『やり抜く力』から学ぶ家庭教育~8.子供のころの褒められ方が一生を左右する

人生において成功できるかどうかは,「才能」ではなく,「やり抜く力」の有無に左右されると言われています。『やり抜く力――人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける』(アンジェラ・ダックワース著/ダイヤモンド社)を読み解きながら,「やり抜く力」について考察を深めます。

やり抜く力 GRIT(グリット)――人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける

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才能ではなく努力を褒める

「やり抜く力」が身に付くかどうかは,子供のころの褒められ方で決まります。大人になって成功や失敗をしたとき,その原因を自分の才能に結びつけるか,努力に結びつけるかが変わってくるためです。本ブログでも「子供の才能ではなく努力を褒めよう」と度々お伝えしてきました。

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本書では,「やり抜く力」を妨げる声掛け・伸ばす声掛けが紹介されています。

「成長思考」「やり抜く力」を妨げる表現

  • 「才能があるね!すばらしい」
  • 「まあ,挑戦しただけえらいよ」
  • 「よくできたね!君はすごい才能を持っている」
  • 「これは難しいね。できなくても気にしなくていいよ」
  • 「これは君には向いていないのかもしれない。でもいいじゃないか。君にはほかにできることがあるよ」

「成長思考」「やり抜く力」を伸ばす表現

  • 「よくがんばったね!すばらしい」
  • 「今回はうまくいかなかったね。一緒に今回の方法を見直して、どうやったらもっとうまくいくか考えてみよう」
  • 「よくできたね!もう少しうまくできたかもしれないと思うところはあるかな?」
  • 「これは難しいね。すぐにできなくても気にしなくていいよ」
  • 「もうちょっとがんばってみようか。一緒にがんばれば必ずできるから」

 「やればできる」と親が信じることが大切

人はスキルを習得することはできるが,スキルを習得する能力,すなわち才能は伸ばせないという考え方があります。このような考え方を本書では「固定思考」と呼んでいます。

「固定思考」をする親は,子供の才能ばかりを評価し,やり抜く力を軽視する傾向にあります。「うちの子は才能がある」「周りの子供より理解が早いからすごい!」と才能を評価し,努力する姿勢については考慮しません。逆に「うちの子はどうせできない」「親もこんなのだから,子供もできなくて当たり前」と才能のせいにして諦めてしまうこともあります。

これに対して「成長思考」の人たちは,人間は変われる,成長できると信じています。「成長思考」の親は,子供の限界点を決めず,「どうやったらもっと出来るようになるか」と考えたり,「(IQや才能ではなく)コツコツ頑張る姿勢を引き出すにはどうすればいいか」と試行錯誤します。結果として,「固定思考」の親を持つ子供は「固定思考」に,「成長思考」の親を持つ子供は「成長思考」になりやすいように感じます。

〔......〕「固定思考」に人たちがいずれ困るのは〔......〕、人生には浮き沈みがあり、いつかは必ず困難なできごとにぶつかるからだ。そんなとき、「固定思考」はとてつもない障害となる。たとえば通知表にCマイナスを付けられたリ、不採用通知を受け取ったり、仕事の進捗レビューの評価ががっかりするほど低かったりすると、もうだめだと思ってしまう。

「固定思考」の人はそのような挫折の経験を、自分には能力がない証拠だと解釈してしまうのだ。それに対し「成長思考」の人は、努力すればきっとうまくできると信じている。 

「成長思考」の人たちの方が,「固定思考」の人たちよりも「やり抜く力」が高いことが実験により証明されています。子供たちが「成長思考」「やり抜く力」を身に付け,将来社会で活躍できるよう,まずは親が「成長思考」を理解し,考え方を転換することが大切です。

 

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