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『ビリギャル』の中で特に保護者の方に知っていただきたいこと

今回は『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶応大学に現役合格した話』(通称『ビリギャル』/坪田信貴著)を取り上げます。

子供を持つ保護者・教育者の方にぜひお伝えしたいことを,私の経験や解釈も交えながら記します。

成績を伸ばせるかどうかは,子供の性格にかかっている

坪田先生(『ビリギャル』筆者であり塾講師)が,さやかちゃん(主人公のギャル)と初めて会ったとき,「この子は伸ばせる」,「目を合わせてしっかりと挨拶できる」「受け答えが素直」だから「勧めたやり方をすぐに受け入れるのではないか」と感じた,という記述がありました。教育業界に携わっている私も,「素直な子供ほど講師の言うことを聞き入れ,ぐんぐん成長する」ということは,経験上よく知っています。逆に『ビリギャル』にも書かれていた通り,プライドが高く自説・行動を変えようとしない子供は,講師の言うことを吸収しないため,なかなか成長できません。子供の性格と学習状況は密接に関係しているのです。しかし塾で子供の性格を変えることは難しいです。子供と一緒に長い時間を過ごす親の影響が大きいためです(「子供を変えたければまず親が変われ」という本ブログのタイトルに行きつきます)

「失敗しても許される環境」を子供に与える

さやかちゃん(主人公のギャル)のような,「物事をぐんぐん吸収できる,素直な子供」を育てるにはどうすればよいのでしょうか。さやかちゃん(主人公のギャル)のお母さん(以下「ああちゃん」)の教育が非常に参考になります。

「ただの学歴にも名声にも意味はない。だから,子どもに大人の理想は押し付けない。本人がワクワクすることだけをさせる」

「子どもに絶対に腹を立てない。たたかない。子供なりの理由をよく聞いて,さとして,わかってもらう」

「世界中が敵になっても,我が家だけは絶対的に味方だ,と思える環境を作る。怖い親にはならない」

このように,ああちゃんはさやかちゃんに「失敗しても許される環境」を与えていました。「人の言うことを素直に聞き入れられるか」「臨機応変にやり方を変更し,物事を吸収していけるかどうか」は,「失敗しても許される環境」が用意されているかにかかっていると思います。「失敗したら怒られる」「出来ない子だと呆れられる」環境では,人の言うことをなかなか聞き入れられず,また失敗しながら学んでいくことが出来ず,伸び悩んでしまうのです。「失敗しても許される環境」を子供に与えること,「失敗しても責めない」,「子供のやり方を尊重する」,「親のやり方を押し付けない」教育が,「スポンジのように物事をぐんぐん吸収できる,素直な子供」をつくります。

家庭円満が「グレない」子供をつくる秘訣

ああちゃん(主人公ギャルのお母さん)の教育は良い面ばかりではありませんでした。『ビリギャル』には,以下のような後悔が紹介されていました。

「子どもが幸せに育つには,夫婦の心がひとつでないといけません。あの頃は,夫婦がお互いに我を張って,口も聞かずに過ごしていました。」

「夫の良さを子どもたちに伝えていなかったことを,本当に申し訳なく思っています」

さやかちゃん(主人公のギャル)も,自身ががグレはじめた原因として,パパを挙げています。「頑張って勉強して中学受験に受かったのに認めてくれない」,「弟ばかりかわいがるパパに反発して,友達との絆を求めたのかもしれない」と語っています。服装を派手にしたり,友達と夜中までずっと一緒にいて,勉強以外のことばかりしていたそうです。「夫婦仲が悪い」,「家族に頑張りを認めてもらえない」,「兄弟で大きく差別される」場合,子供が非行に走りやすくなるということは,多くの生徒さんを見てきて私も感じたことです。「夫婦仲を円満にすること」「子供が努力して物事を達成したときは,頑張りを認めてあげること」をぜひご家庭で心掛けていただきたいです。

子供を変えるためには,親も努力しなければならない

上述のように子供が勉強に集中できるかどうかは,家庭環境・教育に大きく左右されます。だから子供を「塾に通わせているだけで安心」していてはいけません。家庭環境・教育で子供の素地が形成されるので,親は教育に関心を持ち,子供に対し効果的に接していく必要があるのです。

教育を提供する側の立場から見ると,「子供に勉強を教える」だけでなく「親に子供の状況を知ってもらうこと」「子供に対する効果的な接し方を学んでもらうこと」が大切であると言えます。坪田先生(『ビリギャル』筆者であり塾講師)のおっしゃる通り,塾で子供の家庭に関する悩み相談に乗り,心を軽くしてあげることは重要です。私自身も塾講師をしていた時に,多数の生徒の悩み相談に乗っていました。しかし塾講師という立場上,どうしても子供の話しか聞いてあげることしかできず,親と直接話す機会が乏しかったです。その際,私が感じたことは「子供の考えを親に伝え,親に変わってもらわなければ,結局子供は辛い思いをし続けるのだ」「塾で子供の相談に乗っているだけでは,子供を取り巻く環境は根本的に改善されず,子供は勉強に集中できないままだ」ということです。

「子供だけ教えること」は,あまり意味がない

上記を踏まえて,私が経営する合同会社テラックでは,お子様のみの指導は承りません。保護者様にも必ずセミナーを受講いただき,お子様に対する効果的な接し方を学んでもらいます。授業実施後,毎回,進捗やお子様の授業中の様子,家庭での注意事項を記載したメールをお送りしています。授業の効果を最大限に発揮するためには,家庭教育・環境の改善が必須であるためです。 

今回の記事でご紹介した通り,『ビリギャル』は決して単なる受験ノウハウ本ではなく,教育に関する重要な議題や考えさせられるようなエピソードが多数掲載されています。一人でも多くの方が本書を手に取り,また教育に関心を持ち,子供を取り巻く環境が改善されるよう願っています。

 

 

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