『ずっとやりたかったことを、やりなさい。』(ジュリア・キャメロン著/サンマーク出版)をもとに,効果的な家庭教育について考えます。
親の否定的な声かけが創造性を蝕む
子どもは誰しも創造性を内に秘めているのに,不安を煽るような親の忠告によって,創造性を発揮することを諦めてしまうと本書では書かれています。
〔……〕子どもがなんらかの創作意欲を示したとき、「やってごらん」と挑戦させてくれる親がどれくらいいるだろう。ほとんどの親は、子どもを支えてやるべきときに、警戒心を煽るような忠告をすることのほうが多い。
すると子どもは次第に,次のような否定的な思い込みをするようになります。
<私が創造的なアーティストとして成功できないのは……>
- 親の反対にあいそうだから。
- アイデアに乏しいから。
- お金になりそうにないから。
- 成功するのが無理だとわかり,落ち込んでしまいそうだから。
- 自分の中にたった一つしかよい作品をもっていないから。
- もう遅すぎるから。
創造性を回復するためには,まずこのような否定的な思い込みを打ち消すことが大事です。おびえが強すぎてアーティストになれない人,自己評価が厳しすぎて自分がアーティストになる夢をもっていることを認められない人が多くいると筆者は言います。その思い込みの原因を探ると,親や周囲の大人,ときには友人から投げかけられた否定的な言葉であることが多いそうです。
肯定的な声かけをして,子どもを見守ろう
子どもが創作意欲を示したとき,「そんなつまらないものを作って何になるの?」「お友だちの作品の方がすごく見えるけど?」「こんなものを作るのに2時間もかけたの?時間がもったいない……」など否定的な声かけをしていないでしょうか。
プログラミングやロボットの授業をしていると,保護者の方が悪気なくこのような声かけをされるのを耳にすることがあります。子どもは寂しそうな表情をして,やはり創作意欲も失われてしまいます。
最初はなかなか良い作品が作れなかったり,大人から見るとつまらない作品だったりするかもしれませんが,失敗や試行錯誤を通して作品のレベルも上がっていきます。
子どもが創造性を発揮できるよう,「今日はこんな作品を作ったんだね!」「ここが面白いと思うよ!」「もうちょっとこうしたら,もっと面白いんじゃないかな?」と肯定的な声かけをぜひ心がけてみてください。