『小学校教師だからわかる 子どもの学力が驚くほど上がる 本物の家庭教育』(杉渕鐵良 著/すばる舎)をもとに,効果的な家庭教育について探ります。
「学校の宿題」以外の学習は必要?
「学校の宿題でいっぱいいっぱいなので,他の勉強はやらせていません」「勉強は分からないようだけど,小学生のうちに遊ばせておかないとかわいそう」「宿題をやっているから勉強は十分」という保護者の方がいます。小学校の宿題だけで,本当に十分なのでしょうか。
学校の宿題は「授業内容の確認」
学校の宿題は,数日前やその日習ったことの確認として出されることが多いです。もし宿題をやるのに苦戦しているあれば,まだ完全に内容を習得しきれていないということです。週末など時間があるときに,学校の授業内容を補えるような自主学習を行った方がよいでしょう。
学校の宿題がすらすらできたとしても,注意が必要です。学校で習った直後なので内容を覚えているだけで,数週間後,数ヵ月後に取り組んでみると,意外にできないというケースが少なくありません。『小学校教師だからわかる 子どもの学力が驚くほど上がる 本物の家庭教育』(杉渕鐵良 著/すばる舎)では,次のように書かれています。
宿題の大半は、教科書準拠のプリントやドリルですが、子どもは今日習ったことを宿題に出されると、記憶が残っているので機械的に解いてしまいます。[……]
数日後、数週間後に同じ問題を出して答えられるかは怪しいでしょう。[……]
宿題は授業の補足として出るものです。1年間をトータルで見て、定着を目標に計画的に宿題を割り振ってもらえることは、ほとんどないと言っていいでしょう。
学校の宿題+αの学習が大切
小学校の宿題やカラーテストはよくできていたのに,中学に入って行き詰ってしまう生徒さんがいます。小学校での学習内容がきちんと定着していないのに,それに気づかずに中学生になってしまったことが原因の一つです。
学習習慣の重要性
中学生になると定期テストが始まり,家庭学習の時間が大幅に増えます。小学生の間に学校の宿題しか取り組んでこなかった子どもは,中学校での学習内容の難しさ,学習時間の増加に面食らってしまいます。このような観点からも,小学生の間に宿題+αの学習をする習慣を付けておくことは,とても大切なのです。
中学校に入ってから,「小学校ではよく出来たのに……」「こんなはずじゃなかった」「もっと早くスタートダッシュを切っておけばよかった」と後悔することのないよう,ぜひ小学生の間に自主学習の習慣を付けましょう。弱点を克服し,得意分野をさらに伸ばせるような+αの学習に,ぜひご家庭で取り組んでみてください。