『Learn Better――頭の使い方が変わり、学びが深まる6つのステップ』(アーリック・ボーザー著/英治出版)をもとに,効果的な学習法について探ります。
Learn Better――頭の使い方が変わり、学びが深まる6つのステップ
- 作者: アーリック・ボーザー,月谷真紀
- 出版社/メーカー: 英治出版
- 発売日: 2018/07/19
- メディア: 単行本
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ミスを記録すると学習成果が上がる
学習の成果を高めるためには,ミスを記録することが効果的です。本書では,ミスを書きだすことによりミスが大幅に減ったという事例が紹介されています。
[……](トロント在住の脳外科医)バーンスタインは一〇年間にわたって手術中に起きたミスをすべて書き出していた。チューブ一本落ちても、縫合部がうまく接着しなくても、いちいち記録した。[……]
後にバーンスタインと同僚がデータを検証したところ、ミスを記録するという行為には大きな効果があるとわかった。ミスを書きだす、つまり、フィードバック・システムを作ることによって、チームのミスは大幅に減った。
学習の際にミスを記録しよう
学習効果を上げるために,ぜひ日ごろからミスを記録するようにしましょう。ミスを記録してパターンに気づき,今後に生かせるよう,私は生徒さんに次のようなノートを作ることをおすすめしています。
①ノートの見開きを使います。
②左側に間違えた問題を書き出します。
③右側に間違えた原因や,正しい考え方を記述します。なぜ間違えたのか,どの部分が違ったのか,なるべく具体的に分析して,後から見て分かるようにしておきます。
私はこのノートのことを「ポイントノート」と呼んでいますが,ポイントノートを作ることによって,自分の弱点や間違いのパターンが掴めるようになってきます。
誰でも同じ間違いを繰り返しやすいものです。時には「また同じような問題を間違えた!」「こんな簡単な問題もできないなんて……」と辛い思いもするかもしれません。著者は次のように言います。
もちろん、このような綿密なモニタリングにはマイナス面もある。成果を追跡していくとばつの悪い思いもする。少なくとも私は、文章のプロなのにいまだに「which」と「that」を取り違えるのを認めるのはやはり恥ずかしい。[……]それでも、このように意識の焦点を絞ると成果は向上する。パフォーマンスの観察をまめに行うとほぼ何でも上達する。
間違いやできないことに向き合うのは辛いかもしれませんが,学習の効果を出すためにぜひ壁を乗り越えましょう。
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