2016年11月11日(金)夕方6:15-7:00のnews every. しずおかにて放送の,弊社教育セミナー「子供の効果的な褒め方」の内容を一部ご紹介します。
自律教育セミナー「子供の効果的な褒め方」
1.褒める教育は効果的なのか
「褒める教育」「叱らない子育て」が話題となり,子供を褒めて育てている保護者様が少なくありません。果たして「褒める教育」は本当に効果的なのでしょうか。
何のために褒めるかというと,「子供に自信を付けさせたいから」「前向きに物事に取り組んでほしいから」という意見が聞かれます。しかし,褒められるだけでは,自己肯定感は高まりません。褒め言葉というのは,外部から与えられる刺激であり,自分の内側から湧き出てくるものではありません。そのため,褒められて得た自信というのは一時的で,脆く弱いものです。
それどころか,褒められることが当たり前になると,褒め言葉がないと頑張れない,少し厳しいことを言われると傷ついてしまう,弱い大人になってしまいます。
自己肯定感を高めるには,結局,本人が困難や壁を乗り越える必要があります。努力して,困難や壁を乗り越えた結果,自己肯定感が高まるのであって,褒められることで身に付くものではありません。子供の努力を引き出し,困難や壁を乗り越えられるようサポートするのが,良い褒め方であると言えます。
では,具体的にどのように褒めるのがよいのでしょうか。以下,悪い褒め方・良い褒め方をご紹介します。
2.悪い褒め方
むやみやたらに褒める
何かができないとき,成績が悪いときに,「あなたはやればできるのよ」と言って励ますのは良くありません。失敗を反省する機会を奪い,根拠のない自信を持たせてしまうためです。お子様を「実力の伴わないナルシスト」にしないために,明確な根拠がないときは褒めない,現実や失敗ときちんと向き合わせることが大切です。
簡単なことができたときに褒める
簡単なことができたときに褒めると,子供は「軽く見られているのかな」「嘘っぽいな」と感じてしまいます。また,簡単なことができて褒めても,困難や壁を乗り越える力は高まらないので,あまり効果的でないと言えます。
コントロールするために褒める
親の思い通りに子供を動かしたいから褒める,勉強をしてほしいからおだてるというのも,悪い褒め方です。子供がやりたくないことを,褒めたりおだてたりして,無理やりやらせても,長続きしません。ずっと褒め続けなければならない状況に陥ってしまいます。子供が本当にやりたいことかどうかを重要視する,子供が好きなことをやり抜けるよう,必要に応じて褒めてサポートするのが正しい姿勢です。
能力を褒める
何かができたとき,成績が良かったとき,「才能があるね」「頭が良いね」と褒めるのは悪い褒め方です。能力を褒めると,子供は何かが出来ないとき,「才能がないからだ」「頭が悪いからだ」と原因を能力に求めてしまいます。能力を褒められた子供は,「才能がないと思われたくない」「頭が悪いと思われたくない」と考え,できる課題にしか挑戦しなくなります。チャレンジ精神が失われてしまうので,注意が必要です。
3.良い褒め方
努力を褒める
能力ではなく,努力を褒めるのが,良い褒め方です。お子様が努力をしたことに対して,ぜひ「よく頑張ったね」と褒めましょう。努力を褒められた子供は,何かができなくても,「自分の努力がまだ足りないからだ」と考え,より努力するようになります。
具体的に褒める
「前よりここの部分が良くなったよね」「1時間集中して勉強できたね」と,明確な根拠を示し,具体的に褒めましょう。成果がなかなか出なくても,姿勢やプロセスを評価していることを伝えると,子供は「見てくれている人がいるんだ」と安心して,さらに努力することができます。
良い褒め方で「やり抜く力(グリット)」を引き出す
人生の成功を左右するのは,学力や才能,IQではなく,「やり抜く力(グリット)」であると言われています。良い褒め方を通じて,子供たちの「やり抜く力(グリット)」を高めていくことができればと思います。
以上,「子供の効果的な褒め方」について簡単にご紹介しました。
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