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『使える弁証法』×教育①「子供の成績・成長にスランプは付きもの」

何だか子供が成長していない気がする,次から次へと問題が出てきてこのままで良いか分からないーーこのような悩みをお持ちの方は,ぜひ今回の記事をお読みいただければと思います。

物事は螺旋(らせん)的に発展する

『使える弁証法』(田坂広志 著/東洋経済新報社)に次のような記述があります。

 世の中のすべての物事の進歩や発展は,

右肩上がりに一直線に進歩・発展していくのではない。

あたかも螺旋階段を登るようにして進歩・発展していく。

教育事業の展開を通じて,人の成長に関しても同様のことが言えると感じています。一気にステップを駆け上がっていくのではなく,一度あたかも下がったように見えることがあるのです。『使える弁証法』では,この現象について,以下のような説明がされています。

この螺旋階段を,遠く,横から見ていると,この人は,螺旋階段を上に登っていきます。

すなわち,この人は,より高い位置へと,「進歩・発展」していくように見えます。

しかし,この螺旋階段を,高く,上から見ていると,どう見えるか。

この人は,螺旋階段を登るにしたがって,柱の回りをぐるっと回って,元の所に戻ってくるように見えます。先ほどまでいた場所に戻ってくるように見えます。

すなわち,この人は,昔の場所に,「復活・復古」していくように見えるのです。

しかし,よく見れば,ただ元の場所に戻ってくるのではない。

螺旋階段を登ることによって,必ず,一段,高い場所に登っています。

具体的にどういうことなのか,教育に関する事例を挙げて考えていきたいと思います。

人は成長するときスランプに陥っているように見える

まず先生のアドバイスが理解できない状態にあるとします。先生が何を言っても,理解できないので,行動を変えることができない状態です。

次に,そこから成長して,先生のアドバイス自体は理解できるようになったとします。周囲は「変わったね!」とその成長を称賛し,状況が劇的に改善するのを期待します。しかし,子供の行動は以前と変わらず,成績も上がりません。「あれ,やっぱり変わってないのでは?」と周囲は心配し,子供を責めるかもしれません。しかし,子供は初期と比べて,一段高い場所にいます。先生のアドバイスは理解できるようになったけれども,まだ実践できないという段階にいるのです。

そこからさらに成長すると,アドバイスを実践できるようになり,子供の行動が変わってきます。しかし周囲は「先生のアドバイスがないと自分で行動できないんだね」とまた落胆します。しかし,子供は確実に成長していて,もう一段高い場所にいるのです。

このように一見,状況が停滞したり,悪化したりしているように見えても,実は成長しているという場合は多いです。次第に周囲の期待が高くなることも,ますます子供が成長していないように感じる要因です。

 ご参考までに,螺旋階段的成長の例を,他にもいくつかご紹介しておきます。

  • 自分の考えを言葉で書き表せない→[クリアして一段高いステップへ]→どのような文章構成で自分の考えを伝えるのが良いか分からない
  • 順序立てて計算式を書けない→[クリアして一段高いステップへ]→文章題を読み解き自身で立式できない

どうしても「今できない」ことにフォーカスしてしまい,子供の成長に気付けない親が多い気がします。子供の自信を高めるためにも,以前より良くなった点を親が認識し,褒めることが大切です。

 子供の「できない」部分が気になったり,成長していないと感じたりしたときは,今回の話を思い出し,「本当にそうだろうか?」と自問してみてください。

 

 

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