親が東大卒ならば,その子供は社会で活躍しやすいのでしょうか。逆に親の学歴が低ければ,子供はニートになりやすいのでしょうか。今回は,子供がニートになる確率と親の学歴の関係性について考えてみます。
子供の将来と親の学歴の関係性
【復習】子供をニートにしてしまう教育法
まずはこれまでの議論を思い出してみましょう。子供をニートにしてしまう教育法は次の5つでした。
(1)親が何でも子供の代わりにやってあげる
(2)親の価値観・やり方を押し付ける
(3)無理やり勉強ばかりさせる
(4)子供の努力・成長を褒めない
(5)甘やかせ過ぎ
(詳細は以下の記事をご覧ください。)
高学歴の親が陥りやすい「罠」の検証
(1)~(3)(5)は以下の理由より,高学歴な親ほど実施してしまいがちな教育だと思われるかもしれません。
(1)親が何でも子供の代わりにやってあげる
出来ない子供を見ていられず,つい親がやってしまうのでは?出来る親ほど出来ない子供を見ていられないのではないか?
(2)親の価値観・やり方を押し付ける
高学歴の親ほど自身の価値観・やり方を正しいと思っていて,子供に押し付けるのではないか?
(3)無理やり勉強ばかりさせる
勉強が出来ないのは恥ずかしいと考え,子供に勉強ばかりさせるのではないか?
(5)子供の努力・成長を褒めない
「出来て当たり前」なので,子供をめったに褒めないのではないか?子供に対する要求水準が高いのでは?
たしかに高学歴の親には,このような側面もあるのかもしれません。しかし学歴が高ければ,論理的思考力や考察力も高い傾向にあるので,子供の様子を観察し,家庭教育が効果的でないと感じたら,すぐに修正することができます。他人のアドバイスを理解する力も高く,どんどん家庭教育を改善していくことができるのです。
効果的な家庭教育ができるかは,親の論理的思考力や考察力にかかっている
すなわち効果的な家庭教育ができるかどうかは,親の学歴ではなく,論理的思考力や考察力にかかっています。子供の様子を見て家庭教育の効果を測定する→効果がなければ原因を探り対策を立てる→対策を実行するというサイクルを親が回せるかどうかが重要なのです。
親の学歴が高いからといって,子供が社会で活躍できる保証はありません。親の学歴が低いからといって,子供がニートになりやすいということもありません。親が子供の様子をきちんと観察し,問題に気付けば家庭教育を改善するーーこれさえできれば,子供は理想的な方向にぐんぐん成長していくはずです。
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