった皆様,ご協力くださったエスポスタッフの皆様,本当にどうもありがとうございました。

レギュラー化については,また改めてご報告できればと思います。

『一流の育て方』から学ぶ!お子様に書く習慣を付ける方法【前編】

『一流の育て方』をもとに,「ビジネスでも勉強でもズバ抜けて活躍できる子」を育てる家庭教育について考察します。

一流の育て方―――ビジネスでも勉強でもズバ抜けて活躍できる子を育てる

一流の育て方―――ビジネスでも勉強でもズバ抜けて活躍できる子を育てる

 

『一流の育て方』では,リーダーシップがありグローバル企業で活躍する東大・京大・早慶生が記述したアンケート結果を基にした,効果的な家庭教育が紹介されています。本書を参考にしながら,今回は「書く習慣の身に付け方」について考えます。

書く習慣を付ける目的

そもそも,なぜ書く習慣を付けることは大切なのでしょうか。

子どものコミュニケーション能力を高めるうえで重要なことの一つに、書く習慣を身につけさせるということがあります。〔......〕理路整然と話す能力を獲得させるうえでとても効果が高いです。

書く習慣を付けると「話す能力」だけでなく,「思考力」も高まると私は考えます。文章には,書き手の思考回路が表れます。筋道立てて考えられていれば,理路整然とした文章が書けますが,頭の中が整理できていないと,やはり文章も冗長だったり飛躍があったりします。書く習慣を付けるということは,筋道立てて物事を考えたり,頭の中を整理して相手に伝えたりするトレーニングになるのです。

書く習慣を付けるコツ

では,どうすれば子供に書く習慣を身に付けられるのでしょうか。

書くことを嫌いにさせない

一番大切なポイントは,書くことを嫌いにさせないことです。「出来ない」「嫌だ」という感情を持ってしまうと,なかなか先に進めなくなってしまいます。まずはお子様に「書くことって楽しい!」「私は文章をよく書けるんだ!」と思ってもらうことが重要です。具体的には次のような点に気を付けましょう。

好きなことを自由に書かせる

子供が「書きたい!」と思えるテーマ・場面で,考えを自由に表現してもらいましょう。例えば,以下のようなものです。

  • 日記

日課になり強制されると,子供が嫌になってしまう可能性があるので,イベントなど特別なことがあった日だけ,書いてもらうのも良いです。

  • 読書感想文

本を読んでさらに感想を書くという行為が,お子様の負担になる場合は,避けたほうが良いです。『一流の育て方』にも以下のような記述があります。

読書感想文をつけることも効果があります。長女が小さいころに、本の題名と作者、主人公の名前だけを記入する、読書感想文ノートをつくってあげました。感想文まで書かせると負担になるので、それは自由に任せました。

  • 手紙

〔......〕手紙を書くことを楽しめるように、かわいい絵柄のハガキや便せんを買いそろえて、長女の机に積んでおきました。彼女は従姉やお友だちにせっせと手紙を書き、返事をもらったときはとても嬉しそうで、ますます筆まめになっていきました。長じて大手新聞社の懸賞論文に応募し、一等賞を手にして、その論文が本になったほどです。

今では彼女は大学の教員として書くことや話すことを生業にしています。

男の子は,上記のようなものに取り組みにくい傾向があります。そのような場合,乗り物やロボット,宇宙など,好きなテーマについて,動画を見たり,実験したりして,意見や感想を書いてもらうと上手くいくかもしれません。

テラックでは授業でつくったロボットやプログラミング作品について,お子様に感想文を書いてもらっていますが,書くことが苦手というお子様でも楽しんで取り組むことができています。感想文や日記は嫌がって普段書かないけれども,ロボットや乗り物をテーマにすると,ご自身でタブレットを使って情報を調べ,どんどん作文を書くというお子様も少なくありません。

お子様が好きなテーマ・取り組みやすい方法が見つかれば,自然と書く習慣は付いてきます。

次回は「お子様に書く習慣を付ける方法【後編】」をお伝えします。

☆随時,保護者様セミナーを開催しております。
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