子どもに「もっと考えてごらん」と言っても、すぐに答えが出てこないことがあります。それは、“考える力”が足りないのではなく、“考えたくなる問い”をまだもらっていないから。
今の学習は、知識を詰め込むよりも「どう考えるか」を重視する方向に変わっています。
では、家庭でできる“考える力”の育て方とは、どのようなものでしょうか。
① 「答え」より「過程」を聞く
多くの子が、答えが合ってるかどうかばかり気にします。でも本当に大切なのは、「どうしてそう思ったの?」という過程。
たとえば算数の文章題なら、「どうやって式を立てたの?」「そのやり方を選んだ理由は?」と聞くだけで、子どもの思考が整理され、説明する力も育ちます。
② 「なぜ?」を3回重ねる
最初の「なぜ?」で終わらせず、もう2回聞くと深い思考になります。
たとえば理科で「雨が降るのはなぜ?」と聞かれたら、「水蒸気が雲になるから」→「なぜ水蒸気ができるの?」→「太陽が水を温めるから」というように、原因をたどる練習ができます。この“3段階のなぜ”は、探究型学習の基本でもあります。

③ 否定せず聞き返す
間違った答えでも、すぐに「違うよ」と言うのはNG。代わりに「なるほど、そう思ったのはなぜ?」と返してみましょう。
子どもは「自分の考えを受け止めてもらえた」と感じ、次の発言につながります。安心感があると、子どもはどんどん自分の考えを外に出せるようになります。
④ 遊び・日常に“問い”を仕込む
「なぜ空は青いの?」「もし〇〇だったらどうする?」そんな“なんでだろう”を家庭で楽しむだけでも立派な思考トレーニングです。
料理中の計量、買い物の値段比較、ニュースの話題――どれも問いの宝庫です。「そういえばこのニュース、あなたならどう考える?」と聞く習慣を持つと、親子の会話が学びになります。
⑤ “問い”を共有して終わる
すぐに答えを出さず、「明日また考えてみようか」で終えるのもおすすめです。時間を置くことで、子ども自身が“考える余白”を持てるようになります。
親がすぐに結論を出さない姿勢こそ、考える力を育てる最大のポイントです。
まとめ
「問いかけること」は、子どもを信じることでもあります。“教える”より“聞く”が増えると、子どもは自分の頭で考え始めます。
家庭の中で少しずつ、「なぜ?」「どうして?」が飛び交う空気を作ってみましょう。その積み重ねが、将来の思考力・表現力・創造力を育てます。
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