「子どもの自主性を大切にしたいので、勉強については本人に任せています」
教育相談でも、このようなお話を伺うことがあります。子どもの自主性を尊重することは、もちろん大切です。
しかし、ここで気をつけていただきたいのが、自主性を尊重することと、放任することは違うという点です。
子どもに任せれば自主性が育つ?
例えば、小学生のお子さんに、「勉強は自分で考えてやりなさい」と伝えたとします。すでに学習習慣が身についていて、自分で計画を立てられる子であれば、それでも問題ないかもしれません。
しかし、何を勉強すればよいか分からない子や、時間の管理が苦手な子の場合はどうでしょうか。何から始めればよいか分からず、結局何もしないまま一日が終わってしまうかもしれません。
このような状態で「本人の自主性に任せている」と考えるのは、少し注意が必要です。
自主性を育てるにはサポートが必要
子どもが自分で物事を判断できるようになるためには、経験や知識が必要です。
例えば、まだ料理をしたことがない子どもに、「今日の夕食を全部自分で作ってね」と言っても、何から始めればよいか分からないでしょう。最初は大人と一緒に作り、少しずつできることを増やしていくはずです。
勉強も同じです。最初からすべてを任せるのではなく、子どもの成長に合わせて、少しずつ自分で判断できる範囲を広げていくことが大切です。
親が決めること、子どもに任せること
例えば、
- 毎日一定の時間を家庭学習に充てることは、保護者と相談して決める。
- その一方で、算数と国語のどちらから始めるかは子どもに任せる。
- あるいは、学習内容については保護者が大まかな方針を示し、具体的な進め方は本人に考えてもらう。
このように、保護者が必要な枠組みを用意しながら、その中で子どもに選択してもらう方法があります。
重要なのは、子どもが自分で判断できる部分を少しずつ増やしていくことです。

「本人が嫌がるから何もしない」は要注意
「子どもが勉強を嫌がるので、無理にはさせていません」というお話を伺うこともあります。もちろん、子どもの気持ちを無視して、無理やり勉強させることがよいとは思いません。
しかし、子どもが嫌がるからという理由だけで、必要な学習をすべて避けてしまうのも考えものです。
- なぜ嫌がっているのか。
- 内容が難しすぎるのか。
- 勉強の仕方が分からないのか。
- 疲れているのか。
- それとも、ほかに困っていることがあるのか。
まずは原因を考え、必要なサポートをすることが大切です。
自主性とは「何もしなくても育つもの」ではない
自主性を尊重するということは、子どもの好きなようにさせることではありません。子どもが自分で考え、判断し、行動できるように支援することです。そのためには、大人の関わりが必要な時期もあります。
子どもの成長に合わせてサポートを減らしていき、最終的には自分で判断できるようにする。それが、自主性を育てるということではないでしょうか。
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