『やり抜く力』から学ぶ家庭教育~10.褒めても子どもの「やり抜く力」は引き出せない

人生において成功できるかどうかは,「才能」ではなく,「やり抜く力」の有無に左右されると言われています。『やり抜く力――人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける』(アンジェラ・ダックワース著/ダイヤモンド社)を読み解きながら,「やり抜く力」について考察を深めます。

やり抜く力 GRIT(グリット)――人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける

やり抜く力 GRIT(グリット)――人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける

 

 褒めても「やり抜く力」は高まらない

「叱らない子育て」「褒める教育」が一時話題となりました。子どもを褒めると,やり抜く力は高まるのでしょうか。

  • 少し頑張ったら「すごいね」と褒める。
  • もっと頑張ってほしいから,親の希望通りに動いてほしいから,子どもがあまり努力していないのに,「すごい!」「やれば出来るよ!」とおだてる。
  • 目標を達成していないのにご褒美を与える。頑張ったのにかわいそうだ。

お子様にこのような声掛けや接し方をしていないでしょうか。著者は自身の子育てについて次のように振り返っています。

娘たちに対する自分の接し方を振り返って、私は反省した。私は学習に必要な条件をつくっていなかった。つまり、「がんばったらごほうびがもらえる」(「がんばらなければ、ごほうびはもらえない」)というルールを、子どもたちに認識させる環境をつくっていなかった。

子どもたちにとって望ましい適切なフィードバックを与えることが、私にはなかなかできなかった。娘たちがどんなことをしても、ついほめてしまった。

適切なフィードバックが「やり抜く力」を引き出す

子どもが何をしても褒めるのではなく,基準を明確にし,毅然と接しましょう。以下のような接し方を心がけることが大切です。

  • 本当に頑張ったときだけ「よく頑張ったね」と褒める
  • まだ足りていない点について言及する。「ここを直した方がいいね」と伝える。「どうすれば良いかな?」と子供に考えさせる。
  • 頑張っていても,目標を達成できなければご褒美は与えない。「よく頑張っているね」「目標が達成できるまで,もう少し頑張ってみよう」と励ます。

物事をやり抜くためには,数々の挫折や困難を乗り越える必要があります。そのために子どもの甘えを許してはいけません。「良く頑張ってるね」と努力した点については認め,「もっとこうしてみたら?」と努力の方向性を示しましょう。挫折や困難を乗り越えることができれば,さらに高い目標に向かって努力することができます。時には厳しいことも伝え,子どもの「やり抜く力」を引き出しましょう。

 

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