先日,生徒さんと一緒に英作文に取り組みました。「フリーマーケットにあなたはよく行きますか。答えと理由を答えなさい」というテーマでした。
生徒さんは「フリーマーケットには行かない。だって『安物買いの銭失い』って言うから」と答え,「『安物買いの銭失い』って英語でなんて言うんだろう?」と考え始めました。「う~ん、分からないなぁ」と悩んだ末,「Google翻訳にかけよう!」と翻訳サービスに頼り始めました。
英語を使うときの脳内処理
英語(外国語)を使うとき,頭の中で次のようなステップを踏みます。
①自分の意見を明確にする
今回の場合は「自分はフリーマーケットに行くか,行かないか」「それはなぜか」を考えます。
②自分が思い描いている現象・日本語がどのような状況を指すのか解釈する
「安物買いの銭失い」とは,「安いものを買って結果として損すること」。あるいは「安いものを買うと不具合があるかもしれない」「新品と違って保証サービスがないから」等の言い換えもできるかもしれません。
言葉の意味や内容を解釈し,外国語に翻訳しやすい形に言い換えます。
③日本語から外国語に言い換える
「安いものを買って損すること」「安いものを買うと不具合があるかもしれない」「新品と違って保証サービスがないから」等の表現を外国語に言い換えます。
このようなステップ①~③では,思考力や国語力が問われます。「英語を習う前に,国語をできるようにした方がいいですよ」と保護者の方に話すことが多いですが,それはこのような理由からです。
英語力を付けるためには思考力と国語力が鍵
簡単な英会話を習ったり,ネイティブの英語をたくさん聞いても,思考力や国語力がなければ,英語を使いこなせるようにはなりません。英語のシャワーを浴びても(海外留学を除く),せいぜい中1の英語定期テストで少し良い点数が取れるくらいでしょう。
普段何気なく使用している言葉や概念を別の角度から捉え直すことに,外国語を学ぶ意味や醍醐味があるのではないでしょうか。ビジネスや学術的な場面で使える英語力を身に付けるために,思考力と国語力を養いましょう。